存在感が薄れていた昨季を経て今季は「話題を提供するつもり」とベンガルズQBバロウ
2024年07月09日(火) 12:17シンシナティ・ベンガルズのクオーターバック(QB)ジョー・バロウはプロフットボール選手としてプレーした4シーズンのうち、2シーズンを故障者リザーブ(IR)で終えている。
直近のシーズンもそのような形で締めくくっており、第11週に手首のケガでシーズン終了になった後、バロウはNFLで影の存在となっている。
スリリングなシーズンの最中に忘れ去られることに、たいていの選手は憤慨するかもしれないが、バロウは違う。
バロウはそれを楽しんでいるのだ。
ポッドキャスト『Pardon My Take(パードゥン・マイ・テイク)』に出演したバロウは、人々から自分の存在を忘れられていると感じるかと問われた際に「そう思う」と答えている。
「ケガをしたらそうなるものだけどね。フットボールをプレーしないんだから。その人のことなんかみんな忘れるさ」
「それもゲームの一部だ。試合に出ていないと、みんなはその姿を見ないから、話題にもならない。だから、今年はみんなに話題を提供するつもり。それを楽しみにしている」
カレッジ時代の初期にさかのぼれば、バロウにはバックアップとして過ごした経験が豊富にある。オハイオ州にあるアテネ高校で州の“Mr. Football(ミスター・フットボール)”に選出された経歴を持つバロウは、同校を4つ星のデュアルスレットクオーターバックとして卒業し、オハイオ州立大学と契約するという夢のような道をたどった。2015年をレッドシャツとして過ごしたバロウは、3年間にわたってJ.T.バレットと故ドウェイン・ハスキンズのバックアップを務めた後、プレーする機会を得るためには転校が必要だと判断。ルイジアナ州立大学(LSU)に移ったバロウは、そこでの2年目に軌道に乗り、チームを15勝0敗という結果と、カレッジフットボール・プレーオフ・ナショナルチャンピオンシップに導いた。その過程で、2020年NFLドラフトの候補生の筆頭に躍り出ている。
ベンガルズはバロウを全体1位で指名。バロウがプロの試合に適していることはすぐに明らかになり、NFLのスピードに動じることなく、先発クオーターバックとしての役割を果たした。しかし、バロウは膝の負傷により、有望視されていたルーキーシーズンを早々に終えている。
2021年シーズンに驚異的な復活を果たしたバロウは、ベンガルズを第56回スーパーボウルに導いた。その試合では、惜しくもロサンゼルス・ラムズに敗れている。2022年はシーズンを通して健康を維持したバロウだが、2023年にはトレーニングキャンプでふくらはぎを負傷。それはシーズン序盤にも支障をきたした。最初の1カ月で苦戦を強いられた後、バロウとベンガルズは好調に転じるかと思われたが、手首のケガ(およびその後の手術)によってバロウは残るシーズンを欠場している。
2021年はシーズン開幕を迎える前に、膝の手術から回復を目指すバロウの状態に大きな注目が集まっていた。今オフシーズン、バロウはすでに手首に関する複数の基準をクリアしており、最近では健康を維持することが最優先事項だと認めている。
毎年、健康を維持できることを証明するまで、バロウの健康状態は常に問題視されるだろう。出場し続けることを目標に掲げる一方で、バロウにはより大きな目標もある。無理にでもNFLで話題に上ろうとするのは良いスタートだと言えよう。
【RA】