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QBダニエルズが勝利の瞬間に見せる落ち着きはチームに「伝染する」とコマンダースHCクイン

2025年01月15日(水) 11:13


ワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズ【AP Photo/Chris O'Meara】

ワシントン・コマンダースの新人クオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズは決して動揺しない。

プレシーズンにおける最初のプレーから、コマンダースを2005年以来初のプレーオフでの勝利に導くまで、ダニエルズがうろたえることは一切なかった。チームを適切なプレーに導くだけでなく、スペースでディフェンダーをかわし、厳しいカバーの中でもワイドレシーバー(WR)テリー・マクローリンにパスを通すなど、ダニエルズはあらゆることを簡単そうにやってのけている。

コマンダースのヘッドコーチ(HC)ダン・クインはダニエルズの存在がチーム全体に落ち着きをもたらしているとコメント。彼らはダニエルズが冷静さをもたらす可能性があると考えているのではなく、そう確信している。

チーム公式記録によると、クインHCは現地13日(月)に「ジェイデンは勝利の瞬間にとても落ち着いていて、それは周囲にも伝染する」と述べたという。

「さっきコーチの1人と話していたのだが、彼には落ち着きがある。90年代にホフストラ大学のコーチとして一緒に働いていた友人の1人に(NCAAバスケットボール全米チャンピオンに導いた経歴を持つ元ヘッドコーチ)ジェイ・ライトがいて、彼のことを思うとビラノバ大学とUNC(ノースカロライナ大学)のチャンピオンシップゲームを思い出す。それを見れば、3ポイントシュートが決まる直前にジェイが“バン!”と言って振り返り、選手の手を握りにいく姿が映っている」

「そして、ジェイデンはそういう場面で落ち着いていて、興奮しすぎたり冷静さを失ったりしない。そうした場面で本当に落ち着いていて、うまくいったときもそうでなかったときも変わらないのだが、それは本当に難しいことだ。だからこそ、そうした瞬間に落ち着きがあるというのは本当にすごいことだ。他の選手たちもその姿を見て感じ取り、同じように落ち着きを見せるからね。私たちは冷静さを保つ練習を多くしているが、まるでそういう場面の練習をたくさんしているように見える。ジェイデンはそうした場面で“バン”と次のことに目を向け、行動に移す。それは本当に素晴らしい資質だ」

ダニエルズの資質は才能とリーダーシップの両方に表れている。過度に高ぶることも落ち込むこともないダニエルズは、フィールドで計算高く、効果的なプレーを発揮する。

月曜日、クインHCはダニエルズが最も感情的になるのはチームメイトがビッグプレーを決めるときだと語り、今季に新人QBのダニエルズが最も感情的になったのは、シーズン第18週に行われたダラス・カウボーイズ戦でバックアップのマーカス・マリオタが決勝タッチダウンを決めたときだったと振り返っている。ダニエルズは自身が司令塔を務めるときはあくまでも冷静なのだ。

クインHCは笑いながら「彼は自分が指揮を執るときは冷静沈着で、誰も寄せ付けない」と話している。

「ヘルメットのレンズの奥では、殺し屋のようになる。だから、私が見た中で最も感情的だったのは、マーカスのためにその場で喜びを見せた瞬間で、自分にとって大切な選手のために感情と喜びをあらわにしていた」

ダニエルズは日曜日に行われたワイルドカードゲームでコマンダースを勝利に導いている。次の挑戦は、土曜日に第1シードのデトロイト・ライオンズを倒すことだ。ダニエルズはボルティモア・レイブンズ時代のジョー・フラッコ(2008年のディビジョナルラウンドでテネシー・タイタンズを破った)に次ぐ、プレーオフで第1シードチームを下した2人目の新人クオーターバックになることを目指すだろう。

1950年以降、複数のプレーオフゲームで勝利した新人クオーターバックは3人しかいない。アウェーでのプレーオフゲームで複数回勝利した新人QBはマーク・サンチェス(2009年、ニューヨーク・ジェッツに所属)とフラッコ(2008年、レイブンズに所属)の2人だけだ。1950年以降、新人QBのディビジョナルラウンドの成績は5勝7敗(2010年以降は1勝4敗)となっている。

【RA】