記録的な活躍を見せるも「驚いてはいない」と語るMVP候補のイーグルスRBバークリー
2024年11月26日(火) 11:34フィラデルフィア・イーグルスのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーがMVP候補に名乗りを挙げている。
現地24日(日)夜、37対20でロサンゼルス・ラムズに勝利した後、SoFiスタジアムのフィールドを駆け抜けたバークリーは、アウェーの観客席から“MVP”という歓声を浴びた。バークリーはこの試合で255ランヤードを稼ぎ、試合後半には70ヤードと72ヤードのロングタッチダウンを決め、ラムズの逆転の可能性を完全に封じ込めた。試合を通じてバークリーは302スクリメージヤードを記録している。
バークリーは自身のパフォーマンスを称賛された際に、素晴らしいブロックをしてくれた仲間たちのおかげだと語った。
チーム公式サイトによると、バークリーは「1人ではできない。素晴らしい選手たちに囲まれている。俺が今日決めたどのプレーを見ても、たくさんの選手たちが俺のために期待以上の活躍をしてくれたことが分かるはず」と話したという。
バークリーはラムズ戦で記録したランヤード(255ヤード)でフランチャイズの単一試合記録を樹立。これは、1試合あたりのランヤードとしてリーグ史上9番目に多い数字でもある。
今シーズン、新たにイーグルスに加入したバークリーは11試合を通して1,392ランヤードを記録しており、このペースでいけば2,151ランヤードに達する見込みだ。それが実現した場合、バークリーは2,000ヤードの大台を超え、エリック・ディッカーソンが保持している単一シーズンの最多ランヤード記録(2,105ヤード)を上回ることになる。
バークリーが日曜日に見せた圧巻のパフォーマンスには多くの賛辞が寄せられている。
イーグルスヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニは「セイクワンにはホームランを打つ能力がある。だから、あのような展開になるときがあるんだ」とコメント。
「ショートゲイン、ショートゲイン、ショートゲイン・・・そしてドカーンとホームラン。セイクワンはまさにそういうタイプの選手だし、オフェンシブラインもフロントの変化にうまく対応してくれていた」
バークリーはニューヨーク・ジャイアンツで6シーズンを過ごした後、イーグルスと3年3,800万ドル(約58億5,333万円)の契約を締結。リーグで最もダイナミックなランニングバックの1人として常に活躍してきたバークリーだが、キャリアで初めて強力なオフェンシブラインの後ろでプレーする中で、その存在感はさらに増している。
「正直に言うと、驚いてはいない」と明かしたバークリーはこう続けた。
「こんなに成功するとは思っていなかったけど、ここにいられることや、新たなスタートを切れたことに感謝している。ここに来たかった大きな理由は、ここなら自分のストーリーを書き直して、自分がなれると思うような選手、なるべきだった選手としての姿をみんなに見せられると感じたことだ。今はそれがうまくいっている」
イーグルスがNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の第1シードをかけてデトロイト・ライオンズの後を追っている中で、バークリーがMVP候補に名乗りを上げたことに疑問の余地はないだろう。しかし、それが厳しい戦いであることに変わりはない。2,000ヤード突破を成し遂げたエイドリアン・ピーターソンが2012年シーズンに選ばれて以来、ランニングバックはMVPに選出されておらず、この栄誉は11年連続でクオーターバックが受けている。バークリーが現在のペースを維持すれば、投票者たちはその連続記録に終止符を打つかもしれない。しかし、バークリーにとってそれは、どうでもいいことのようだ。
「そういう話に名前が出るのはうれしい」と語ったバークリーは「それは素晴らしいことだけど、これはチームスポーツだ。“今のようなシーズンを送ってMVPに選ばれるけど、スーパーボウルでは勝てない”と言われるか、“今のようなシーズンを送ってもMVPやオフェンス部門年間最優秀選手には選ばれないけど、スーパーボウルで勝てる”と言われるかだったら、俺は後者を選ぶ」と続けている。
【RA】