スーパーボウル:About
2017年12月28日(木) 05:10“スーパーボウル”はNFLシーズンのチャンピオン決定戦である。
NFLのレギュラーシーズンは9月から12月(もしくは1月初頭)にかけて1チームあたり16試合が組まれており、そのレギュラーシーズンの成績によって12チームが1月にトーナメント戦のプレーオフに進出、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の各カンファレンスを生き残った2チームが王座をかけて対戦するのがスーパーボウルだ。近年では例年、2月第1週の日曜日に開催されており、出場する2チームは1試合限りの一発勝負でそのシーズンのNFLチャンピオンを争う。
スーパーボウルが行われる2月第1週の日曜日は通称“スーパーサンデー”と呼ばれ、単なるスポーツイベントの枠を超えたアメリカ全土を巻き込む最大の祭典となっている。スーパーボウル当日までの1週間は“スーパーボウルウイーク”と題して開催地でさまざまな催し物が開かれるほか、出場チームの地元はもちろん、アメリカ全土がスーパーボウル一色に染まる。
スーパーボウルの視聴率は軒並み40%を超え、毎年アメリカの全テレビ番組中1位にランクされる。さらに、視聴者数もアメリカ国民の2人に1人に等しい約1億4,000万人に上り、米テレビ番組の歴代視聴者数ランキングでは実にトップ10のすべてをスーパーボウルが独占しているほどだ。
優勝チームに送られる“ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー”は、アメリカ有名宝飾店『Tiffany & Co.(ティファニー)』社が毎年製作している。熟練工の手作りによって作られる高さ22インチ(約56cm)、重さ7ポンド(約3.2kg)の純銀製のトロフィーは1万2,000ドル(約140万円)をかけて製作されている。トロフィーの名称は第1回と第2回のスーパーボウルで連覇を果たしたグリーンベイ・パッカーズの伝説的ヘッドコーチ(HC)ヴィンス・ロンバルディに由来している。
スーパーボウル優勝チームの選手、コーチ、スタッフだけが手にできるのが名誉の“スーパーボウルリング”だ。リングのデザインはチームに任されるが、リーグは1個あたり5,000ドル(約59万円)として150個分の制作費までを負担し、それを超える分はチームの負担となる。製作費用は1億円を超えることもめずらしくない。
毎年、アメリカの最高TV視聴率番組となるスーパーボウル。アメリカTV史上の視聴率トップ15のうち、8つはスーパーボウル中継で占められている。最もTV視聴率が高かった1982年の第16回スーパーボウルの49.1%をはじめ、第6回以降のスーパーボウル中継は1990年を除き、毎年平均視聴率40%を超える超人気テレビ番組として知られている。
また、ゲームはもちろんのこと、前半と後半の間に行われるハーフタイムショーも見どころのひとつ。例えば、マドンナが出演した第46回大会はアメリカ国内だけで約1億1,250万人が視聴した。
毎年、スーパーボウルの開催に合わせて多くの人々が開催地を訪れる。そのため、開催地に及ぼす経済効果も絶大なものがある。マーケティング・インフォメーション・マスターズ社の調べによると、第37回スーパーボウルはサンディエゴに3億6,700万ドル(約433億円)の経済効果をもたらした。1998年に同じくサンディエゴが第32回スーパーボウルの舞台となった際には、地元への経済効果が2億9,500万ドル(約348億円)だったことを考えるとスーパーボウルの経済効果も年々拡大していることが分かる。また、その他にも、天候にも恵まれ、多くの観光客を受け入れることができるマイアミで行われた第33回スーパーボウルの経済効果は約4億ドル(約472億円)に上ったと試算されている。