注目すべき2つのルール変更案の採決が間近に迫る中、現地20日（水）にNFL選手会（NFLPA）から異議申し立てがあった。木曜日、NFLはこれに対して返答している。

NFLフットボール運営部門取締役副社長のトロイ・ビンセントは、10項目の変更案についてオーナーが投票する年次リーグミーティングを前にした電話会議で、選手の安全に焦点を当てた変更の重要性を改めて訴え、ヒップドロップタックルは“ゲームから排除したいものだ”と再度強調した。

『ESPN』のケビン・シーファートによると、ビンセントはこう詳しく述べたという。

「どんなアスリートにとっても、最も重要な要素は耐久性と可用性だ。負傷率が20倍から25倍に上るプレーがあると、夢をかなえることができない」

NFLPAはこの変更案について木曜日に声明を発表しており、その中で「選手たちはNFLが“旋回したヒップドロップ”タックルを禁止するルールを導入しようとするいかなる試みにも反対する」と述べるとともに、選手、コーチ、審判、ファンの混乱を懸念した。最後に、NFLPAはリーグに対して、このルールの導入を再考するよう要請している。

NFLは過去15年ほどの間、ヘルメットの技術革新を推進しながら、頭部への衝撃を試合から取り除くことに焦点を当て続けており、選手の安全性を大幅に向上させるための措置を講じてきた。リーグはヒップドロップタックルでも同じことを目指しているようだ。

NFLの懸念は、NFLのすべてのディフェンダーにとっての難易度を上げることなく、同時に、混乱を避けつつ施行するのがほぼ不可能に見えるルールに焦点が当てられている。NFL競技委員会のリッチ・マッケイ委員長は、ヒップドロップタックルのルール提案に関するリーグのプロセスをさらに説明することで、この混乱を解消しようと試みた。

『NFL Network（NFLネットワーク）』のトム・ペリセロによると、マッケイ委員長は次のようにコメントしているという。

「これは特殊なタイプのタックルであり、選手がつかんで、自重を支えず・・・それが膝か足首にかかるものだ」

マッケイ委員長はこのルールを審判がリアルタイムで施行するのは難しいかもしれないと認めており、このテクニックを正し、最終的にこの競技からヒップドロップタックルをなくすために、ほとんどの罰則は月曜日に罰金という形で科されると想定している。

NFLは、今では広く知られるようになったホースカラータックルにも同じようなアプローチをとっていた。これは2004年シーズンに、フィラデルフィア・イーグルスの元ワイドレシーバー（WR）テレル・オーウェンスが、ショルダーパッドの内側をつかまれて不格好に引き倒されて、足首を骨折したプレーを受けてのことだった。リーグは最終的にこのタックルを禁止しており、現在では即座に反則となるタックルになっている。

しかし、ヒップドロップタックルはフィールド上ではなかなか見分けがつかない。オールプロ選出経験のある元コーナーバック（CB）リチャード・シャーマンは今週、ソーシャルメディア上でこの変更案を“常軌を逸している”と非難した。それでも、ビンセントはフットボールの可能性を広げるために不可欠な変更だと考えている。

ペリセロによれば、ビンセントは「私たち、ナショナル・フットボール・リーグにとって、この件に触れずにその場を立ち去ることは難しい」と言及したとのこと。

NFLのオーナーは来週、10項目の変更案の一部とし、ヒップドロップタックルに関するルール案を投票で採択する予定だ。もう1つの注目すべき提案——春のより小規模なリーグで既に試されているキックオフの大幅な調整——も、リーグからの支持を集めている。

マッケイ委員長は、キックオフに変更を加える理由の1つとして、2023年シーズンのNFLにおける得失点の数字が低いことを取り上げており、リターンヤードが2010年の約4万5,000ヤードから2023年にはわずか1万3,000ヤードに減少していると指摘している。NFLはキックオフが再び重要な意味を持つことを望んでおり、そのような結果を生み出すための潜在的な手段として今回の提案を考えている、とマッケイ委員長は説明した。

トレード期限を変更する可能性については、反応はさまざまなようだ。

『NFL Network』のイアン・ラポポートによれば、マッケイ委員長は「議論を見届けるのは興味深いと思う。強く賛成する者もいれば、反対する者もいる」と語ったという。

2024年には訪れない変化の1つは、イーグルスが広めたクオーターバック（QB）スニークのスタイルに関するものだ。ビンセントによれば、この件に関するNFLのメッセージはシンプルだ。すなわち「そのままにしておこう。イーグルスがうまいだけだ」とのこと。

【KO】