以前とは“異なる”バックアップの役割につくチーフスQBウェンツ、「手助けできる方法を見つけ続ける」
2024年07月10日(水) 10:27昨オフシーズン、カーソン・ウェンツは先発クオーターバック(QB)になる機会を待ち望んでいたが、それが実現することはなかった。かつてMVP候補に挙がったことがあるウェンツはこの春、NFL屈指のクオーターバックを支えるポジションにすぐに飛びつき、カンザスシティ・チーフスと契約してパトリック・マホームズのバックアップとなっている。
ウェンツはキャリアで初めて、明確なバックアップ選手としてシーズンを迎える予定だ。先月に行われたオフシーズンの練習中に、マホームズを手助けするためにチームに所属していることを認めたウェンツは、メンタル面で正しいアプローチをとっている。
『ESPN』によると、ウェンツは「まだ早い段階だ」と話したという。
「俺たちは毎回、ほんの数時間、週に数日しかここにいないし、今はこれから取り組んでいくことほどキツくもない。だから、これからも進化し続けるだろうし、言ってみれば、いかにして自分の居場所を見つけるかっていう段階だ。でも、パット(マホームズ)とはすでに素晴らしい関係を築いているし、それはどんどん深まっていくはず。俺は手助けできる方法を見つけ続ける」
「フィールドの外でも中でも、どんな形であれ、彼を手助けする方法を見つけていく」
バックアップとして長年、チームに在籍していたベテランQBチャド・ヘニーが2023年に引退したことを受けて、チーフスはその役割を任せるためにブレイン・ギャバートと契約した。今オフシーズン、それはウェンツの役割となっている。
ヘッドコーチ(HC)アンディ・リードはウェンツが昨シーズンにロサンゼルス・ラムズの一員として先発した1試合でのプレーに触れながら、かつてのドラフトで1巡目指名を受けたウェンツについて熱く語った。
リードHCは「カーソンが(昨シーズンに)ラムズに所属していたときに素晴らしい仕事をし、先発した最終戦で実際に良い試合を見せていたのを知っている」と述べている。
「私たちは彼の加入を歓迎している。去年、ブレインに話を持ちかけていたとき、彼にも話しかけていたのだが、彼は先発になる機会をじっと待っているところだった。彼をこのポジションに迎えることができてよかったし、プレーする機会があれば、彼はその機会を手にする」
「カーソンにはキレがある。物覚えが早いし、頭もいい。チームにもうまく溶け込んでいる。ものすごく良い人に見えるし、(クオーターバック)ルームでも良い感じだ」
スーパーボウルMVPに3度選出された経歴を誇るマホームズの座を奪うチャンスはないと分かっているウェンツは、これまでとは異なる視点で2024年シーズンを迎えることを認めている。
「いつもとは違う」と強調したウェンツはこう続けた。
「ウソをつくつもりはない。できるだけ早く、できるだけ多くのことを学ぼうとしているし、みんなと関係を築いて、フィールドでより良くなっていこうとしている。呼ばれるときに備えていつでも準備ができていないといけない。その点に関しては変わらないな」
マホームズは2019年シーズンの途中から、ケガが原因で欠場したことが一度もない。その傾向が続けば、ウェンツは主にフィルムスタディの補助と、場合によっては敗戦処理を担うことになりそうだ。
そうした間にも、ウェンツはNFLのMVPに2度輝いたマホームズから学びたいと考えている。
ウェンツはマホームズについて「彼はゲームを処理するのが本当に速い」とコメント。
「プロテクションの指示を出したり、ハドルを出入りしたり、先読みしてパスを投げたり、そういったこと全部がね。ただ、それを見るのは単純に楽しいし、ある意味では、彼がものすごく速くプレーしているからこそ、以前は気づいていなかったプレーの新たな視点を見ることもできる」
ウェンツはマホームズのバックパップを務める1年間が、2025年に再び先発の座をつかむきっかけになることを望んでいる。少なくとも、バックアップクオーターバックになる意思があることを証明することで、ウェンツのNFLキャリアは長続きするかもしれない。
【RA】