「親友」のQBジョーンズの降格に不満を抱くジャイアンツDTローレンス
2024年11月20日(水) 10:18ダニエル・ジョーンズのニューヨーク・ジャイアンツの先発クオーターバック(QB)としての時間は、今週をもって終わりを迎えた。
それは多くの人が予想していた動きだったが、ジョーンズの友人であり、同じ2019年NFLドラフトで指名された選手は、容易に支持することができなかったようだ。
ジョーンズがベンチに下げられた後、ジャイアンツのスターディフェンシブタックル(DT)デクスター・ローレンスはこの交代に反対していると公言している。
『The Athletic(ジ・アスレチック)』のシャーロット・キャロルによると、ローレンスは現地19日(火)に“Campbell’s Soup(キャンベルスープ)”のチャリティーイベント“Chunky Sacks Hunger(チャンキー・サックス・ハンガー)”で「彼は俺の親友だ」と話したという。
「ああいうことが起こるのはつらい。俺にはコントロールできない。彼らは自分たちの評価や考え、感情に基づいて判断を下した。あいつは俺の親友だ。選手としては、プレーを続けなきゃいけない。でも俺は人として、兄弟として、彼のことを思っている」
ジョーンズとローレンスはデイブ・ジェトルマンGM(ジェネラルマネジャー)政権下の2019年ドラフトでそれぞれ全体6位と全体17位で指名されて以来、チームメイトとしてプレーしてきた。2人はNFLで2度目の契約を2カ月のうちに実現させ、ジョーンズが4年1億6,000万ドル(約247億7,777万円)の契約を結んだ後にローレンスも4年9,000万ドル(約139億3,750万円)の契約を締結した。
しかし、10試合を通してサック9回、タックル38回を記録しているローレンスがそのポジションで一流選手の1人と見なされている一方で、ジョーンズは苦戦を強いられており、10試合でわずか8回のタッチダウンに対して7回のインターセプトを喫し、試合平均パスヤードは207ヤードにとどまっている。
ジェッツが2勝8敗と低迷する中、ジョーンズは否定的な報道や厳しい視線にさらされており、ここ最近ではそれが毎年のように繰り返されている状況だ。
それにもかかわらず、ローレンスはジョーンズの苦戦がチームの成績に直結しているという考えを、一部の批評家ほど単純には捉えていない。
火曜日、ローレンスは「チームが試合に負けるのであって、1人の選手が負けるわけじゃない。それを理解すべきだと思う」と語った。
そうした中で、ローレンスは驚くべきことに新たにQB1となったトミー・デヴィートやバックアップのドリュー・ロックに次ぐ3番手QBにジョーンズを降格させることを完全に理解することができないようだ。
ローレンスは自身の混乱について「彼らの真意が分からないからね」と話している。
「俺たちはコーチ陣のことも、彼らが目指している場所や目指せると考えている場所についても信じていると思うし、そうすべきだ。無邪気でいなきゃいけない。余計なことを考え始めると、それがプレーにも影響する。分かるだろ? 無邪気でい続けて、プロセスを信じなきゃいけない」
そのプロセスは、ブライアン・ダボールHC(ヘッドコーチ)とジョー・シェーンGMの下で1シーズンの間はうまくいった。ダボールHCは就任初年度にジョーンズにキャリア最高の成績を収めさせ、ジョーンズとローレンスを初めてかつ唯一のプレーオフ進出に導いた。しかし、プレーオフでフィラデルフィア・イーグルスに敗れて2022年シーズンが終了した後、ジャイアンツの成績はこれまでに8勝19敗となっている。
そのような時期には、難しい決断を下す必要がある。少なくともローレンスはそう考え、ヘッドコーチの立場にも共感している。しかし、今回の動きによってジャイアンツが試合に勝つ可能性が高まるとは決して考えていないようだ。
「(ダボールHCは)難しい決断だったと言っていた」とローレンスは火曜日に語っている。
「確かに難しいだろうな。彼はQB1だし、俺からすればこのチームで一番のクオーターバックだ。でも、彼らは違う見方をしている。それが一番大事なことだと思う」
今季終了後、ジョーンズの契約には保証金が残っていない状態となる。そんなジョーンズがジャイアンツの先発として最後の試合を終えた可能性は高く、ジャイアンツは日曜日に行われるタンパベイ・バッカニアーズ戦でデヴィートを司令塔に据えるつもりだ。
「(デヴィート)のことはものすごく尊敬している」とコメントしたローレンスは「彼はたぶん、俺が出会った3番手クオーターバックの中で一番、カリスマ性と自信を持っている。それは素晴らしいことだし、その点で彼を尊敬している。自分が何者なのかを理解しているし、それは人としての強さだ」と続けている。
ローレンスが依然としてジョーンズをジャイアンツのQB1と見なしているのはほぼ確実だ。2度のプロボウル選出を誇るローレンスが月曜日に行われた方向転換に慣れるまでにはもう少し時間がかかるかもしれない。
【RA】