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2024年シーズンのサラリーキャップは348億円を上回る見込み

2023年12月11日(月) 12:59

NFLロゴ【NFL】

情報筋によると、NFL経営評議会は先週、現地12日(火)と13日(水)に実施される冬季リーグミーティングで2024年のサラリーキャップに関する見通しを提示しないことを各クラブに通告しており、キャップが決まるのは元旦以降になりそうだという。

しかし、この問題に詳しい関係者の話によれば、収益の急増と、2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる影響が軽減されたことにより、今後数年間でキャップが大幅に増加し、2024年のキャップは2億4,000万ドル(約348億9,168万円)以上に達する可能性が高く、追加収益は将来のキャップに引き継がれる予定だという。

ある関係者は「ビジネスは好調で、ようやく全員がCOVIDの負債から解放された」と話している。

また、収益予測によって2024年のサラリーキャップが2億4,000万ドルを大きく上回る可能性もあるという――2022年の2億0,820万ドル(約302億6,853万円)から1クラブあたり2億2,480万ドル(約326億8,097万円)となった今年よりもさらに莫大な金額だ。

しかし、近年はNFLとNFLPA(NFL選手会)の同意に基づいてキャップが設定されており、組合はこれまで、あるクラスのフリーエージェント(FA)選手が不公平な形で恩恵を受けたり苦しんだりしないよう、1年だけ急増させるのではなく、キャップの伸びをスムーズにすることを望んできた。

木曜日に送られたNFL経営評議会の覚書には、再びその可能性があることが示されており、次のように記されている。

「経営評議会とNFLPAは2024年のサラリーキャップに影響を与える未解決の問題に取り組んでいる最中であるため、それらの問題が解決するまで2024年のサラリーキャップの範囲を予測することはできない。2024年のサラリーキャップは合意に達し次第、過去2年間と同様に覚書によって発表される予定だが、それは年明け以降になると予想している」

情報筋の話によれば、今後数年間でサラリーキャップの増加が予想される要因はいくつかあるとのこと。NFLPAの裁量で支払うべき新型コロナウイルス感染症によって遅延された福利厚生はまだ残っているものの、今年はそれが大きな額とならない最初の年となっている。今年の収益は予測を上回っており、NFLは来年も新たな収入源を見込んでいる状態だ。選択次第では、組合は2024年のキャップに充当される金額の一部を2025年と2026年に繰り延べることで、その増加額を均等にすることができる。そうすれば、上限額が急上昇した後に横ばいになるという事態を避けることができるだろう。

今年から始まった新しいテレビ契約は収益増加、ひいては選手の取り分に大きく影響している。2020年に結ばれた団体労働協約(CBA)には、予想される収益に対する選手の取り分を48%から最大48.8%まで増やすことができる“メディアキッカー”が含まれている(CBAは収入分配契約であり、キャップは選手の分配分に基づき、サラリーと福利厚生を含む)。

NFLとNFLPAが合意した内容として、2023年以降にサラリーキャップを増やすために、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に一時停止された選手への手当――パフォーマンスに基づく支払い、プロボウルへの手当、学費補助など――は組合が支払うことになっていた。現在、それらはほとんど支払われている。

2022年における2億0,820万ドルのサラリーキャップは、2020年に無観客の状態にもかかわらず選手に給与を全額支払い続けることを可能にした低利融資に相当する返済を早めるために、2021年5月にNFLとNFLPAが合意した上限額だ。このプロセスの一環として、2020年に1億9,820万ドルだったキャップは、2021年に1億8,250万ドル(約265億3,368万円)に引き下げられている。2013年から2020年にかけて、キャップは毎年約1,074万ドル(約15億6,149万円)ずつ増えていた。今年は2億2,480万ドルへと跳ね上がり、過去最高の伸びを示したが、2024年も同様の形で増額される可能性が高い。

フリーエージェントの交渉期間は3月11日(月)アメリカ東部時間正午【日本時間12日(火)1時】から、2024年リーグイヤーは13日(水)アメリカ東部時間16時【同14日(木)5時】から始まる。

【RA】