特集

語り継がれる名勝負 - QBロジャース時代の幕開け

2017年01月19日(木) 04:51
第45回スーパーボウル(2011年2月6日)

パッカーズ vs. スティーラーズ

結果:31 – 25
会場:カウボーイズ・スタジアム(テキサス州アーリントン)

不動のクオーターバック(QB)として長年パッカーズで活躍したブレット・ファーブが2008年にグリーンベイを去って3年、パッカーズはついに偉大な選手の陰から抜け出す機会を得た。

その立役者となったのが2005年度のドラフトでパッカーズに入団したQBアーロン・ロジャースだった。ファーブのバックアップとして下積みした後に先発QBを任されたロジャースは、先発3年目となった2010‐2011レギュラーシーズンでパス3,922ヤード、28タッチダウンパスを記録してチームをプレーオフ進出に導いた。パッカーズはワイルドカード枠にあたる第6シードながらも、次々と強豪をなぎ倒してスーパーボウルへと駒を進めている。

パッカーズの対戦相手であるスティーラーズはエースQBベン・ロスリスバーガーが開幕4試合の出場停止を受けるも、最終的には12勝4敗の好成績でシーズンを終え、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区優勝を果たしたのに加え、第2シードとしてプレーオフに出場。第40回と第43回スーパーボウルで2度優勝を決めている経験豊富なロスリスバーガーにとっては、3度目のスーパーボウル出場となった。

試合は第1クオーターにQBロジャースがワイドレシーバー(WR)ジョーディ・ネルソンへの29ヤードパスを通してタッチダウンし、パッカーズが先制。その直後にもセーフティ(S)ニック・コリンズが相手QBロスリスバーガーのパスをインターセプトし、リターンタッチダウンにつなげてパッカーズが第1クオーターで一気に14点差をつける。第2クオーターでもロジャースからWRグレッグ・ジェニングスへの21ヤードパスでタッチダウンが決まり、前半はパッカーズ優勢となった。前半終了前にはスティーラーズのWRハインズ・ウォードがロスリスバーガーのパスからタッチダウンし、反撃の兆しを見せている。

後半にはランニングバック(RB)ラシャード・メンデンホールがタッチダウンランで一気に4点差まで迫るなど、スティーラーズが反撃を続行。しかし、第4クオーターに再びジェニングスのタッチダウンパスを許したスティーラーズ守備陣は、パッカーズに追加点を与えてしまう。それでも直後のドライブではスティーラーズがロスリスバーガーからWRマイク・ウォレスへの25ヤードパスでタッチダウンしたのに続き、2ポイントコンバージョンも成功させてリードを3点に削った。

しかしながら、最終的に優勝を決めたのはスティーラーズの猛攻を抑えきったパッカーズだった。

この試合でロジャースはパス39回中24回成功、304ヤード、3タッチダウンパスを投げる好成績を残してMVPを獲得。ロジャースはこれでファーブと並んでスーパーボウル1勝を記録し、ビンス・ロンバルディ・トロフィーを14年ぶりにグリーンベイへ持ち帰るのに貢献した。何よりも、ロジャースはこの試合でファーブが去って以降、自身に対して抱かれてきた疑念を払拭(ふっしょく)し、ファーブのバックアップとしてではなく、リーグトップQBとしての地位を確立したのだ。