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元レスリング五輪金メダリストのビルズDTスティーブンソンが初めてフットボールの試合に出場

2024年08月14日(水) 12:15


バッファロー・ビルズのゲイブル・スティーブンソン【NFL】

プレシーズン第1週に初めてNFLの試合に出場したフットボール選手は数多くいる。

しかし、どのプレシーズンにおいても、初めてフットボールの試合に出場する選手はそう多くない。

その例に当てはまるのは、バッファロー・ビルズのディフェンシブタックル(DT)であり、アメリカ史上最も偉大なレスラーの1人でもあるゲイブル・スティーブンソンだ。

現地10日(土)、スティーブンソンはビルズがシカゴ・ベアーズに敗れた後に「自分にとって初めてのフットボールゲームだった」と話し、「間違いなく素晴らしい時間だったし、来てくれたバッファロー・ビルズのファン全員を見るのは最高だった。終わり方は理想的じゃなかったけど、今はプレシーズンだし、俺たちはここから成長してより良くなっていく」と続けている。

スティーブンソンは14回――ディフェンシブタックルとして9回、スペシャルチームの一員として5回――のスナップに参加し、タックル1回、クオーターバック(QB)プレッシャー1回を記録した。

2020年オリンピックにおいてフリースタイルレスリングで金メダルを獲得したスティーブンソンは、ミネソタ大学のゴールデン・ゴーファーズに在籍していた際に83勝2敗の成績を残し、NCAAヘビー級チャンピオンに2回輝いている。また、NCAAの年間最優秀レスラーに贈られるダン・ホッジ・トロフィーも2回獲得した経歴を持つ。それ以前はミネソタ州にあるアップル・バレー高校で州選手権を4回制覇し、210勝3敗の成績を残していた。

その間、スティーブンソンがフットボールフィールドに立ったことは一度もない。

つまり、ビルズは次なるスティーブン・ニールやカールトン・ハゼルリグ――どちらも傑出したレスラーであり、のちに素晴らしいNFL選手となった――を見出したいと望んでいるものの、その可能性はまだ低いと言えるだろう。ニューイングランド・ペイトリオッツでスーパーボウルチャンピオンになったニールと、ピッツバーグ・スティーラーズでプロボウルに選出されたハゼルリグは、どちらもNFL入りする前にフットボールの経験があった。

以前、キャリアを選択する際に総合格闘技かプロレスリングで迷ったスティーブンソンは、後者を選んだ。しかし、WWE(ワールド・レスリング・エンターテイメント)では成功をつかめず、テレビ放映された1試合を終えた後に契約を解除されている。それから間もなくして、スティーブンソンはビルズと79万5,000ドル(約1億1,647万円)の1年契約を締結した。

先週土曜日、24歳のスティーブンソンはついにフットボールの試合に初出場している。それは、ジュニアレベルや高校レベルではなく、ビルズマフィアの前で行われた試合だった。

スティーブンソンは初めて試合に出場した経験について「予想を大きく上回った」と振り返っている。

「明るい照明、ファン、騒々しい雰囲気、人々が熱狂する姿。それこそ俺たちが見たいものだ」

初めて尽くしとなった土曜日は、スティーブンソンがビルズのチームメイト以外の選手と初めて対峙した試合にもなった。

スティーブンソンは「全員がどんなプレーをするのか確かめたいものだろ」と語り、「みんなそれぞれ異なるプレースタイルを持っている。自分たちの練習相手ではなく、新しいラインの選手を見ることは、確実に自分たちにとって助けになると思う。特に、フットボール初心者の俺にとってはね」と続けている。

フットボールの専門用語にも慣れていないスティーブソンは、現時点の自身の長所として“テクニック、ギャップのインテグリティ(完全性)、基本技術”を挙げた一方で、自分がまだまだ未熟であり、これから多くのことを学んでいく必要があることを十分に理解している。

スティーブンソンは「すべてが新しいことだっていうのは分かっていた」とコメント。

「やるべきことをやるしかない。今の場所にいることに感謝しているし、素晴らしい時間を過ごしてきた」

現時点ではまだスティーブンソンが53名のロースターに入る可能性は低いが、金メダルを獲得したレスリング選手には今や、フットボールをプレーした経験もある。

【RA】