コルツのQBジョーンズとリチャードソンが先発の座をかけて競争を開始
2025年07月24日(木) 12:15
インディアナポリス・コルツのクオーターバック(QB)アンソニー・リチャードソンは、自身の健康状態に自信を示している。
そして、QBダニエル・ジョーンズは先発争いに挑む機会を歓迎している。
ヘッドコーチ(HC)シェーン・スタイケンは今後数週間のスナップ配分について大まかな方針を持っているが、決定を下す時期については定めていない。コルツがトレーニングキャンプで初めての練習に臨んだ現地23日(水)に、先発の座をかけた争いは本格的に始まった。
スタイケンHCは「彼(リチャードソン)にはメンテナンスプランを用意している。チーム練習にはすべて参加してもらいたいから、毎日個人練習で投げる姿が見られるとは限らない」と述べている。
「(チーム)練習の進め方を考慮しつつ、あの2人には今日と同じように、同じ練習量を与えるつもりだ。どちらも毎日ファーストチームで練習できるよう、交互に入れ替えるつもりだ」
就任3年目のスタイケンHCにとって、QB争いを見届けるのは今回で2度目となる。最初の競争は2023年のプレシーズン初戦終了後に終わり、当時はルーキーだったリチャードソンがガードナー・ミンシューを抑えて先発に選ばれた。
リチャードソンがその年のドラフトで全体4位指名を受けたことや、2019年8月にアンドリュー・ラックが電撃引退してからコルツが長期的な後継者を探し続けていたことを踏まえると、それは当然の結果だったのかもしれない。
しかし、今回は計画が異なるようだ。
ジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードは火曜日に、両者がインディアナポリス北西部の郊外、ウエストフィールドでの練習で先発組との練習機会を分け合うことに加え、他チームと対戦する様子も見たいと語った。
ボルティモア・レイブンズおよびグリーンベイ・パッカーズとの合同練習が、決定を下すのに十分な情報をもたらすのか、はたまた、リチャードソンとジョーンズがより制御の少ないプレシーズンゲームでプレーする可能性があるのかはまだ不明だ。
第一印象では、フィールド上での差はほとんど見られなかった。
両者は共にコルツのディフェンス相手に苦戦し、11対11のドリルでは複数のパスをはじき飛ばされていた。ジョーンズは後に“悪い判断”だったと振り返ったプレーでインターセプトを喫したが、練習終盤にはワイドレシーバー(WR)アンソニー・ゴールドへのロングパスを見事に決める場面もあった。
「どの初日もそうだと思うけど、良いところもあれば悪いところもあった」と語ったジョーンズは「改善すべき点は常にある。映像を見返して、そこから改善していくつもりだ。でも初日にしては、初日に期待されることをたくさんやれたと思う」と続けた。
ジョーンズには期待されていることを理解できるほど十分な経験がある。
ニューヨーク・ジャイアンツは2019年ドラフトの全体6位でジョーンズを指名。ルーキーシーズンの第3週に先発を任されたジョーンズは、3年間にわたって苦戦を強いられた後、2022年シーズンにチームをプレーオフ進出に導き、その功績が認められて4年1億6,000万ドル(約233億6,120万円)の契約を締結した。しかし、2023年の先発出場は6試合にとどまり、昨季は8回のタッチダウンに対して7回のインターセプトを喫した。その結果、ジョーンズはジャイアンツから放出され、ミネソタ・バイキングスと契約を結んだ。
現在、再出発を目指しているジョーンズは、次のようにコメントしている。
「やるべきことはたくさんある。特に俺はシステムを覚えて、みんなのことを知って、コーチ陣とのコミュニケーション方法も学ばないといけない。長い道のりだ。やるべきことは山積みだけど、その日の練習やミーティングなど、目の前のことに集中して取り組むのが大事だと思っている」
一方のリチャードソンは負傷歴の影響で、この2シーズンの先発数が15試合にとどまっており、投球側の肩に痛みがあったため、ミニキャンプ最後の練習も欠席していた。
また、リチャードソンは今夏にカリフォルニアでチームメイトとワークアウトを行った際にもパスを投げなかったことを認めている。
リチャードソンは回復過程において自然なことだと思っていると説明しつつ、「1年半前に手術を受けたから、その影響で断続的に痛みがあった」と明かした。
「でも、今回は別の問題だった。特に心配はしていない。俺はチームのためにできることをやろうとしていただけ」
リチャードソンはパスの精度にも課題があり、キャリア通算のパス成功率は50.6%となっている。中でも昨シーズンはリーグのレギュラー先発QBの中で最も低い47.7%にとどまった。
しかし、リチャードソンは水曜日に自身の体調が良好であり、再び先発争いに勝つ準備ができていると宣言。
「誰もが今すぐ成功することを望んでいる」と強調したリチャードソンは「去年は明らかに改善すべき点があったから、その部分を改善しようとしているし、チームから必要とされるときにいつでも対応できるようにするつもりだ」とつけ加えた。
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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