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イーグルスRBバークリーが古巣でジャイアンツを圧倒

2024年10月21日(月) 12:31


フィラデルフィア・イーグルスのセイクワン・バークリー【AP Photo/Seth Wenig】

元所属チームを3クオーターにわたって圧倒した後、フィラデルフィア・イーグルスのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーには、すでに大きく遅れをとっていたニューヨーク・ジャイアンツをさらに追い詰めるチャンスがあった。

しかしバークリーは、メットライフ・スタジアムで行われ、イーグルスが28対3の快勝を収めた試合の最終クオーターの大半で試合から離れている。

今オフシーズンにライバルチームに移籍したことでジャイアンツファンからブーイングを受けたことを踏まえると、バークリーが再びフィールドに立つこともできただろう。しかし、バークリーにとって今回の試合はリベンジマッチでもスタッツを追い求める試合でもなかったようだ。

チーム公式記録によると、バークリーは試合後に「すべてうまくいった。自分にとって数字は重要じゃない。もちろん、偉大な選手になりたいし、自分のレガシーについても気にかけている。でも、結局のところはチームが一番大事で、ケニス(ゲインウェル)が試合に出てプレーする姿を見ることができてうれしい」と語ったという。

バークリーは日曜日に、6年にわたってホームと呼んでいたスタジアムでの自己最高記録となる176ランヤードを記録し、相手の傷口に塩を塗る格好となった。キャリアハイの189ランヤードも手の届くところまで来ていたが、バークリーは1プレーを除いて試合に戻らないことを選択。バークリーは第4クオーターのフォースアンドゴールの場面における“タッシュプッシュ”プレーで再びフィールドに立ち、クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツをエンドゾーンに押し込む手助けをした。

そのプレーは勝敗をほぼ決定づけるものとなったが、試合の序盤に基調を打ち出したのはバークリーだ。最初のキャッチで大きなインパクトを与え、第1クオーターに3ヤードのタッチダウンを決めたバークリーは、55ヤード、38ヤード、41ヤードのランにも成功している。

バークリーはタッチダウンランについて「最高だった」とコメント。

「タッチダウンを決めるのはいつだって素晴らしいことだ。メットライフ・スタジアムであろうとなかろうと、俺はエンドゾーンに入った瞬間に自分の感情に振り回されないようにしている」

移籍後に初めて臨んだメットライフ・スタジアムでの試合でブーイングの嵐に見舞われたが、その反応には驚くべきではなかったと認めたバークリーは、次のように話している。

「それを耳にしないというのは難しい話さ。今週の初めにブーイングを受けることはないだろうって言ったのが良くなかったんだと思う。でも、彼らがブーイングしたのには理由がある。結局のところ、それは敬意を表す行動だ。俺はそう受け取った」

試合前や試合中にジャイアンツファンが自分のジャージーを燃やしている姿を見て、いたたまれない気持ちにもなったバークリーは、こう語った。

「あれはまともじゃない。どうかしていた。前に自分のジャージーが燃やされているところをソーシャルメディアで見たことがあるけど、あのタイミングでされるとはね。音楽を聴きながら集中していたら、ファンが指をさしているのが見えて、何を指さしているんだ? と思って見てみると、煙が見えてきて、俺のジャージーはどこだ? って感じだったよ」

「あれは間違いなく異質だった。人生であんな経験をしたのは初めてだったと思うし、もう二度と経験したくないけど、あの瞬間、俺は第3ダウン残り1ヤードのプレーに備えていた。そう言っておこう」

今回の試合が終わった後、バークリーはこれ以上“ジャイアンツに関する質問”を受けるつもりはないと話している。大勝を収めたことも、素晴らしい成績を残したことも確かだ。しかし、試合後に喜びとともに安堵(あんど)の気持ちをあらわにしたバークリーは、元所属チームに対しても十分な敬意を示している。

「正直なところ、この試合が終わって本当にうれしい」と明かしたバークリーはこう続けた。

「これまでずっと言ってきたように、(ジャイアンツの)組織には感謝している。彼らは俺をドラフト指名してくれたチームだ。あのチームの人たちには、今でも愛情と尊敬の念しかない」

「イーグルスの一員になれてうれしいし、何よりも大切なのは今日、ディビジョンのライバルに勝てたことだ。ここからは次に向かっていく」

【RA】