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QBハーツとWRブラウンの絆に自信を持つイーグルスHCシリアニ

2024年12月11日(水) 10:07


フィラデルフィア・イーグルスのジェイレン・ハーツとA.J.ブラウン【Greg Trott via AP】

現地15日(日)にNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区優勝を確定させる可能性がある9連勝中のフィラデルフィア・イーグルスは、シーズン第15週に向けて順調に準備を進めているはずだ。

しかし、クオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツのパスヤードが108ヤードにとどまった上に、今季3勝のカロライナ・パンサーズにわずかな差で勝利した試合の後、ハーツとチームのトップワイドレシーバー(WR)であるA.J.ブラウンの友情に疑問が投げかけられ、少しの混乱が生じている。

試合後のロッカールームでいら立ちを隠しきれない様子だったブラウンは、オフェンスが改善すべき点として、当然ながら“パス”を挙げ、試合中にハーツとの間で問題を修正するための会話はあまり行っていないと明かした。

ディフェンシブエンド(DE)ブランドン・グラハムは月曜日に『SportsRadio 94WIP(スポーツラジオ・94WIP)』で、2人は友人だが“状況が変わった”と語り、誤って事態を悪化させてしまった。グラハムはその日の夜に『ESPN』のティム・マクマナスに対し、2人の友情について誤った思い込みをし、間違ってしまったと説明。2人に謝罪したと明かした上で、不和を引き起こすつもりはなかったとつけ加えた。

火曜日にはヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニも94WIPに対し、自身の意見を述べている。

ESPNによると、シリアニHCは「私が判断できるのは、毎日見ていることだけだ」と語ったという。

「A.J.とジェイレンがゲームプランについてコミュニケーションをとったり、毎日一緒に昼食をとったり、試合前にお互いに祈ったりしている姿を見ている。憶測はあるだろうし、その点については理解している。ここ数日で起こったことを踏まえると当然のことだ。しかし、私にできることは自分が見ているものを判断することだけだ」

また、今回の騒動の発端となったブラウンの試合後の率直な分析が、ハーツの責任を指摘するものだという見解にも異議を唱えたシリアニHCはこう述べている。

「私はそうは受け取っていない。何をどう解釈するかはその人次第だ。私はあれを、チームがパス攻撃を改善したいと考えているという意味だと受け取った。A.J.はパス攻撃の一部だしね。そして、私たちは皆、それを改善したいと思っている」

「ジェイレンとA.J.はどちらも本当に素晴らしい人物で、素晴らしい選手だ。選手たちが向上心を持ち、もっと良くなりたいと望んでいることはうれしいし、どうやって成長するか、どうすれば特別なことができるようになるかということを私たちはいつも話している」

確かに、今季はイーグルスにとって特別なシーズンとなっており、現在は11勝2敗でNFC東地区制覇とカンファレンスのトップシード獲得を狙える立場にある。しかし、パス攻撃は間違いなく、チームの最大の弱点だ。ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーの加入により、イーグルスのラン攻撃はNFLトップにまで押し上げられている上に、守備陣も被得点で2位につけており、ラン(8位)とパス(2位)の両方で対戦相手にとって非常に厳しい存在となっている。

その一方で、イーグルスはパスで31位と低迷しており、ブラウンはキャッチ48回で836ヤード、タッチダウン4回と素晴らしい活躍を見せているものの、直近の試合ではキャッチ4回で43ヤードと精彩を欠いていた。それらはいずれも2024年シーズンで2番目に低い数字だ。また、パンサーズ戦のターゲット数(4回)は今季の最少記録に並んでいる。さらに、ブラウンはシーズン最初の3試合でそれぞれ1回ずつタッチダウンを決めていたが、その後の7試合中6試合は得点を挙げられていない。

それでも、イーグルスは勝利を重ねている。ほとんどの場合で快勝を収めてきたイーグルスは、連勝中の勝利の半分以上は8点差以上をつけており、唯一8点差での勝利となったワシントン・コマンダース戦は、相手が試合終了間際に得点を決めたことでそうなったに過ぎない。

突然発生したささいな問題がちょっとした混乱を招いたものの、チームがそうした成功を収めていることによって、シリアニHCは2023年シーズンにあったような崩壊が当面は起こらないという自信も抱いている。

イーグルスは惨敗したワイルドカードラウンドを含め、昨シーズン最後の7試合中6試合を落とした。そのイーグルスは10月以降一度も負けておらず、勝利したほとんどの試合で、以前よりもはるかに自信に満ちた様子を見せている。日曜日にホームでピッツバーグ・スティーラーズを下せば、イーグルスは気が散るような話題を静めることができるはずだ。ハーツがブラウンに素晴らしいパスを決めれば、なおさらそうだろう。

「ここ数日で起きたことを踏まえて、“2023年のような感じだ”という話が出ているが、私は2022年のような雰囲気がものすごくあると感じている。楽しさしか感じていない」とコメントしたシリアニHCは次のように続けた。

「1週間で見たことだけに注目してもいいが、私は全体像を見ているし、繰り返しになるが、私の目には全員が成長したいと望んでいるように見える」

【RA】