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QBタゴヴァイロアはQBペニックスJr.と「競争」するとファルコンズGMカニンガム

2026年03月14日(土) 10:52

トゥア・タゴヴァイロア【Michael Owens via AP】

アトランタ・ファルコンズは2026年に新体制の下で新たなスタートを切るべく、フリーエージェント(FA)期間が始まると同時に最も重要なポジションの補強を行った。

マイアミ・ドルフィンズに所属していたクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアとリーグ最低金額での1年契約を結んだことは、リスクが低いと同時にチームのQB陣を強化するための必要な動きと言える。2024年ドラフト1巡目指名を受けたマイケル・ペニックスJr.が現在も2025年11月に見舞われたACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)のケガに対処している状況の中、新シーズンに向けて安心材料を求めていたファルコンズは、タゴヴァイロアがその役割を担うと考えている。

ファルコンズの新ジェネラルマネジャー(GM)イアン・カニンガムによると、タゴヴァイロアは最初から先発の座に就くわけではないが、その座を争う機会は与えられるという。ペニックスJr.の復帰時期によっては2026年シーズン序盤にタゴヴァイロアに頼らざるを得なくなる可能性もある。これによってQB陣の状況は不透明になり、選手の序列を明確にする必要が生じるかもしれない。

カニンガムGMとヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーが3月に先発を指名することはなく、むしろ健全な競争がもたらすメリットに期待しているはずだ。

現地13日(金)、カニンガムGMは「面白い。ケビンは2月にこの話をしていた」と報道陣に述べ、こう続けている。

「私たちは2月に先発を指名するようなことはしないし、それは3月も同じだ」

「トゥアに関して言えば、ここに来る以上、競争が待ち受けていることを分かっているし、マイケルも同じように理解している。率直に言うと、クオーターバックの2人だけでなく、全員が競争することになる。現時点で先発は決まっていない。トゥアを獲得したことにワクワクしているが、今回のフリーエージェントで獲得できた全選手の加入をうれしく思っている」

タゴヴァイロアの加入には、ドルフィンズ時代の不安定な健康状態以外の懸念も伴っている。ペニックスJr.がファルコンズのフランチャイズQBになると期待される中、タゴヴァイロアの加入をペニックスJr.への不信の表れと見る者もいるからだ。

今回の動きを単に戦力を強化するための取り組みだと捉えているカニンガムGMは、次のように語った。

「私たちは今週、チームをより良くできたと感じている。すでに言った通り、チームの底上げをできたと感じているし、加入する選手たちは実力を証明し、能力を発揮して今も未来もチームに貢献しようと意気込んでいる」

ドルフィンズでの6年目にして最後のシーズンにタゴヴァイロアが一気に調子を崩す様子を見ていた人々は、タゴヴァイロアがあるチームのQB問題を解決する存在となるとの見方を一蹴するかもしれない。結局のところ、タゴヴァイロアが2025年シーズン最後に先発を務めた試合――試合のスピードと複雑さに圧倒されているように見え、ピッツバーグ・スティーラーズに惨敗を喫した――を見れば、ドルフィンズが2026年と2027年に巨額のデッドキャップを抱えることを受け入れてまでタゴヴァイロアを放出した理由が理解できる。

しかし、選手には単純に新たなスタートが必要な場合もある。

クオーターバックの補強に伴うもう1つの重要な要素は、既存の先発選手がその動きにどう反応するかだ。2年前、ファルコンズはカーク・カズンズと4年1億6,000万ドル(約255億5,920万円)の契約を結んだわずか数週間後に、ドラフト1巡目でペニックスJr.を指名して波紋を呼んだ。この決定はカズンズに事前に相談することなく下されたもので、カズンズ自身もその指名を受けて“欺かれた”と感じたことを認めている。

その判断を下した体制はもはやアトランタには存在せず、新体制も同じ過ちを繰り返すつもりはない。

カニンガムGMはペニックスJr.について「ああ、彼とは話をした」と明かし、「ケビンが彼と話し、私はこの方向で進むと分かった時点で彼の代理人と話をした。不意打ちにはしたくないし、それが私たちのやり方だ。率直な対話とコミュニケーションを重視しており、マイケルやトゥアに関してもそれを実践できたと感じている」と続けた。

総じて言えば、ファルコンズがタゴヴァイロアというベテラン選手を獲得したことに非難の余地はない。ファルコンズはこのポジションにおける安心材料を必要としていた。この決断がもたらすメリットは後になってみないと分からないもので、場合によっては何の恩恵も得られない可能性もある。

32チームがしのぎを削る予測不能なフットボールの世界で、ファルコンズはあらゆる選択肢を検討しなければならなかった。9月になれば、ファルコンズには左利きのクオーターバックが2人そろうことになる。

【RA】