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NFLチーム研究所シーズン2:Week 9 - アトランタ・ファルコンズ

2018年02月03日(土) 11:55



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1965年に設立され、1966年からリーグに参加したファルコンズが最初にホームとしたのはアトランタ・スタジアム、後のアトランタ・フルトンカウンティ・スタジアムだった。

アトランタ・スタジアムはアトランタにMLBチームを誘致するためにアトランタ市とフルトン郡の地元自治体が計画・建設した多目的スタジアムだ。狙い通りMLBミルウォーキー・ブレーブスの誘致に成功した上、拡張チームという形でファルコンズも手にしたのである。

1966年、ダウンタウン南にあるハイウェイのインターチェンジ近くに完成したアトランタ・スタジアムは当時流行の円形で1階スタンドが可動式になっており、フットボールと野球の両方に対応できることが売りで、フットボールでは約6万人を収容できた。

両チームはアトランタ・スタジアムをホームとして使用しつづけたが、1980年代後半になるとフットボールだけでなく、バスケットボールや体操、展示会などに使用できる大型の屋内型スタジアムをダウンタウンの直結地に建設する構想が持ち上がる。

この構想が結実し、1992年に完成したのがジョージア・ドームだ。ダウンタウンの西に接しているだけでなく、一帯はアメリカ有数の大型国際展示場、NBAアトランタ・ホークスがホームとするフィリップス・アリーナ、ニュース専門局CNNの本社が入るビジネスビルCNNセンターなど大型複合施設として整備されているのも特徴となっている。フットボールで使用するときには7万1,000人以上を収容でき、オープン当時屋内型スタジアムとしてはポンティアック・シルバードームに次ぐ規模だった。

オープン時からファルコンズはホームとして使用し、1994年の第28回、2000年の第34回と2回に渡ってスーパーボウルの会場となっている。

ただ、2002年にファルコンズのオーナーとなったアーサー・ブランクとチームは2010年ごろから屋外での試合開催とさらなるスーパーボウル開催を切望し始める。これに対し、チームと地元自治体から構成される地区運営機関が交渉を重ね、2013年にジョージア・ドームの隣接地に新スタジアム建設が決定された。

こうして2017年に完成したのがメルセデス・ベンツ・スタジアムである。約7万1,000人収容の同スタジアムは外観が幾何学的形状となっており、屋根の中央部がカメラの絞りのようにスライドして開閉する機構となっているのが大きな特徴だ。さらに内部には“ヘイローボード”と呼ばれる円筒状の大型スクリーンがフィールド上空に設置されるなどの設備を誇る。WiFiアクセスポイントが1,800基、光ファイバー・ケーブの敷設総延長は4,000マイル(約6,400km)に達する最新のスマートスタジアムでもある。

さらに“ファン・ファースト・メニュー・プライシング”をうたい文句に、場内で販売する飲食物の価格をNFL最低クラスに設定するなど、運営面もユニークだ。

メルセデス・ベンツ・スタジアムは2019年2月に行われる第53回スーパーボウルの会場となる。

【渡辺 史敏】

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