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3冠達成を狙うWRチェイスには「いくらボールを渡しても渡し足りない」とベンガルズHCテイラー

2024年12月11日(水) 11:59


シンシナティ・ベンガルズのジャマール・チェイス【AP Photo/Julio Cortez】

高得点を挙げているにもかかわらず、勝利を収められないという状況の影に隠れてしまっているかもしれないが、シンシナティ・ベンガルズのワイドレシーバー(WR)ジャマール・チェイスは歴史的な記録に迫る素晴らしいシーズンを送っている。

チェイスは現地9日(月)にも驚異的な活躍を見せ、レシーブ14回で177ヤード、タッチダウン2回という素晴らしい成績を残した。

ダラス・カウボーイズのパントブロックがうまくいかなかったことを受け、クオーターバック(QB)ジョー・バロウがチェイスに通した2回目のタッチダウンパスにより、ベンガルズは今回こそ27対20の勝利を手に入れている。

見落とされているかもしれないが、チェイスはレシーブ記録の3冠王を狙っており、プライムタイムに行われた今回の試合での活躍によって、レシーブ数(93回)、レシーブヤード(1,319ヤード)、タッチダウン数(15回)でNFLトップに立っている。

チェイスが最後のキャッチでベンガルズの3連敗を断ち切った直後、ヘッドコーチ(HC)ザック・テイラーは「彼にはいくらボールを渡しても渡し足りない」と述べた。

「彼には14回ボールを通したが、それでももっとボールを渡せたような気がしたし、実際にそうした。そういう瞬間には、シンプルにプレーメーカーにボールを渡すようにしていて、それが功を奏した」

ロサンゼルス・ラムズのWRクーパー・カップがレシーブ記録の3冠を達成してから3シーズンが経過し、チェイスもそれを成し遂げるチャンスを手にしている。特に、契約延長が迫っているチェイスにとって、フットボール界最高のレシーバーだと主張できることには意味があるものの、プレーオフ進出を控えている中でそうした主張をする方がはるかに望ましいだろう。カップの場合はそうだった。ラムズが第56回スーパーボウルでベンガルズを下すのに大きく貢献したカップは、そのシーズンに3冠に輝いている。

「プレーオフに進出して、本来の実力を発揮する機会があればもっと良かったと思う。それでも、3冠獲得は素晴らしいことだ」とチェイスはコメント。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、24歳のチェイスがキャッチ10回以上、175ヤード以上、タッチダウン2回以上を記録したのはキャリアで5回目だったという。これほど多くの記録を残している選手は他にいないが、チェイスの4年目のシーズンにはまだ数試合が残っている。

チェイスはカウボーイズ戦の第1クオーターに5ヤードのタッチダウンキャッチを決め、シーズン通算タッチダウン数でキャリアハイを更新。これはベンガルズにとって最初の得点となった。

チェイスの2回目――シーズン通算15回目――のタッチダウンは、カウボーイズがベンガルズのパントをブロックした3プレー後に決まっている。パントは前進し、カウボーイズのコーナーバック(CB)アマニ・オルワリーはボールから離れず、キャッチを試みた。それをベンガルズのラインバッカー(LB)マエマ・ンジョンメタがリカバーし、ベンガルズに活気を与えている。

「幸いにも、今回のことは運が味方したと言えるだろう」とテイラーHCはコメント。

「あそこでボールを拾って、チームにもう一度チャンスを与えて、それを生かしたマエマの活躍は素晴らしかった。そこに至るまでの一連の流れは厳しかったが、選手たちが踏ん張って、勝利につながるプレーを決めてくれたのは幸運だった」

その後、バロウはワイドオープンで駆け抜けるチェイスを発見。チェイスはそこで決めた40ヤードのタッチダウンで素晴らしい夜を締めくくり、チームの連敗も止めた。

チェイスはベンガルズが今シーズンに30点以上を挙げた試合で2勝4敗という成績を残していることを悔やんだ後、「オフェンスでまたチャンスが巡ってきたし、それを生かして勝利を決めきらなきゃいけなかった」と話している。

厳密に言えば、ベンガルズはプレーオフ争いから脱落したわけではないが、実質的にベンガルズがプレーオフ進出を逃すことはほぼ確実だ。

しかし、チェイスの3冠達成への道のりは順調に進んでいる。

バロウは「彼は特別な選手だ」と語り、チームメイトを称賛しつつ、有利な新契約を与えるよう推奨した。

「彼はキャッチした後も、キャッチする前もプレーを続ける。どんな方法でボールを渡しても、プレーを決めるんだ。彼はこれから得るもの、いやそれ以上のものを得る価値がある」

タッチダウンでベンガルズの連敗を止めた直後、チェイスは『The Simpsons(ザ・シンプソンズ)』をテーマにしたドーナツをバロウの顔面に押し当てた。

バロウは思わず笑みを浮かべ、友人を抱きしめている。

それはふさわしい結末だったと言えよう。チェイスは試合を通してカウボーイズ守備陣を打ちのめし、バロウとの連携が厳しいシーズンを過ごすベンガルズに必要不可欠な勝利をもたらした。

チェイスはバロウにドーナツをぶつけたことについて「やれって言われたんだ。俺がやりたかったわけじゃない。あのあと仕返しされた」とコメント。

「あっちの方が一枚上手だったと思う」

勝ち負けに関係なく、センセーショナルなシーズンを過ごしているチェイスに対して一枚上手だったと言えるディフェンスはそう多くないだろう。

【RA】