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イーグルスRBバークリーはジャイアンツ戦欠場へ、エリック・ディッカーソンのシーズン記録は破られず

2025年01月02日(木) 12:36


フィラデルフィア・イーグルスのセイクワン・バークリー【AP Photo/Terrance Williams】

セイクワン・バークリーがシーズン第18週に記録更新を狙うことはなさそうだ。

フィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチ(HC)を務めるニック・シリアニは現地5日(日)に控えるレギュラーシーズン最終戦のニューヨーク・ジャイアンツ戦にバークリーが出場しないと発表。バークリーはこの試合で殿堂入りプレーヤーのエリック・ディッカーソンが持つ単一シーズンのラン記録を更新する可能性があった。

シリアニHCはチームを通して「偉大な選手が長く保持し続けてきた特別な記録だ。誰もが関わっているチーム記録なので、さまざまなことを考慮しなければならない」とコメントしている。

「とはいえ、結局はチームにとって最善を尽くすのみ。今回も、バイ(ウイーク)の際に、選手たちの調子がどうだったか、自分たちで対応可能な軽いケガなど。今回のような状況になるように自分たちで取り組んできたのだ。われわれの目標は自分たちが挑む次の試合で成功し、良いプレーをすること。ニューヨークだけでなく、その後に対戦する相手が誰であろうとね。今回のことはそのために必要だと思っている」

「簡単なことではない。簡単に決められることではなかったが、ここには素晴らしい人々がいて、選手も含め、いろんな人たちから多くの意見をもらった」

バークリーは歴史的な記録樹立に乗り気ではあったものの、最終的にはコーチの判断に理解を示し、それを支持している。

バークリーは現地1日(水)、『ESPN』に「(シリアニHCから)プレーしたいか、(記録に)挑みたいかと聞かれた。自分は“日曜日はたぶんあまり気にしていなかったと思う。時間をおいて考えてみると、フットボールの歴史に自分の名前を刻むチャンスだったし、あんなチャンスは二度とないかもしれない。だから行く気だ。でも、結局のところ、チームを危険にさらすことには興味はない”と伝えた」と明かした。

「彼がヘッドコーチなのには理由がある。彼がそういう決断を下すわけだし、彼が下したかった決断がなんであれ、自分を出場させてくれるなら、試合に出て確実に決めてみせると伝えた。もし出場させてもらえないとしても、それはそれで構わない」

バークリーはシーズン第17週を終えた時点で2,005ランヤードを記録しており、1984年に当時ロサンゼルス・ラムズに所属していたディッカーソンが残した2,105ランヤードの記録を塗り替えるには、ジャイアンツ戦で101ヤードを走る必要があった。ディッカーソンの記録は40年間、破られておらず、今季のランヤードでバークリーに次ぐ2位につけるボルティモア・レイブンズのRBデリック・ヘンリー(1,783ヤード)が最終戦で大きく稼がなければディッカーソンが歴代1位のまま君臨する。

今季13勝3敗ですでにNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)第2シードが確定しているイーグルスにとって、バークリーを欠場させるか出場させて記録更新を狙わせるか、その判断は軽々しく決められるものではなかった。シリアニHCはバークリーに記録更新をかけて出場許可を出す前に、フロントオフィスやコーチングスタッフ、イーグルスの選手たちに相談したという。

ジャイアンツで6シーズンを過ごしたバークリーは2024年シーズンを前にイーグルスと契約、歴史に残る最高のフリーエージェント獲得選手の1人となった。

バークリーは先のダラス・カウボーイズ戦で2,000ヤード超えを達成し、NFL史上9人目の快挙を成し遂げている。また、NFL参戦から2チーム目で2,000ヤードを記録した初のランニングバックでもある。

ジャイアンツ時代のバークリーはケガに苦悩しており、この経緯が最終戦欠場の判断に至った理由のひとつになっているのかもしれない。最終週を前に、バークリーはキャリー345回、2,005ヤード、1試合平均125.3ヤード、ボールタッチ378回、2,283スクリメージヤードをマークしてNFL首位に立っている。

すでにキャリーもボールタッチもキャリアハイを記録しているだけに、NFC東地区王者であるイーグルスがバークリーにポストシーズンでの活躍を期待している中ではその仕事量に対する懸念があってもおかしくはない。

シーズン第7週にジャイアンツと対戦した試合で、バークリーはわずか17回のキャリーで176ヤードと1タッチダウンを記録するセンセーショナルな活躍を披露。それを受けて、シリアニHCは28対3と大きなリードを得ていた中で、バークリーに対し、出場を続投して1試合のキャリアハイを狙いたいかと尋ねた。その時点でバークリーのキャリア最高は189ヤードだったが、バークリーはそれを辞退している。その後、バークリーはシーズン第12週に255ヤードを稼ぎ、自己最多を更新した。

今回は個人成績よりも、イーグルスのプレーオフの戦いを考えて無傷であることが優先されるため、バークリーがジャイアンツ戦に出場することはないだろう。

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