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2025年NFLスケジュール:シーズン第1週全試合の見どころ

2025年05月15日(木) 13:32

【NFL】

期待高まるシーズンが正式に幕を開けた。

3日間にわたって一部の試合スケジュールが発表されたのに続き、2025年の全レギュラーシーズンスケジュールが現地14日(水)に明らかになっている。

その起点となるシーズン第1週は、これまでの歴史を通じ、成功の兆しとなるものだった。また、見どころあるマッチアップが豊富な週でもあり、昨シーズンがそうだったように、いずれプレーオフに進出するチーム同士の試合が多い。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、NFLが14チーム制のポストシーズンフォーマットに移行した2020年以降、プレーオフに出場したチームの第1週の勝率は70%であり、全体で49勝21敗という数字でシーズンをスタートしているという。

2024年にはポストシーズンに進出した14チーム中、9チームが第1週に勝利。敗北した5チーム中、4チームは後のプレーオフ進出チームを相手に黒星を喫している。デンバー・ブロンコスのみが、第1週に非プレーオフチームに負けながらもポストシーズンにコマを進めた。ブロンコスが敗北した相手であるシアトル・シーホークスは、最終的に10勝7敗をマークしている。

開幕週に後のプレーオフチームに勝利したカンザスシティ・チーフスとフィラデルフィア・イーグルスが、第59回スーパーボウルで相まみえている。

2025年の第1週は、2024年のそれと同様に、成功への踏切板になるのだろうか?

シーズン第1週に組まれた16試合は次の通りだ。

9月4日(木)

ダラス・カウボーイズ vs. フィラデルフィア・イーグルス
会場:リンカーン・フィナンシャル・フィールド(フィラデルフィア)
日程:(アメリカ東部時間、以下同)20時20分【日本時間5日(金)9時20分】

過去4年間の(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区王者である両者が、2025年シーズンキックオフゲームで対峙。イーグルスの2年連続スーパーボウル制覇への道が、ここから始まる。また、イーグルスは自身が2001年から2004年に遂げて以来の、NFC東地区連続王者も目指すだろう。イーグルスは昨年と2022年にこの地区を制し、カウボーイズは2021年と2023年に地区優勝を果たした。カウボーイズの新人ヘッドコーチ(HC)であるブライアン・ショッテンハイマーにとって、初試合の相手がワールドチャンピオンというのが難しいタスクであることは間違いない。何しろ、イーグルスは2024年に計75対13という差で相手を圧倒してきたのだから。

9月5日(金)

カンザスシティ・チーフス vs. ロサンゼルス・チャージャーズ
会場:コリンチャンス・アリーナ(サンパウロ)
日程:20時【日本時間6日(土)9時】

NFLシーズンの最初の金曜日がブラジルの日となるのは、2シーズンで2度目のこと。昨シーズンはいずれスーパーボウル優勝を果たすことになるイーグルスで、ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーが輝かしいデビューを遂げ、最終決戦で再び下すことになるクオーターバック(QB)パトリック・マホームズとカンザスシティ・チーフスに勝利した。ブラジルで2度目のNFLゲームでは、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区争いが繰り広げられる。この試合は歴史的な7試合というゲームが組まれた2025年インターナショナルゲームの先陣を切るものだ。ヘッドコーチ(HC)ジム・ハーボーとQBジャスティン・ハーバートが、2019年以来のチームのインターナショナルゲームを率いる。前に海を渡った際は、マホームズ率いるチーフスに24対17で敗れた。一方のチーフスは国外で3勝0敗をマークし、4カ国――アメリカ、イングランド、メキシコ、ドイツ――で勝利した初めてのチームとなっている。

9月7日(日)

ラスベガス・レイダース vs. ニューイングランド・ペイトリオッツ
会場:ジレット・スタジアム(マサチューセッツ州フォックスボロ)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

1年間NFLのサイドラインを離れていたピート・キャロルとマイク・ブラベルが、それぞれの新しい役割でデビューする。それぞれが荒れ果てたレイダースとペイトリオッツの立て直しをはかっており、両者とも多くの新鮮な選手を擁するチームを指揮する。この試合では2025年NFLドラフト全体6位指名のランニングバック(RB)アシュトン・ジェンティが期待のNFLデビュー。他方で、QBジーノ・スミスが初めてシルバー&ブラックをまとった姿で登場する。

ピッツバーグ・スティーラーズ vs. ニューヨーク・ジェッツ
会場:メットライフ・スタジアム(ニュージャージー州イーストラザフォード)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

スケジュールは発表された。しかし、QBアーロン・ロジャースの未来はまだ分からない。未来の殿堂メンバーであるロジャースが2025年にプレーするとすれば、あらゆる兆候はそれがピッツバーグでのことになると示唆している。そうなれば、ロジャース自らが“ジェットライフ・スタジアム”と呼んだ会場で、古巣と対決することになるだろう。ロジャースの未来が不明である一方、ジェッツの先発QBははっきりしている。昨年の開幕戦で先発したピッツバーグを相手に、ジャスティン・フィールズがシーズン第1週にジェッツの先発を務めるだろう。

マイアミ・ドルフィンズ vs. インディアナポリス・コルツ
会場:ルーカス・オイル・スタジアム(インディアナポリス)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

重要なシーズンを迎えるインディアナポリス・コルツでは、アンソニー・リチャードソンとダニエル・ジョーンズによるQB争いの勝者が、開幕戦の先発を務めることになりそうだ。2024年シーズンを終えたとき、ドルフィンズとコルツの双方が、プレーオフ進出を果たせなかったヘッドコーチとジェネラルマネジャーを維持するとの声明を発行した。つまり、いずれのチームも、きわめて重いもののかかった2025年シーズンを迎えるということだ。マイク・マクダニエルを筆頭とするドルフィンズは、俊足のワイドアウト(WR)タイリーク・ヒルのオフシーズンの間の負傷とドラマにも対応する必要がある。

アリゾナ・カーディナルス vs. ニューオーリンズ・セインツ
会場:シーザーズ・スーパードーム(ニューオーリンズ)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

セインツのケレン・ムーアHC時代はスーパードームで幕を開ける。それは、フィラデルフィア・イーグルスの攻撃コーディネーター(OC)として、祝祭の中でムーアの2024年シーズンが終わった地だ。ムーアの元で誰が先発クオーターバックを務めるかは、まだ分かっていない。QBデレック・カーの引退を受け、ドラフト2巡目指名のタイラー・ショウ、スペンサー・ラトル、ジェイク・ヘイナーがQB1の座をかけて戦う。そして、スーパードームに戻ってくるスーパーボウル王者はムーアだけではない。ラインバッカー(LB)ジョシュ・スウェットがイーグルスを離れてアリゾナへ移り、元イーグルス守備コーディネーター(DC)にしてカーディナルスの新ヘッドコーチになったジョナサン・ギャノンと合流している。

ニューヨーク・ジャイアンツ vs. ワシントン・コマンダース
会場:ノースウェスト・スタジアム(メリーランド州ランドバー)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

2年目にようこそ、ジェイデン・ダニエルズ。ダニエルズは2年連続でワシントンの先発を務める、カーク・カズンズ(2015年から2017年)以来のクオーターバックになろうとしている。ダニエルズは昨年にAP通信NFL攻撃部門年間最優秀新人賞を受ける活躍で、チームを1991年以降で初のNFCチャンピオンシップゲームへと導いた。再生が1年限りのものではないことを証明しようとしているワシントンに対し、ジャイアンツもNFC東地区の上位へ浮上しようと狙っている。ジャイアンツの先発クオーターバックであるラッセル・ウィルソンにとって、今回が3年で3つ目のチームからのデビューとなる。

カロライナ・パンサーズ vs. ジャクソンビル・ジャガーズ
会場:エバーバンク・スタジアム(フロリダ州ジャクソンビル)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

二刀流のユニコーン、トラビス・ハンターは、NFLでどれほど通用するだろうか? ジャガーズは2025年ドラフト全体2位指名のこの選手を、オフェンス、もしくはディフェンスでどう活用するのだろう? NFL界はその答えにつながる最初のヒントを目にすることになる。ハンターのデビューが、しばらくの間で最も興味深く、予想不能なものであることは間違いない。マスコットキャラクターがよく似たカロライナとジャクソンビルだが、共通点はそれだけではなく、この試合ではそれぞれが擁する元全体1位指名選手、パンサーズQBブライス・ヤングとジャガーズQBトレバー・ローレンスが腕を競う。

シンシナティ・ベンガルズ vs. クリーブランド・ブラウンズ
会場:ハンティントン・バンク・フィールド(クリーブランド)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

年に2度発生するオハイオ対決のラウンド1を前に、シンシナティとクリーブランドはそれぞれの課題を抱えている。接戦を経験し、プレーオフ進出を逃したベンガルズには、QBジョー・バロウをはじめとする面々が戻ってきた。WRジャマール・チェイスは昨年にレシービングで3冠を達成。WRティー・ヒギンズもベンガルズと再契約している。現サックリーダーのディフェンシブエンド(DE)トレイ・ヘンドリックソンの契約はまだどうなるか分からないが、2025年のベンガルズに高い期待がかかるのは確かだ。それに立ちはだかるクリーブランドでは、4人のクオーターバックが開幕戦の先発を争っている。その内訳は元スーパーボウルMVP(ジョー・フラッコ)、元1巡目指名選手(ケニー・ピケット)、そして新人2人(ディロン・ゲイブリエルとシェドゥーア・サンダース)だ。

タンパベイ・バッカニアーズ vs. アトランタ・ファルコンズ
会場:メルセデス・ベンツ・スタジアム(アトランタ)
日程:13時【日本時間8日(月)2時】

アトランタのQBマイケル・ぺニックスJr.時代が本格的に始まろうとしている。それを唯一喜んでいるNFC南地区のチームが、バッカニアーズだろう。というのも、ファルコンズは2024年に2回のバッカニアーズ戦の両方を制しており、その原動力となったのがQBカーク・カズンズの9回のタッチダウンパスだったからだ。カズンズは第1週にまだアトランタにいるかもしれないが、それは2年目を迎えるぺニックスのバックアップとしてのことになりそうだ。アトランタのオフシーズンの間のフォーカスがディフェンスにあったのと同様、バッカニアーズの守備陣も大幅な改善を試みている。5年連続NFC南地区王者を目指すバッカニアーズは、地区内の有力チームであるだけではなく、カンファレンスのコンテンダーとなることを狙っている。

テネシー・タイタンズ vs. デンバー・ブロンコス
会場:エンパワー・フィールド・アット・マイル・ハイ(デンバー)
日程:16時5分【日本時間8日(月)7時5分】

このオフシーズンにすべてがナッシュビルの計画通りに進めば、ドラフト全体1位指名のQBキャム・ワードがこの試合でNFLデビューを果たすはずだ。AP通信守備部門年間最優秀選手であるパトリック・サーテイン二世をはじめ、ブロンコスがリーグでも最強クラスの守備陣を敷いている以上、ワードの前には険しい道が待っている。一方、ブロンコスのQBボー・ニックスは昨シーズンに輝かしいルーキーシーズンを送り、第50回スーパーボウルを制して以来のブロンコスのプレーオフ復帰の一助となった。ショーン・ペイトンHCのブロンコスが上昇気流に乗っていることは間違いない。ブライアン・キャラハンHCも、ブロンコスとニックスのような成功を目指しているだろう。ブロンコスは2021年以来、第1週に勝利していない。タイタンズは4年連続でシーズン初戦に敗北している。引き分けにならない限り、いずれかのチームがその苦境を脱することになる。

サンフランシスコ・49ers vs. シアトル・シーホークス
会場:ルーメン・フィールド(シアトル)
日程:16時5分【日本時間8日(月)7時5分】

NFC西地区のライバルである2チームには、多くの変化があった。シーホークスを去ったのはQBジーノ・スミス、WRのD.K.メットカーフとタイラー・ロケット。それに代わってQBサム・ダーノルドとWRクーパー・カップが加わった。一方の49ersでは加入に比べて失ったものが大きく、セーフティ(S)タラノア・フファンガやLBドレイ・グリーンロー、WRディーボ・サミュエルらがチームに別れを告げている。果たして49ersの立て直しはなるか? シーホークス戦に向けて、RBクリスチャン・マカフリーの復帰に向けた状況が重要になるだろう。大きく変貌しようとしている両チームの新たな姿が、この試合から見えてくるはずだ。

デトロイト・ライオンズ vs. グリーンベイ・パッカーズ
会場:ランボー・フィールド(ウィスコンシン州グリーンベイ)
日程:16時25分【日本時間8日(月)7時25分】

1年前にポストシーズンに進みながらも、期待には届かないところで終わった両チームが、NFC北地区対決に臨む。自分たちの望んだ位置よりもはるか手前のディビジョナルラウンドで敗退したライオンズが、フィールドに戻ってくる。ダン・キャンベルのチームは新OCのジョン・モートン、新DCのケルビン・シェパードの元で、再び成功を収めることができるだろうか? 一方、グリーンベイは昨シーズンのワイルドカードラウンドでイーグルスに敗北。過去7戦で6回ライオンズに敗れているパッカーズとしては、モートンとシェパードのデビューを台無しにしたいところだ。DEエイダン・ハッチンソンの復帰が見えていることが、ライオンズにとっての吉兆となっている。

ヒューストン・テキサンズ vs. ロサンゼルス・ラムズ
会場:SoFiスタジアム(カリフォルニア州イングルウッド)
日程:16時25分【日本時間8日(月)7時25分】

2025年に高い期待のかかる2チームが、開幕早々、ビッグゲームに挑む。昨シーズンは両チームがディビジョナルラウンドに進んでおり、いずれも後のスーパーボウル出場チームに敗れた。どちらも核となるメンバーがチームに戻っているのに加え、魅力的な新メンバーのデビューも控えている。ラムズの象徴的な存在だったクーパー・カップの後継者としての役割を果たすことになるのが、ここ2年で3チーム目に移ったWRデイバント・アダムス。テキサンズではQBのC.J.ストラウドが3年目を迎え、新OCニック・ケアリーとの初仕事に臨む。ラムズを率いるショーン・マクベイHCはケアリーのかつての上司であり、2年にわたってケアリーはマクベイの元でコーチングを行っていた。テキサンズのデミコ・ライアンズHCは長く49ersでアシスタントを務めてきたことから、マクベイおよびラムズとは年に2度対戦してきたという経緯がある。とは言え、ライアンズがヘッドコーチとしてマクベイと対戦したことはない。今回の試合は、史上6度目のテキサンズ対ラムズとなる。

ボルティモア・レイブンズ vs. バッファロー・ビルズ
会場:ハイマーク・スタジアム(ニューヨーク州オーチャード・パーク)
日程:20時20分【日本時間8日(月)9時20分】

2025年最初のサンデーナイト・フットボールは昨シーズンのAFCディビジョナルラウンドのリマッチであり、MVPのファイナリストたちが集結する1戦となる。ビルズのデュアルスレットのクオーターバックであるジョシュ・アレンは、昨シーズンに2度のMVPであるダイナミックなQBラマー・ジャクソンを抑えて、初めてAP通信NFL MVPに選ばれた。また、このゲームではトップのランニングバックたちも登場。レイブンズ(3位)のデリック・ヘンリーとビルズ(2位)のジェームズ・クックは、それぞれのチームを得点でトップ3に押し上げていた。さらに、ビルズの新パスラッシャーであるジョーイ・ボサが初めてチャージャーズ以外のユニフォームでお目見えする。いずれにせよ、この試合はシンプルに、AFCのヘビー級ファイターたちによる1戦になる。

9月8日(月)

ミネソタ・バイキングス vs. シカゴ・ベアーズ
会場:ソルジャー・フィールド(シカゴ)
日程:20時15分【日本時間9日(火)9時15分】

この1戦は2024年全体1位指名選手と同全体10位指名選手のバトルになるかもしれない。これまでの兆候からすれば、後者であるバイキングスQBのJ.J.マッカーシーがチームの先発QBになる見込みであり、その場合、ベアーズおよびQBケイレブ・ウィリアムズとのマンデーナイト戦がNFLデビューになる。マッカーシーは昨年8月にシーズン終了となる膝のケガを負っていた。ウィリアムズはデビューシーズンだった昨年に、68回のサックをくらいながらもケガを回避している。5勝のシーズンを終えたベアーズは、ウィリアムズを中心としたチーム構築を継続し、オフェンシブラインを刷新したのに続き、タイトエンド(TE)コルストン・ラブランドとWRルーサー・バーデン三世をドラフト。また、ベン・ジョンソンをヘッドコーチに迎えた。一方のバイキングスは14勝3敗のシーズンを送りながらも、ワイルドカードゲームでラムズに大敗。その後、オフェンシブラインおよびディフェンシブラインのインテリアの部分を強化している。シーズン第1週に組まれた8番目かつラストのディビジョンゲームとして、バイキングスとベアーズがしのぎを削る。

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