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QBメイの先発時期は「協力的なアプローチ」で決めるとペイトリオッツ幹部

2024年05月29日(水) 13:01


ニューイングランド・ペイトリオッツから全体3位でドラフト指名を受けたノースカロライナ大学のドレイク・メイ【AP Photo/Jeff Roberson】

2024年NFLドラフトの上位2位で指名されたクオーターバック(QB)のケイレブ・ウィリアムズとジェイデン・ダニエルズが、それぞれシカゴ・ベアーズとワシントン・コマンダースですぐに先発になることは確実視されている。

しかし、全体3位で指名されたQBドレイク・メイが先発を務めるようになるのはもっと先かもしれない。

メイの成長に関してより忍耐強いアプローチをとるのに前向きなニューイングランド・ペイトリオッツは、この秋にメイが最初から先発QBになることを期待している様子を見せていない。『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロはメイが現地28日(火)に新人契約の条項に合意したと報じているが、そのメイが最終的にいつ先発起用されるかは、その決断が下される過程とともに、考えてみる価値がある問題だ。

1年目のヘッドコーチ(HC)ジェロッド・メイヨは2週間前にルーキーミニキャンプが終わった後、メイには「取り組むべきことがたくさんある」と指摘し、新たな通知を出すまでは、才能のある新人を育成段階にとどめることを示唆した。

最近、ペイトリオッツの選手人事部門執行副社長に就任したエリオット・ウルフは、メイの出場可否はメイヨHCも含め、幹部で協力して決めることになると話している。

火曜日にケイ・アダムスがホストを務める『Up & Adams Show(アップ&アダムス・ショー)』に出演したウルフは「それは私たちにとって重要な会話になると思う」と明かした。

「今はジャコビー・ブリセットだ。彼が先発の練習に参加している。フィールド外だけではなく、彼がフィールド上で見せている投球能力にもワクワクしている。ドレイク・メイについては、正直に言うと、すでに3週間見てきた。(攻撃コーディネーター/OCのアレックス)ヴァン・ペルトコーチがオフェンス面で導入しようとしているこの新しいスキームに適応していく上で、ルーキー全員、そして選手全員にまだまだ長い道のりが待ち受けている」

「だから、その都度、話し合いをすることになる。これまで下してきた大きな決断と同じように、協力的なアプローチをとることになると確信している。今、ロースターに登録している4人のクオーターバックは全員、懸命に取り組んで準備を整えている」

2016年ドラフトの3巡目でペイトリオッツから指名されたブリセットにとって、今回はペイトリオッツでの2度目の在籍期間だ。インディアナポリス・コルツで15試合に先発した2シーズンや、クリーブランド・ブラウンズで11試合に先発した2022年シーズンを含め、ブリセットはキャリア通算で48試合に先発出場している。昨季、ワシントン・コマンダースの一員として3試合に出場したブリセットは、パス23回中18回を成功させて(パス成功率78.3%)、224ヤード、タッチダウン3回を記録。インターセプトは0回だった。

1巡目指名選手に限らず、すぐに準備を整える必要があるどの新人QBにとっても、ブリセットは良い例となるだろう。ブリセットは新人だった2016年に、トム・ブレイディがシーズン最初の4試合で出場停止処分を科されている間に暫定的に先発に指名されたジミー・ガロポロに次ぐ2番手となった。シーズン第2週にガロポロが負傷したことで、ブリセットはシーズン第3週と第4週に新人でありながら予想外にも先発を務めている。

ペイトリオッツは2021年シーズンにも、前HCビル・ベリチックの指揮下で新人QBマック・ジョーンズを先発として起用。ジョーンズは堅実なルーキーシーズンを送り、ペイトリオッツをプレーオフ進出に導いたが、その後は後退し、今オフシーズンにジャクソンビル・ジャガーズにトレードされている。

ジョーンズのペイトリオッツでの状況がメイの成長の道筋に関係しているのかとアダムスから尋ねられたウルフは、次のように答えた。

「繰り返しになるが、状況はそれぞれ異なる。私たちがこれまでに主に学べたことは、ドレイクだけではなく、チームにいるすべてのクオーターバックをサポートできるようになったことや、クオーターバックに対して可能な限りすべてのレベルのサポートを提供できるようになったことだ。コーチングであろうと、フィールド外のことであろうと、バーチャルリアリティであろうと、どんなことであろうと、誰がクオーターバックかにかかわらず、可能な限りあらゆる面でサポートする意思を持つことが重要だ」

ウルフはメイを出場させることにも、ベンチに下げておくことにも、必ずしも賛成しているわけではないとも述べている。メイの成長を見てペイトリオッツ幹部がメイを先発させる適切な時期をイメージできるようになるのが理想的だと言えよう。

ウルフは「(クオーターバックの育成について)エリオット・ウルフ特有の哲学があるとは言わない」と強調している。

「人も選手もそれぞれ異なるから、自分が見ているものに忠実になるべきだし、コーチの話を聞いて、誰の準備ができていて誰の準備ができていないのかを本当に理解しなければならないと思う。繰り返しになるが、さっきも言ったように、この特別な状況において、ドレイクは私たちと一緒に3週間ほど過ごしている。だから、ここで様子を見ることになる。彼の準備は整うかもしれないし、整わないかもしれない」

ペイトリオッツにはチーム全体としての問題もある。プレーオフには1回進出したとはいえ、ブレイディが2019年シーズン終了後にチームを離れてからペイトリオッツは徐々に衰退している。昨季を4勝13敗で終えた後、ペイトリオッツが今シーズンに再び優勝争いに躍り出る姿を想像するのは難しいだろう。

今シーズンにペイトリオッツが優勝争いに加われるかどうかも、メイがボールを持つタイミングに関係してくるかもしれない。とはいえ、5月の時点で2024年シーズンの予測をするつもりはないウルフはこう語った。

「ペイトリオッツはプレーオフチームなのか? いいか、プレーオフに進出するかしないかではない。私たちはただただ進歩を求めているだけだと思う」

【RA】