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レイブンズが新オルタネートヘルメット“パープル・ライジング”を公開

2024年06月19日(水) 10:56


ボルティモア・レイブンズの新ユニフォーム【NFL】

ボルティモア・レイブンズが約30年にわたる歴史の中で初めて、紫色のヘルメットを着用する。

現地18日(火)、レイブンズが“パープル・ライジング”と名付けたオルタネート(代替)ヘルメットを公開し、リーグがヘッドギア関連のユニフォーム規則を緩和したおかげで、自分たちのユニフォームに第2の選択肢を加えた、最新のNFLチームとなった。

このヘルメットは美しいという言葉だけでは形容しきれない。レイブンズはパープルのシェルをメタリックサテン仕上げにすることで、ヘルメットをポップに仕立てている。さらに、チーム創設時からユニフォームの定番となっている、かぎ爪型のストライプをパープルではなくゴールドにすることで、チームの美的な伝統を維持。ゴールドのフェイスマスクを導入するには今しかないと、そのチャンスに飛びついたレイブンズは、堂々としたヘルメットを作り上げ、目立つ形で3番目のチームカラーを取り入れている。

「おお、このディテールよ・・・(感嘆)」

新しいヘルメットには新しいロゴがふさわしい。レイブンズはチームのセカンダリーマークである前向きのレイブン(ワタリガラス)をヘルメットの両サイドに採用。その理屈は至ってシンプルで、“オルタネートヘルメットを導入するならば、あまり目立っていないロゴをそこで前面に押し出せばいいじゃないか”というものだ。

チームが公開している『The Lounge Podcast(ザ・ラウンジ・ポッドキャスト)』に出演したレイブンズのマーケティング部門上級副社長であるブラッド・ダウンズは「そのロゴについては、おそらくヘルメットをめぐる話題の一つになるだろう」とコメント。

「私たちはこのロゴをあまり使用していないが、試合を観戦する人にとって、その目はとても象徴的なものになるはずだ。選手たちはその目を掲げてフィールドに駆け出す。言うなれば、私たちはこのロゴに輝きを与える時が来たと感じたのだ」

「私たちのファンは盾が大好きだ。“なぜ盾じゃないんだ?”という質問が多く寄せられるのは分かっている。だが、既存のユニフォームで、盾は袖に描かれている。盾はすでに目立つところにあるんだ。これについては、ヘルメットで前面に出すことに大きな意味があった」

新ヘルメットはレイブンズに新たな選択肢を提供するだけではなく、カラーラッシュユニフォームにも新たな息吹を吹き込む。レイブンズはそのカラーラッシュユニフォームを2016年にデビューさせたが、数字の色をホワイトからゴールドに切り替え、パープルのパンツの両サイドにホワイト・ゴールド・ホワイトのトリプルストライプを加えただけで、あまり思い切った変化を起こさなかった。新ヘルメットが加わることで、レイブンズのユニフォームはついに完成したように感じられる。

正確には、レイブンズが2024年シーズンに新ヘルメットを既存のカラーラッシュユニフォームに合わせるのは1試合だけだと明かしたダウンズは、次のように述べた。

「私たちはファンから寄せられたすべてのフィードバックに配慮し、彼らに気に入ってもらえるようなものにしようと努力してきた。私はこの日をずっと待ちわびていた。ファンが熱望していたのも分かっている。彼らは新しいものが好きだ。でも、私たちのユニフォームにはいい感じに伝統的な雰囲気があるし、その中で多くの成功を収めている。常に変化を加え続けるようなチームにはなりたくない。自分たちが築き上げてきた伝統を大切にしている」

「これについては何年もかけて考えてきた。ヘルメットの選択肢は14個以上あったと思うし、デカールやローカル、ストライプの変更を含めるともっとだ。その中から2つに絞り、今回のような方向性になった」

ブラウンズが1996年にクリーブランドからボルティモアに移転し、レイブンズとして新たな存在を確立したときから、フランチャイズは黒のヘルメットしかかぶっていない。1999年にロゴを現在使用している鳥の頭のマークに変更するなど、微細な変化はあったものの、それ以外の部分については当初と同じだ。ユニフォームについても同じことが言え、いくつかの要素(袖およびパンツのロゴや、いくつかのオプションの定期的な導入)は時代とともに調整されてきたが、最も大きな特徴である、1997年に導入されたユニークな影付きの背番号は維持されている。

今回の発表とともに、レイブンズは2015年にゴールドのパンツを導入して以来、デザイン面で最も大胆な変化を起こしたと言えよう。ゴールドのパンツが着用されたのは一度だけで、それ以降はクローゼットの奥に追いやられている。2024年に新ヘルメットにフィールドでお目にかかれるのも一度だけとなるが、選手たちの反応――タイトエンド(TE)マーク・アンドリュースは「最高じゃないか」とコメントした――を見ると、いずれまた登場することは間違いないだろう。

【RA】