バイキングスが4シーズンを経てアドフォ・メンサGMを解任
2026年01月31日(土) 11:32
現地30日(金)、ミネソタ・バイキングスが4シーズンにわたりジェネラルマネジャー(GM)を務めたクウェシ・アドフォ・メンサを解任したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。
その直後、バイキングスは声明でアドフォ・メンサの解任を正式に発表した。
オーナーのマーク・ウィルフとジギ・ウィルフは声明で次のように述べている。
「ここ数週間にわたって行ってきたシーズン終了後の年次組織会議を踏まえ、慎重に検討した結果、フットボール運営の指導体制を一新して前進することがチームにとって最善だと判断した。こうした判断は決して容易なものではない。クウェシがこの4年間にわたりチームに尽力し、献身してくれたことに感謝するとともに、彼とご家族の今後のご健勝をお祈りしている」
ウィルフ家によれば、2026年ドラフトまではフットボール運営部門執行副社長のロブ・ブジェジンスキがチームの運営を指揮し、その後にジェネラルマネジャーの選考を行う予定だという。
バイキングスが2025年5月にアドフォ・メンサGMとの契約延長に合意し、ヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルと当分の間タッグを組ませる体制を整えたばかりだということを踏まえると、今回の決別はやや意外だと言えよう。
そのコンビは金曜日の発表によって解消されたが、その決定はクオーターバック(QB)J.J.マッカーシーが初めて先発として迎えたシーズンが期待を大きく下回る9勝8敗という成績に終わったことを受けて下された。
アドフォ・メンサ解任発表から数時間後、マーク・ウィルフは報道陣に対し、今回の解任は“特定の決定や動きが理由ではない”と説明し、状況を“総合的に”見て下した判断だと述べた。
「このオフシーズンは極めて重要だ。私たちは最終的にフットボール運営に変化が必要だと感じ、現在の体制で今オフシーズンに臨むことに安心感を持てなかった」とウィルフはコメント。
「特定の決定や動きが問題なのではない。状況を総合的に判断した結果、現行の体制でオフシーズン全体やドラフトを迎えることに自信が持てなかったのだ。私たちは勝てるチームを作り、ファンのために持続可能な成功を収める必要に迫られている。それと同時に、そうした緊急性を重視しつつも、慎重かつ入念に考えた上で判断を下している」
ウィルフは全体像を見たうえで判断を下したと繰り返し強調したが、マッカーシーによる影響を考慮せずにアドフォ・メンサの解任について語ることはできない。アドフォ・メンサはバイキングスGMとして、2024年ドラフト全体10位でマッカーシーを指名するという運命的な決断を下した。QBカーク・カズンズがアトランタ・ファルコンズへ移籍した直後としては理にかなった判断だったが、時が経つにつれてその判断は必ずしも完璧だったとは言えなくなっている。
マッカーシーが新人時代のプレシーズン初戦で有望なプレーを見せたことで、バイキングスは2024年にキャリア最高のシーズンを送ったQBサム・ダーノルドと決別する判断を下した。その結果、ダーノルドはシアトル・シーホークスと3年1億0,500万ドル(約162億4,717万円)の契約を締結。マッカーシーにはバイキングスのフランチャイズQBとしての地位を確立する道が開かれた。しかし、その結果は期待外れに終わり、マッカーシーは複数のケガでフィールドに立ち続けることができず、シーズン終盤には有望なパフォーマンスをいくつか見せていたが、NFLの先発クオーターバックに伴う責任に圧倒されている場面もあった。
一方のダーノルドは再び素晴らしいシーズンを送り、シーホークスを率いて第60回スーパーボウルに出場する。これにより、バイキングスがダーノルドを手放した判断は一層疑問視される形となった。
シーズン終了後の会見でこの決断について問われたアドフォ・メンサは、回りくどく、どこか後悔をにじませた返答をしている。
「過去の行動に固執して、それが常に正しいと思い込むことがないように心がけている。だからこそ夜中に目が覚めて天井を見つめながら自問することもある」とアドフォ・メンサは語った。
「だが、私はいつも当時のプロセスや、そのときに考えていたことに立ち返る。結果を見て後からあれこれ言うのは簡単だが、当時の状況をしっかり振り返れば、なぜその判断を下したのかは今でも理解できる。結果は思い通りにならなかったかもしれないが、結局のところは、特定の場面でもっと上手く実行すべきだったという話だ。特定の選手について個別に言うつもりはないが、プレースタイルや経験を考慮した上で、より良い組み合わせでチームを構築すべきだった。それは私が最も注力していた部分だった」
「そして最終的には、自分たちがどのようにプレーし、勝つのかを理解することが大事だ。私たちがここにきてから、チームは一定のプレーレベルと爆発的なプレーのスタイルを発揮できたときに高い勝率を保っていた。これは以前から話し合ってきたことだが、多くの場合、何かが欠けないとその重要性は実感できない。そうして複雑なシステムを理解するようになるのだ。1つの要素を取り除くと他の要素にどう影響するのか、爆発力を欠いたときに相手チームがどう対応してきたのかが見えてくる。相手が別の戦い方をしてきたときに、こちらの守備陣への影響や、相手のターンオーバーを引き起こす能力、私たちが勝てると考えていた方法にどう影響したかを理解できた。これは、クオーターバックに関する議論とも結びつく非常に大きな学びとなったし、今後もチームとして生かしていくことになるだろう」
長い回答の中には、アドフォ・メンサがQB陣の編成に失敗したことを認める部分も含まれていた。バイキングスはベテランのカーソン・ウェンツをバックアップQBとして迎えたが、ウェンツは大半で苦戦し、最終的にはシーズン終了を招くケガを抱えながらプレーを続けようとしていた。その後に残ったのは地元ミネソタ大学出身のマックス・ブロスマーだけで、ブロスマーは出場時に明らかに試合のスピードに圧倒されていた。
マッカーシーがシーズン序盤に負傷したことで露呈した問題は、復帰後のパフォーマンスが振るわなかったことでさらに悪化した。こうしたQB陣をめぐる複数の要因が、期待外れの成績につながったのだろう。9勝を挙げられたのは、守備コーディネーター(DC)ブライアン・フローレス率いる守備陣の活躍によるところが大きかったと言える。QB陣の貢献は、マッカーシーが12月に一時的に見せた好プレーを除けばほとんどなく、スターワイドレシーバー(WR)ジャスティン・ジェファーソンがキャリア最低の数字を残したことは、その事実をさらに強調している。
ドラフトについても問題がある。アドフォ・メンサは4回のドラフトで獲得した選手の大半をチームに残すことができなかった。最初のドラフト(2022年)で指名した最初の6人はすでにチームにおらず、その年のドラフトで選ばれた選手のうち、チームに残っているのは3日目に指名を受けたWRジェイレン・ネイラーやランニングバック(RB)タイ・チャンドラーだけだ。その後のドラフトではWRジョーダン・アディソンやラインバッカー(LB)ダラス・ターナーを指名するなど、ある程度の成功を収めたものの、2023年ドラフト3巡目で指名したコーナーバック(CB)メキ・ブラックモンは2025年シーズンをインディアナポリス・コルツで過ごしている。また、WR陣の補強を目指して2025年ドラフト3巡目で指名したWRタイ・フェルトンはルーキーシーズンにわずか3回のキャッチにとどまり、大半をスペシャルチームで過ごしていた。
全体的に見ると、アドフォ・メンサはドラフトよりもフリーエージェント(FA)で成功を収めたと言えるが、短期的には良い結果が出たものの、長期的なロースター構築の観点では破壊的な状況が生まれている。ダーノルドがシアトルで成功を収めた一方で、最大の懸念点であるマッカーシーの問題は未解決のままで、時が経つにつれて悪化しつつある。アドフォ・メンサが解任されたタイミング――ダーノルドが第60回スーパーボウルに先発出場する9日前――は単なる偶然とは見なせない。
マーク・ウィルフは金曜日に「今回の決定は100%オーナーによる判断だ」と述べた。
「これはこの組織と、今後の成功に向けてどう体制を整えるかという話だ。オコンネルコーチのことは全面的に信頼している。彼はヘッドコーチとして素晴らしい仕事をしてきたが、彼を含めた組織の人間全員が責任を負わなければならない。だからこそ私たちは前進し、現在のチームを支え、競争力を確保しなければならず、その過程で今回の決定に至った。しかし、誤解のないように言っておくと、これは完全にオーナーと組織による判断だ」
アドフォ・メンサは通算43勝25敗の成績を残してバイキングスを去る。バイキングスはアドフォ・メンサの在任中に2度プレーオフ進出を果たしたが、いずれもワイルドカードラウンドで敗れた。
2026年の採用サイクルではほとんどのフロントオフィスのポジションがすでに埋まっている。そうした中で、ドラフトまで暫定的な運営体制を維持するバイキングスには、アドフォ・メンサの後任を探す中で遅れを取り戻す必要が生じるだろう。
【RA】



































