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ラムズからのトレードを「忘れることは決してない」とライオンズQBゴフ

2024年01月12日(金) 14:06


デトロイト・ライオンズのジャレッド・ゴフ【AP Photo/Sam Hodde】

現地14日(日)に行われるロサンゼルス・ラムズとNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区王者のデトロイト・ライオンズとの対決には、ストーリーがぎっしりと詰まっている。

そのつながりを見出すのに、かなり昔までさかのぼったり、クオーターバック(QB)以外のメンバーを調べたりする必要はない。ジャレッド・ゴフとマシュー・スタッフォードは、前者がライオンズに、後者がラムズに送られた2021年のトレードによって永遠に結びつけられている。スタッフォードは移籍した2021年シーズンの最後にスーパーボウル制覇を成し遂げた。

ゴフは確実に、人生を変えることにつながったその取引と、その際に自分に対するリスペクトが欠けていたことを忘れていない。

ゴフは水曜日に『ESPN』に対して「もちろん。忘れることは決してないだろうし、それはいいことだと思っている」とコメントした。

ラムズはスタッフォードと引き換えに、ゴフとドラフト指名権をライオンズにトレード。ゴフではタイトルを獲得できないと結論づけたラムズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイはこの取引で、切望していたベテランクオーターバックを手に入れ、それによってラムズのQBポジションは即座に(そして必要だった)アップグレードをかなえることができた。ワイルドカードラウンドでの対決を前に、マクベイHCはラムズがゴフをライオンズに送り出した方法があまりクリーンなものではなかったと認めている。

どちらかと言えば、それはタイトル獲得を目指す中でゴフを無情に切り捨てた格好だった。

ESPNによると、マクベイHCは「過去に犯した過ちから、私は決して逃げない」と述べたという。「だが、振り返ってみると、あの4年間と、共につくりあげた良い思い出に感謝している。その後、いざ変化を起こすとなったとき、結局は難しかった。私の方でもっと上手く対処できただろうか。間違いなくそうだろう。私はそのことから決して逃げるつもりはない」

「しかし、そこから遠ざかれば遠ざかるほど、男として、人として、リーダーとしてなりたい姿に成長しようとするものだ。彼はああいう終わり方ではなく、もっといい扱いを受けるべきだった。それは認める。彼もそれを分かっていると思う。私はそうしたことを認めるのを恐れていないが、それを振り返れたことで、私たちはより良くなっていると思う。時間が経てば経つほど、彼への感謝の気持ちも強くなっている」

マクベイHCはスタッフォードと共にタイトルを獲得。第56回スーパーボウルでラムズをフットボールの栄光へと導いた。それに続く悪夢のようなシーズンに、マクベイHCは大きな代償を払うことを余儀なくされたが、それから1年後、健康なスタッフォードと共に再びラムズをプレーオフに進出させている。プロ入りしてから12シーズンにわたってライオンズに所属していたスタッフォードは、キャリアの中でも特に素晴らしいプレーを見せているところだ。

スタッフォードのライオンズ時代が終わったのは、スタッフォードが引退するまでにデトロイトでタイトルを真剣に追い求めるチャンスをつかめる可能性が低いと見られていたからに他ならない。それを察知したライオンズはスタッフォードをラムズに送り、見返りとして多くのドラフト資本を手に入れた。ゴフはスタッフォードの後釜としてそのトレード内容に含まれたが、ライオンズが次なるフランチャイズクオーターバックを見つけるまでの橋渡し役以上の存在になるとは考えられていなかった。

それ以来、ゴフはヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベルと攻撃コーディネーター(OC)ベン・ジョンソンの下で目覚ましい復活を遂げ、今季はパスヤード(4,575ヤード)でスタッフォードに9位差をつけてNFL内2位に輝いた。

トレードから3年近くを経て、この2チームはスタッフォードがよく知っている場所で激突する。ゴフを筆頭に、今回の試合ではそれぞれに証明すべきことが多くあると言えよう。デトロイトでプレーオフゲームに勝つことほど、ゴフにとって満足のいくことはないはずだ。また、そこで自分をプロのレベルに引き上げてくれた恩人であるかつてのコーチを倒せば、より一層の喜びを味わえるだろう。

ゴフはマクベイHCについて「もちろん、最後には意見の相違があったけど、彼は素晴らしいコーチだ」と語り、こう続けている。「彼は俺にたくさんのことを教えてくれた人だ」

「長い間、プレーオフゲームで勝利を挙げていないこの街のために、俺はなんとしてでも勝ちたいと思っている。俺たちはかなり久しぶりにホームでプレーオフゲームに臨むことになった。それは俺にとって、個人的なことよりもずっと重要なことだ。この勝利に貢献し、自分の能力を最大限に発揮して仕事をやり遂げたい」

【RA】