スーパーボウルを狙うチャンスは絶対にまだあるとライオンズHCキャンベル
2025年01月22日(水) 12:04現地18日(土)の夜にデトロイト・ライオンズはパーティーを期待していた。しかし、待ち受けていたのは悪夢だった。
ライオンズはディビジョナルラウンドで、クオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズを擁するワシントン・コマンダースに敗北。試合後、チームもファンもゾンビのように打ちひしがれていた。15勝を挙げ、チーム史上初のNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)第1シードを獲得したシーズンだったが、オフェンスのターンオーバー5回と隙だらけのディフェンスが響き、ヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベル率いるライオンズはプレーオフ初戦で姿を消した。
キャンベルHCは月曜日に「目指していた場所までは到達したが、そこでパフォーマンスを発揮できなかった」と『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』のデイブ・バーケットに話している。
「コマンダースには敬意を表するよ。彼らはやるべきことをやり、良い試合をした。それに比べて、われわれは自分たちの最高のパフォーマンスを発揮できなかった。B級のパフォーマンスでも勝てる可能性はあったが、それすらできなかった」
「これがフラストレーションの正体だ。ファンやチーム、コーチ、この組織に関わるすべての人がいら立っていることは分かっている」
D級のパフォーマンスでは、勝てるはずはない。
土曜日のライオンズが抱えた問題の一つは、B級のパフォーマンスでもコマンダースには勝てるという慢心だった。たとえそれが事実であったとしても、ディビジョナルラウンドに進むNFLのチームが、相手を簡単に倒せると高をくくって臨むべきではない。第6シードだったとはいえ、コマンダースがその座を獲得したのには正当な理由がある。才能あるQBを擁するチームを少しでも侮れば、その代償は高くつく。
これはキャンベルHCとチームにとって厳しい教訓となった。ポストシーズンでは、最高のパフォーマンスを発揮できなければ、その時点でシーズンは終わる。
昨年のNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでの崩壊が、みぞおちに受けた打撃のようなものだったとすれば、土曜日の敗戦は顎への一撃だった。それに対してライオンズは反撃すらできなかった。
土曜日のアッパーカットから数日後、キャンベルHCは気持ちを立て直したと語った。
「私はもう立ち直って、前に進む準備はできている。現実を受け入れ、鏡を見て“お前は失敗した。じゃあ、これからどうする?” と自分に問い聞かせるんだ。これが現状で、ここから進むしかない」
NFLで勝つことは決して簡単ではない。チャンスが訪れるのも、去っていくのも一瞬だ。
キャンベルHCは、両コーディネーターの引き抜きという課題にも直面している。すでに攻撃コーディネーター(OC)ベン・ジョンソンはシカゴ・ベアーズのヘッドコーチ職就任に向かっており、他のアシスタントコーチもチームを去る可能性がある。しかしながら、ここ数年のライオンズの成功を築いた立役者であるキャンベルHCは、チームの土台は揺るがないと信じている。
「主力となるグループは残っている。一部の選手とはすでに再契約を結び、契約交渉中の選手もいるが、それも進めている」とキャンベルHCは述べた。
「われわれにはまだチャンスがあると信じている。最も重要なのはチームの文化とアイデンティティだ。そして、それに合う選手たちがそろっていること。成功に必要なすべての重要なポジションには、それにふさわしい選手たちがいる。彼らは正しい姿勢でプレーしているからこそ、われわれには絶対にチャンスがある」
キャンベルHCは、低迷していたフランチャイズをコンテンダーへと押し上げた。その功績により、今回の挫折も正面から乗り越えられるだろうという信頼を勝ち取っている。連続するプレーオフでの失望が、長い復活劇の序章となるのか、それとも墜落前の一時的な急上昇に過ぎないのか。これからの7カ月間、キャンベルHCとライオンズはその問いに向き合い続けることになるだろう。
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