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バイキングスRBジョーンズはパッカーズ戦で“ランボーリープ”達成ならず

2024年09月30日(月) 14:48


ミネソタ・バイキングスのアーロン・ジョーンズ【AP Photo/Morry Gash】

ミネソタ・バイキングスのランニングバック(RB)アーロン・ジョーンズは現地29日(日)にグリーンベイに戻ってきたが、タッチダウン後に観客席に飛び込む“ランボーリープ”はかなわなかった。しかし、ジョーンズはそれ以上のものを手に入れている。それは、古巣に対する勝利だ。

ジョーンズは31対29で勝利したグリーンベイ・パッカーズ戦で大活躍し、キャリー22回で93ヤード、キャッチ4回で46ヤードを記録している。

バイキングスは第2クオーターに28対0と劇的なリードを奪ったが、パッカーズは果敢にも追い上げ、残り10分以上の時点で28対22までその差を縮めた。しかし、最終的にはバイキングスが勝利を手にしている。

それにもかかわらず、ジョーンズは試合の最後の瞬間まで、パッカーズ時代にチームメイトだった選手たちとの間に、相手を見下すような発言はなかったとコメント。バイキングスが接戦の末につかんだ勝利を祝おうとしているとき、フィールドの反対側からある言葉が聞こえてきたと明かしたジョーンズは、次のように話している。

「最後に膝をついたとき、パッカーズのディフェンスが“俺たちはここでお前にランボーリープをさせなかった。自分たちのホームでランボーリープはさせなかった”と言っていた。こっちからしたら“お前らは俺のランボーリープを気にかけていたのか? スコアを気にするべきだろ”って感じだった」

当然、今回の状況を招いたのはジョーンズ自身かもしれない。試合に先立ち、ジョーンズはバイキングスの一員として初めてグリーンベイで臨む試合で、パッカーズ時代に何度も行っていたランボーリープを再現すると誓っており、水曜日には「間違いなく飛び込むつもりだ」と宣言していた。

結局、それは実現していない。パッカーズはそのバトルを制したかもしれないが、試合に勝ったのはジョーンズとバイキングスだ。

ジョーンズが得点する絶好の機会は第1クオーターの終盤に訪れたが、第1ダウン残り1ヤードの場面で1ヤードのロスを喫した。次のプレーでクオーターバック(QB)サム・ダーノルドがタイトエンド(TE)ジョシュ・オリバーに2ヤードのタッチダウンパスを通している。バイキングスは次のポゼッションでもすぐにレッドゾーンまで進んだが、パッカーズのディフェンスがジョーンズに集中していたため、ワイドレシーバー(WR)ジョーダン・アディソンがミスディレクションのジェットスイープで7ヤードのタッチダウンに成功し、バイキングスは試合開始から20分も経たないうちに21対0とリードを広げた。

「1人の選手がフランチャイズにどれほどの影響を与えるか知りたい? これを見て。アーロン・ジョーンズは特別な人であり選手だ。最後まで見て!」

パッカーズの守備選手の一部は試合終盤に不誠実な態度をとっていたかもしれないが、パッカーズファンはジョーンズの帰還を寛大に受け入れ、試合前のウオームアップでは温かく迎え入れていた。キャリア最初の7シーズンをパッカーズで過ごしたジョーンズは、チーム史上3番目に多いランヤードと4番目に多いタッチダウンラン数を記録し、在籍中は高い人気を誇っていた。

パッカーズがフリーエージェント(FA)市場の解禁初日にジョーンズを手放し、代わりにRBジョシュ・ジェイコブスと契約することを選んだため、ジョーンズは方向転換して地区ライバルのバイキングスに加入した。ジョーンズの現在の所属チームは4勝0敗を挙げ、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区の首位に立っている。

ランボーリープを達成するのは素晴らしいことだったかもしれないが、元所属チームを打ち負かすことが真の使命だったと強調したジョーンズは、次のように語った。

「これこそ俺がここに来た理由だ。誰かに“いいか、お前は試合に出て良いプレーをする。得点はできないけど、(勝利は)手に入る”って言われたら、それこそ俺がここにいる理由だって答えるだろう」

「結局のところ、試合に勝ちさえすれば、誰が得点を挙げようと関係ない。得点が入ればそれでいい」

原点となる場所に戻ってきたジョーンズに、バイキングスファンは試合時間内に達成できなかったことをやるチャンスを与えた。試合後に今回の勝利を祝うべく、観客席にいたバイキングスファンのところへ飛び込んだジョーンズは、こう話している。

「ここに来て、求めていたものを手に入れた。特別だった」

【RA】