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NFLに復帰した動機を語るカウボーイズDCジマー、「ひどいコーチだと思われたくはない」

2024年09月02日(月) 13:00


ダラス・カウボーイズのマイク・ジマー【NFL】

マイク・ジマーはミネソタ・バイキングスのヘッドコーチ(HC)としての8年間の任期を苦々しい形で終えた2021年シーズンを最後に、NFLでコーチを務めていなかった。

ジマーは2000年から2006年にかけて守備コーディネーター(DC)を務め、それ以前の6年間もスタッフとして在籍していたダラス・カウボーイズに、今回も守備コーディネーターとして戻ってきている。それは、チームにフィットするという点でも、バイキングス時代からジマーにつきまとっている否定的な意見に対抗する機会としても、理にかなっていると言えよう。

ジマーは『The Minnesota Star Tribune(ザ・ミネソタ・スター・トリビューン)』のマーク・クレイグに「戻ってきた理由の中に、自分のためにこれをしなければならない、というのがあった。人からひどいコーチだと思われたくはないからね」と話している。

「“ミネソタの後では何も証明することはない”と言ってくる人もいたが、私は証明できる気がしたんだ」

ジマーのヘッドコーチとしての実績は、本人が言うほど“ひどい”ものではなかった。

ジマーはチームを通算で72勝56敗1分に導き、勝率は.562をマーク。バイキングスはジマーの在籍時にNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区を2回制し、最初の6シーズンにおいては被ヤードで11位以上につけていた。

また、ジマーはバイキングスを3回プレーオフ進出に導いており、NFCチャンピオンシップまで勝ち進んだシーズンもある。それは、1977年以降でフランチャイズが到達した最高の結果だった。

しかし、そこが終着点となったのには理由がある。すなわち、ジマーが指揮を執った最後の2シーズンでバイキングスは勝率.500を下回り、ディフェンスはリーグの3分の1以下に沈んだ。そして、ジマーがとっていた権威的なアプローチは徐々に効果が減少していったのだ。

解任された後、解雇されたからチームにはあいさつをしなかったと述べたジマーは、それ以来、バイキングスの試合も見ていない。

ジマーが今年、バイキングスに再び興味を持つようなことがあれば、それはバイキングスだけではなく、カウボーイズにとってもプラスになる可能性が高い。

2024年シーズンに両チームが対戦し、ジマーにバイキングスの試合を集中して見ることを余儀なくさせる唯一の方法は、両チームともプレーオフに進出することだ。

それは、過去3シーズンでいずれも12勝を挙げ、昨季には地区優勝も果たしたカウボーイズが期待していることだろう。

ジマーが引き継いだディフェンスは、カウボーイズが近年のレギュラーシーズンに圧倒的な成績を残す上で重要な役割を果たしてきた。現在はワシントン・コマンダースのヘッドコーチを務めているダン・クインが守備コーディネーターに就任した初年度に、被得点で7位につけたカウボーイズ守備陣は、過去2シーズンに連続で5位に位置している。

さらに、オールプロに選出された経歴を持つラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズやコーナーバック(CB)トレボン・ディッグス(昨季は2試合を除くすべての試合を欠場)を筆頭に、主力選手のほとんどが戻ってきた。それに加え、バイキングス時代にジマーの指導を受けていたLBエリック・ケンドリックスは、ジマーと和解し、カウボーイズのディフェンスの中心で司令塔として活躍することになっている。

ジマーが、その指導力が今も健在であることを人々に示すための準備は整っている状態だ。

しかし68歳のジマーは、たとえカウボーイズのディフェンスを指揮して大成功を収めたとしても、それが他の場所でヘッドコーチに就任する機会につながるとは期待していないようだ。

「私よりも成績が悪かった人が2回目のチャンスを得ることもあるが、自分の年齢を考えると、そうなるとは考えていない」と語ったジマーは「そして今は、どのチームもクオーターバックを指導できる人を求めている。それが現実だ」と続けている。

とはいえ、どちらにしてもスーパーボウルリングを得るに越したことはないだろう。

【RA】