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伝説のプレーヤー - トム・ブレイディ

2017年01月29日(日) 04:04
トム・ブレイディ

ニューイングランド・ペイトリオッツがドラフト6巡目、全体199位でトム・ブレイディを獲得したのは2000年のこと。当時、下位指名でNFL入りを果たしたブレイディがこれほどの大物に成長するとは誰も考えていなかったことだろう。ブレイディのドラフトコンバイン映像を見ても、決して飛び抜けた運動神経を持っているようには見えなかった。

ところが、今になってみればスーパーボウルを5度も制するプレーヤーに進化しただけでなく、NFL史上最高のクオーターバック(QB)として引退することも十分に考えられるまでの存在になった。“残り物には福がある”とはまさにこのことだろう。

ブレイディは自身2年目のシーズンとなった2001-2002年シーズンに、先発QBとして活躍していたドリュー・ブレッドソーの負傷をきっかけに先発QBに抜擢される。ブレイディはチームを11勝5敗の成績に導き、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区優勝を決めてプレーオフに進出。初出場ながら見事にプレーオフを勝ち抜いて第36回スーパーボウル出場を果たしている。さらに、ペイトリオッツはQBカート・ワーナー率いるセントルイス・ラムズを下してスーパーボウル優勝を成し遂げたのである。

ブレイディは第36回スーパーボウル以降も、着実にスターダムを駆け上がっていく。初優勝から2シーズン後の2003年にも再びスーパーボウル(第38回)の舞台に立ったブレイディは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)王者カロライナ・パンサーズを打ち破り、2つ目のスーパーボウル優勝トロフィーを手中に収めた。その翌シーズンにもスーパーボウルに出場し、フィラデルフィア・イーグルスとの激闘を制して驚異のスーパーボウル2連覇を達成する。

第42回と第46回で対決したニューヨーク・ジャイアンツには惜しくも敗れてしまったが、第49回で対戦したシアトル・シーホークスには劇的な形で勝利を収め、自身4度目のヴィンス・ロンバルディ・トロフィーを手にした。40歳を目前にしたブレイディは今もその動きが衰えることなく、生きる伝説としてプレーし続けている。

2016年AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップでピッツバーグ・スティーラーズを撃破し、自身7度目のスーパーボウル出場を決めたブレイディは、自らの力で5度目の優勝を引き寄せた。