NFLチーム研究所:Week 18 – ニューオーリンズ・セインツ
2017年08月26日(土) 22:43NFLチーム研究所トップ > Week 18 – ニューオーリンズ・セインツ
セインツの歴史は1966年11月1日にニューオリンズがNFLで16番目のフランチャイズを得たと当時のピート・ロゼールNFLコミッショナーが宣言した時から始まる。実は当時NFLは対抗リーグだったAFLとの合併を連邦議会から承認してもらう必要があり、ニューオリンズでのチーム設立を目指して活動していたルイジアナ州選出の上院議員などの心証を良くするため、承認に至ったという背景があった。チーム設立宣言後、ヒューストンで石油業を営んでいた26歳のジョン・ミーコムがチームの株式の過半数を獲得し、初代オーナーに就任している。
チーム名には2つの由来がある。1つ目は設立が発表された11月1日がカソリックの祭日、All Saints’ Day(諸聖人の日)だったことだ。ロゼールはわざわざこの日を選んで発表したのである。2つ目は世界的に知られたジャズ・ソングで、ニューオリンズを代表する曲でもある“When the Saints Go Marching In(聖者の行進)”だ。同曲を演奏していたトランペッターのアル・ハートがチームの少数株主になっていたこともあり、チームの公式ファイトソングにもなっている。
チームカラーはオールドゴールド、ブラック、ホワイトの3色。オールドゴールドは石油の同義語であり、ミーコム・オーナーが石油産業出身であることから選ばれた。チームロゴは設立当初から“フラ・ダ・リ”が使用されている。これは百合の花を現したもので、ニューオリンズを統治していたフランス王家の象徴であり、現在ニューオリンズ市のシンボルマークでもある。ロゴは設立当初、ブラックで描かれていたが、2000年以降は中がオールドゴールドに変更された。ただしヘルメットのデカルは初代のロゴが今も使用されている。
1985年に初代オーナーのミーコムはニューオリンズ生まれの起業家トム・ベンソンにチームの株式を売却。ミーコムはその後、ヒューストンに戻り、レーシングチームやホテルの経営を行い、今もセインツを応援しているとのことだ。ベンソンは2代目オーナーとして現在も活動を続けている。セインツがホームで勝利すると、ゴールドとブラックの傘を掲げてフィールドで踊る“ベンソン・ブキ”でファンに親しまれる存在だ。また、現在NBAのニューオリンズ・ペリカンズのオーナーにも就いている。
【渡辺 史敏】
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