ニュース

NFL、審判が見逃した選手の安全に関わる反則に対するレビュー活用を検討へ

2026年01月31日(土) 12:52

NFLロゴ【NFL】

NFLが現地30日(金)、審判が見逃した選手の安全に関わる反則に対するペナルティを評価するためにビデオレビューの活用を検討すると発表した。

現在は見逃された反則を見直すことができないが、フェイスマスクをつかむ反則や不必要なラフプレー、ラフィングザパサー、ヒップドロップタックルといった反則はレビューの対象となる可能性がある。これはNFL競技委員会がオフシーズンに議論する内容となるだろう。

NFLフットボール運営部門責任者のドーン・アポンテは記者との電話会議で「選手の健康と安全の観点から言えば、フィールドでフラッグを出す機会や選択肢、あるいは試合中にこの問題に対処するあらゆる方法を導入したいと考えている」と述べた。

フェイスマスクをつかむ行為は審判が見逃すことが多い反則の1つだ。そうした反則をレビューできるようにすることはNFLにとって大きな変更だが、前例がないわけではない。リーグは2019年にパスインターフェアランスをレビュー可能としたが、不評だったことから1シーズンで廃止した。

NFL選手安全担当執行副社長のジェフ・ミラーは「これは比較的新しい議論だ。私たちはできる限り反則を減らす、あるいは安全性を高める必要があり、その方法の1つがフィールドで発生する問題に対処することだ。具体的な方法については委員会と協議することになる」と述べている。

アポンテによると、リーグは膝や足首に重傷を負わせる危険性があるヒップドロップタックルに対して30件の罰金を科したという。審判がそのタックルに対してフラッグを投げたのはわずか2回で、そのうち1回は誤審だったため罰金には至らなかったとアポンテは説明している。

関係者によると、キックオフ時の脳しんとうはリターン数が大幅に増加したことで急増したものの、頭部負傷の発生率は、キックオフの安全性を高めるために変更されたルールが導入される前よりも低かったという。

2025年シーズンにはキックオフ時に35回の脳しんとうが発生し、前年度の8回から急増した。しかし、タッチバックの位置を35ヤード地点に移動させたことでリターン数は1,157回増加。キックリターン率は前シーズンの33%から74%に跳ね上がり、過去15年間で最も高い割合となった。

リーグは、カバーチームが助走をつけてスタートしていた以前のキックオフに対し、新ルールで静止状態からの開始となったことで、脳しんとう率や全体的な負傷率が低下したことに手応えを感じている。オフシーズンの議論において脳しんとうは依然として重要な焦点になる見込みだと述べたミラーは、次のようにコメントした。

「今年のキックオフでは22人中20人の選手で負傷率、脳しんとう率、下肢の負傷率が低下した。しかし、タックラーやボールキャリアの脳しんとうは確認された。そのため、私たちはすでに競技委員会との話し合いを始め、それらの影響やフォーメーション、プレーの構造や速度を確認し、対策の方法を模索している」

ミラーによると、ヘルメットのシェル部分では脳しんとうから選手を守る性能が向上したものの、フェイスマスクは改善されていないという。脳しんとうの半数がフェイスマスクへの打撃によるものだと推定しているミラーは、こう語った。

「フィールド上で発生する脳しんとうの相当数がフェイスマスクへの衝撃によるものならば、フェイスマスク自体を見直す必要がある。これを改善するより良い方法があるはずだ」

NFLのチーフメディカルオフィサー(CMO/医務部長)であるアレン・シルズ医師は、脳しんとうの予防にはコーチング技術も重要だという考えを改めて強調した。

「私たちは試合中の頭部負傷を防ぐという終わりのない取り組みを続けている。キックオフであれ、他の部分であれ、脳しんとうを減らす最も効果的な戦略はそれだ」とシルズ医師は述べている。

ミラーはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂の件数が25%減少し、過去7年で最も低い水準に達したと明かした。また、キックオフリターンが急増したにもかかわらず、負傷欠場の数は過去数シーズンと同程度だったと述べている。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


【RA】