NFLチーム研究所:Week 19 – タンパベイ・バッカニアーズ
2017年09月02日(土) 11:52NFLチーム研究所トップ > Week 19 – タンパベイ・バッカニアーズ
バッカニアーズはシーホークスと共に1976年にエキスパンションチームとして設立された。それまでNFLは全26チームだったが、1970年のAFLとの合併時に28チームに拡大することで合意していたのである。ただ、ビルズとペイトリオッツなどのスタジアム建設問題などがあり、承認が遅れたのだ。
フロリダ州タンパ市にフランチャイズを置くエキスパンションチーム新設の承認を受けたのはフィラデルフィア出身の建設会社オーナー、トム・マククロスキーだったが直後に資金難に陥ってしまう。そのためジャクソンビルの税理士、ヒュー・カルバーハウスが初代オーナーに選ばれることとなった。
チーム設立が決まるとすぐに地元ラジオ局でチーム名が公募された。多くの候補の中からオーナーのカルバーハウスが選んだのがバッカニアーズだ。バッカニアーとは17世紀にフロリダ湾沿岸で活動していた海賊の呼称だ。選んだ理由としてカルバーハウス「この名前には魂がある。チームが海賊のようにハイスピリットで攻撃的になることを望んでいる」と語っている。
さらにタンパは中規模の都市であることもあって、タンパだけでなくセントピータースバーグ、クリアウォーター、サラソタなどフロリダ湾沿岸コミュニティ全体で応援するため、チーム名を“タンパベイ・バッカニアーズ”としたのである。後にタンパを本拠地とするようになったMLBのレイズやNHLのライトニングなども同様に“タンパベイ”を名乗っている。
チームカラーはバッカニアーレッド、ピューター、ベイオレンジの3色。設立当初はフロリダオレンジと呼ばれたオレンジがデザインのユニフォームなどの基調として使われた。設立当初のロゴもオレンジとレッドで描かれたナイフを加え、帽子を被り、イヤリングをした海賊の顔をデザインしたものだった。このキャラクターは“ブルース・ザ・バッカニアー”や“バッカニアー・ブルース”と呼ばれている。
1997年にロゴやユニフォームの変更が行われ、ロゴは骸骨と2本の剣、フットボールを描いたたなびく海賊旗のデザインとなった。ユニフォームもレッドが基調となった。さらに2014年には細部のデザインやヘルメットのデカルの大型化などの変更が加えられ、現在に至る。
1994年に初代オーナー、カルバーハウスが肺がんで死去すると、チームの財政状態が悪化していることが発覚する。このためカルバーハウスの息子、ジュニアは、フレッド・コーンなどカルバーハウスの資産管財人がチームを管理し、売却することを指示した。いくつかのグループが買収に動いたが、結局、権利を得たのはさまざまなビジネスを展開していた富豪のマルコム・グレイザーだった。買収額はプロスポーツチームとしては当時最高の1億9,200万ドル(現在の3億1,650万ドルに相当)と見られている。
マルコムは2003年にはイギリスのサッカー強豪チーム、マンチェスター・ユナイテッドのオーナーになるなどもしたが、2014年に85歳で逝去した。その後、バッカニアーズは会長を務めるブライアンやジョエルなどグレイザー家の所有となっている。
【渡辺 史敏】
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