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NFLチーム研究所シーズン2:Week 23 - クリーブランド・ブラウンズ

2018年05月12日(土) 10:15



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1944年、後にNFLと合併するオールアメリカ・フットボール・カンファレンス(AAFC)に参加したブラウンズが最初にホームとしたのはクリーブランド・スタジアムだった。

クリーブランド市ダウタウンの端に立地する屋外型スタジアムで、1931年に完成している。ブラウンズよりも先にMLBクリーブランド・インディアンズが1932年から使用していたが、最初からフットボールと野球の両方に使用できるスタジアムとして設計されていた。フットボールでは8万1,000人が収容できた。

ブラウンズは1995年までこのスタジアムを利用したが、1980年代以降有名となったのが“ドーグポンド”と呼ばれるスタジアムの東部分、エンドゾーン後方のスタンド部分だ。ドーグとは犬、ドッグから変じた俗語で、仲間という意味もある。“ドーグポンド”とは犬の収容所のことだ。

1985年、当時コーナーバック(CB)だったハンフォード・ディクソンが守備陣に“ドーグズ”というニックネームをつけたことに端を発する。そのことから守備選手がサックなどを挙げると犬の吠え合いを真似るパフォーマンスをするようになり、それがファンに波及し、スタンドで吠え合いをするようになった。特に熱心なファンが詰めかける東スタンドで行われたことから、“ドーグポンド”と名付けられたのである。このため、ファンが犬の鼻や頭部を模したマスクなど犬に関連したグッズを身につけて応援することがブラウンズ戦の恒例となっていった。

こうした名物も生まれたが、1990年代に入ると当時のアート・モデールオーナーが財政難に陥り、1995年にボルティモアへの移転を発表する。クリーブランド市はチームを留めるための交渉をするなかで、クリーブランド・スタジアムと同じ場所にブラウンズ用スタジアムを建設することを決定した。しかし結局、レイブンズとなるチームは移転してしまう。一方でブラウンズのチーム名など資産はクリーブランドに残り、1999年までに新チームとしてブラウンズが復活することも決定、1997年から新スタジアムの建設が始まったのである。

こうして1999年の新ブラウンズNFL参入と共に完成したのがクリーブランド・ブラウンズ・スタジアムである。7万3,200人収容の屋外型フットボール・スタジアムだ。

最大の特徴は東側スタンドに、1万644人収容の“ドーグポンド”が設けられた点だ。さらに旧スタジアムでは通称だったが、新スタジアム完成に合わせてチームは“ドーグポンド”を商標登録して公式のものとし、ロゴも定められている。

2013年には地元電力会社ファーストエナジーがネーミングライツを取得し、ファーストエナジー・スタジアムに改称された。

また2014年と2015年のオフシーズンにリノベーションが行われ、“ドーグポンド”の上部を削減して大型ビジョンが設置するなどされている。これにより収容人数は約6万8,000人となった。

【渡辺 史敏】

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