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NFLチーム研究所シーズン2:Week 11 - ニューオーリンズ・セインツ

2018年02月17日(土) 10:46



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1960年代半ば、ビジネスマンで後にセインツの創設時少数オーナーとなるデイビッド・ディクソンはニューオリンズにNFLフランチャイズを誘致する活動を行っていた。その中で複数のエキジビションゲームがニューオリンズで開催されたが夏の雷雨に見舞われたことから当時のピート・ロゼールNFLコミッショナーからドームスタジアムでなければニューオリンズに拡張チームを作ることはできないと伝えられたのである。これを受け、ディクソンはルイジアナ州州知事に掛け合ってスタジアム建設の援助を得ることに成功。その結果、1966年11月1日にコミッショナーがニューオリンズにフランチャイズを与えると発表した1週間後の8日、ドームスタジアムの建設が発表されたのである。

セインツは1967年からリーグに参入したが、新スタジアムは建設中だったたため、当初ホームとして使用されたのは地元チューレーン大学が所有していたチューレーン・スタジアムだった。同スタジアムは約8万人を収容できる屋外型のフットボール用スタジアムで、カレッジのシュガーボウル会場としても知られていた。セインツは1974年まで同スタジアムを使用している。

そうして1975年に完成したのが念願のルイジアナ・スーパードームである。フットボールをメインとしているが、さまざまなスポーツや展示会などに使用できるドーム型スタジアムだ。7万3,000人超を収容可能で、ニューオリンズのダウンタウン至近、世界的に有名な観光地バーボンストリートから車で10分ほどの場所に立地する。

1978年の第12回を皮切りにこれまで7回のスーパーボウルが開催された。またシュガーボウルとチューレーン大学フットボールチームもセインツと共に1975年にスーパードームに移っている。

2005年、スーパードームとセインツは大きな危機に見舞われることとなった。8月にハリケーン“カトリーナ“が同地を襲い、一帯に甚大なる被害を与えたのだ。ニューオリンズ市は大混乱に陥り、スーパードームも屋根が破損した他、緊急の避難場所となったためフットボールに使用することができなくなったのである。

このため、セインツはこの年のホーム開幕戦を敵地のジャイアンツ・スタジアムで行い、テキサス州のアラモドームで3試合、ルイジアナ州バトンルージュのタイガー・スタジアムで4試合開催することを余儀なくされた。

それだけに翌2006年の再オープンは地元の復興を示す大イベントとなり、住民から大歓迎されたのである。

また、次第に施設の古さが目立つようになり、セインツが移転をちらつかせたこともあって、2006年以降大々的なリノベーションが2度に渡って実施されている。また2011年にはネーミングライツを自動車メーカーのメルセデス・ベンツが取得。以降、正式名称はメルセデス・ベンツ・スーパードームと呼ばれている。

2013年2月に開催された第47回スーパーボウルでは試合中、34分間に渡って停電が発生するアクシデントも起こった。

【渡辺 史敏】

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