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スーパーボウル制覇を狙う49ersシャナハンHCに歴史は味方せず

2024年07月01日(月) 09:39

サンフランシスコ・49ersのヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハン【AP Photo/John Locher】

サンフランシスコ・49ersの歴史の中で複数回、チームをスーパーボウルに導いたヘッドコーチ(HC)は3人いる。ビル・ウォルシュ、ジョージ・シーファート、そして現職のカイル・シャナハンだ。

残念なことに、シャナハンはその中で、スーパーボウルで敗北を喫した唯一のヘッドコーチとなっており、さらに厄介なことに、スーパーボウルで一度も勝ったことがない唯一のヘッドコーチにもなっている。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、シャナハン率いる49ersがどれほど成功を収めてもロンバルディトロフィーは手の届かないものだった上に、残念ながら、歴史も44歳のシャナハンに味方していないとのこと。

NFLリサーチによれば、49ersが第58回スーパーボウルで延長戦の末にカンザスシティ・チーフスに敗れたことで、シャナハンはヘッドコーチまたはコーディネーターとして臨んだ最初の3回のスーパーボウルですべて敗れたNFL史上5人目のコーチになったという。シャナハン以外の4人は誰もスーパーボウルで勝利を収めていない。

そうした点で、シャナハンはバッファロー・ビルズの元HCマーブ・レビーやミネソタ・バイキングスの元HCバド・グラント、ワシントン・レッドスキンズ(現コマンダース)およびビルズで攻撃コーディネーター(OC)を務めていたテッド・マーチブローダ、長年バイキングスの守備コーディネーター(DC)を務めていたジェリー・バーンズに仲間入りしている。レビーとグラントは殿堂入りし、マーチブローダとバーンズも高い評価を受けたが、ロンバルディの栄光を手にした者は1人もいなかった。

シャナハンにとって、それは重要な試合で何度も辛酸をなめた過去であり、前述したように将来にとっても良い兆候ではない。

敗北を喫したスーパーボウル――アトランタ・ファルコンズの攻撃コーディネーターとして臨んだニューイングランド・ペイトリオッツとの第51回スーパーボウル、49ersのヘッドコーチとして臨んだチーフスとの第54回および第58回スーパーボウル――で、シャナハンが指揮を執るチームはいずれも敗れる前に10点のリードを保っていた。延長戦に突入した2試合(スーパーボウルの歴史上、延長戦にもつれ込んだのはその2試合だけ)を含むすべてのスーパーボウルで、シャナハン率いるオフェンスは重要な場面で苦戦を強いられた。それは、第4クオーターにおけるオフェンスの合計得点が9点であることからも明らかだと言えよう。

NFLリサーチによると、シャナハンはヘッドコーチとしてプレーオフで8勝4敗、勝率.667をマークしており、それはNFLチャンピオンシップあるいはスーパーボウルで勝利を経験していないヘッドコーチとしてリーグ史上最高の成績だという。

2011年以降、49ersはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)最多となる7度のカンファレンスタイトル戦進出を果たしている。しかし、その7試合の戦績は3勝4敗で、スーパーボウルで勝利を収めたことはない。同じ期間に6回以上、カンファレンスチャンピオンシップラウンドに進出したのはペイトリオッツとチーフスだけであり、2チームともにその期間に3度のスーパーボウル制覇を成し遂げている。

1980年代のNFLを代表するチームとして台頭し、その10年間で4回のスーパーボウル制覇を経験した49ersは、さらにもう1回優勝して、最初に出場した5回のスーパーボウルの戦績を5勝0敗とした。しかしながら、直近3回のスーパーボウルではすべて敗れている。

2024年シーズンを迎えるにあたり、今回もスーパーボウル出場候補と目されている49ersは、攻守両面にプロボウル級の選手をそろえている。

今季こそ49ersがNFLの頂点に返り咲き、シャナハンがついに壁を乗り越えるシーズンとなるのだろうか? それとも、歴史はすでに不運な未来を暗示しているのだろうか?

【RA】