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『ハードノックス』がジャイアンツのパンサーズLBバーンズ獲得の舞台裏を紹介

2024年07月03日(水) 13:42

ブライアン・バーンズ【NFL】

時として、ダメ元で聞いてみるのも悪くない。

『Hard Knocks: Offseason with the New York Giants(ハードノックス:オフシーズン・ウィズ・ザ・ニューヨーク・ジャイアンツ)』が、ニューヨーク・ジャイアンツがラインバッカー(LB)ブライアン・バーンズを獲得した際の舞台裏を伝えている。

ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)であるジョー・シェーンは今オフシーズンにバーンズを獲得してチームのパスラッシュを強化したが、そのすべては今年のシニアボウルの練習場で、カロライナ・パンサーズのダン・モーガンGMと一見何気ない会話を交わしたことから始まった。

すべてはシェーンGMがモーガンGMに、パンサーズがドラフト1巡目指名権とジャイアンツのドラフト全体6位指名権をトレードする気はないかと尋ねたことから始まった。これに対して、モーガンGMはすぐに「どこかに動くとすれば、トレードダウンだ」と言って断る。しかし、モーガンGMはすぐにシェーンGMに、パンサーズのフランチャイズタグつきパスラッシャーであるバーンズが取引可能だとつけ加えた。

モーガンGMは「バーンズと引き換えに1巡目指名権を2つくれるか?」と尋ねる。

その質問にシェーンGMは興味をそそられ、“おぉ!”と心躍る反応を見せた。シェーンGMの興奮は、やがて大型トレードへと発展する初期の話し合いへとつながっていく。

シェーンGMは「いや、というか、ああ、でも・・・」とおどおどしながら返答。

「それか、1巡目指名権1つと何か他のものでも」とモーガンGMは交渉する。

それに対し、シェーンGMは「いいね。いい方向だ」と答えた。

1カ月後、ジャイアンツは2024年のドラフト2巡目(全体39位)指名権と5巡目(全体141位)指名権、および2025年の条件付き5巡目指名権を引き換えに、パンサーズからバーンズと2024年ドラフト4巡目(全体166位)指名権を獲得。ジャイアンツはバーンズを長期的にチームとどめるべく、即座に5年1億5,000万ドル(約242億3,857万円)の契約を結んでいる。

パンサーズとの交渉が行き詰まりを見せる中、昨年から市場に出ていたバーンズとの長期契約は、ジャイアンツのトレード交渉の一部であったことは間違いない。

結局、関係者全員が解決策を見いだしたようだ。ジャイアンツが当面の間、ディフェンシブフロントを本物の強さを持つ集団に変えたことに疑いの余地はない。

26歳のバーンズはパンサーズで過ごした5シーズンでサック46.0回、クオーターバック(QB)ヒット95回、タックルフォーロス59回、フォースドファンブル8回、ファンブルリカバリー2回(タッチダウンリターン1回)をマーク。今後は昨シーズンにサック11.5回を記録してブレイクを果たした新進気鋭のLBケイヴォン・ティボドーと、パスラッシュコンビを組むことになる。バーンズの加入により、ティボドーはシーズン最多サック記録を目指すだろう。プロボウルに2回選出された経歴を持つディフェンシブタックル(DT)デクスター・ローレンスがインテリアを守るため、相手クオーターバックは確実に2024年のジャイアンツを警戒してくる。

シェーンGMにとって何よりも良かったのは、バーンズのためにドラフト1巡目指名権を1つ、ましてや2つも手放す必要がなかったことだろう。ジャイアンツはそのドラフト全体6位指名権でワイドレシーバー(WR)マリク・ネイバースをドラフト。多くの人々がQBダニエル・ジョーンズにとって今季が正念場のシーズンになると信じている中で、ジョーンズのターゲットはこれまでにないほどに才能に満ちあふれた輝きを放っている。

シェーンGMがジャイアンツのジェネラルマネジャーを務める3回目のオフシーズンに臨んだことで、チームは2023年の不本意なシーズンから脱し、成功をつかむ準備を整えた。シェーンGMがダメ元で聞いてみなければ、これは実現しなかったかもしれない。

【KO】