特集

NFLチーム研究所:Week 9 – シカゴ・ベアーズ

2017年06月24日(土) 12:07

NFLチーム研究所トップ > Week 9 – シカゴ・ベアーズ

NFLの歴史はベアーズと共に作り上げられてきた。ベアーズは1920年9月にオハイオ州カントンでNFLの前身、アメリカン・プロフェッショナル・フットボール・アソシエーションが創設されたときのメンバーである。創設時11チームが参加していたが今もNFLで存続しているのはベアーズとカーディナルスの2チームのみだ。

ただ1919年のチーム創設時はシカゴ・ベアーズではなく、イリノイ州ディケーターに本拠を置く、食品会社ステーリィの実業団チーム、ディケーター・ステーリィズというチームだった。同社は1920年にチーム運営のためジョージ・ハラスとエドワード・スターナマンを雇い、翌年には2人に全権を譲っている。

ジョージ・ハラスは選手兼コーチとしてチームを率いただけでなく、アメリカン・プロフェッショナル・フットボール・アソシエーション設立でも中心的な役割を担った。1921年には本拠地をシカゴに移し、さらに翌年ホームスタジアムをリグレー・フィールドに移したのを機にチーム名をベアーズに変更。これは同じリグレー・フィールドを使用するMLBカブス(カブは小熊)にちなんだものだ。

チームロゴは創設時にはなく、1940年にボールを抱えた熊のロゴが採用され、その後3度の改定があり、1974年以降は現在の“C”マークが基本ロゴとして使われている。また補助ロゴとして1963年から熊の顔をかたどったマークも使用されている。

恐慌で困窮したスターナマンからチームの株式を購入したハラスはベアーズだけでなくNFLの運営にも注力していく。皆から慕われた存在で、“パパ・ベア”や“ミスター・エブリシング”のニックネームで知られている。1963年には殿堂入りも果たした。最初に殿堂入りした17人の一人である。ハラスは1983年、88歳で死去した。チームはその功績を称え、彼がつけていた背番号7を永久欠番とし、今もユニフォームの袖に彼のミドルネームであるスタンレーを含めた頭文字“GSH”を入れ続けている。さらにリーグもNFCチャンピオンに贈るトロフィーをジョージ・ハラス・トロフィーと名付けてもいる。

現在のオーナーはジョージの長女バージニア・ハラス・マカスキーだ。弟のジョージ・ハラス・ジュニアが16年に渡りチーム社長を務めていたが、1979年に心臓発作で急死したことを受けて、彼女が2代目オーナーに就くこととなった。2016年6月時点でバージニアは共同を含め3人しかいない女性オーナーの一人であり、最年長オーナーでもある。

【渡辺 史敏】

NFLチーム研究所トップ > Week 9 – シカゴ・ベアーズ