35歳のTEケルシーがプレーオフで切り替わるのはポジティブ思考のおかげとチーフスHCリード
2025年01月22日(水) 11:59カンザスシティ・チーフスのポストシーズンといえば、トラビス・ケルシーの出番だ。
将来の殿堂入りが確実視されるタイトエンド(TE)ケルシーは、プレーオフになるとまるでスイッチが切り替わったかのように圧倒的な活躍を見せてきた。今年もその実力を余すことなく証明している。
2024年シーズンのケルシーは、35歳という年齢を感じずにはいられないパフォーマンスで、レシーブ97回で823ヤード、タッチダウンはわずか3回と過去10年間で最低の成績に終わった。しかし、ひとたびプレーオフに突入すると、ケルシーはまるで新たな活力を得たかのように復活を遂げている。
現地18日(土)に行われたディビジョナルラウンドでヒューストン・テキサンズに勝利した試合では、ケルシーがチーフスのオフェンスをけん引。レシーブ7回で117ヤード、タッチダウン1回を記録した。この活躍により、ケルシーはポストシーズンで100ヤード以上のレシーブを記録した試合数が通算9回となり、殿堂入りワイドレシーバー(WR)ジェリー・ライスを抜いてNFL歴代最多記録を樹立した。
プレーオフごとにケルシーがチーフスのオフェンスにもたらすエネルギーについて聞かれたヘッドコーチ(HC)アンディ・リードは、その影響は数字以上のものがあると語った。
チームの公式サイトによると、リードHCは月曜日に「何でもできるというポジティブ思考だ」と説明したという。
「彼はそれを見事に体現しているし、チームメイトにも示している。正しい方法で力を合わせれば、どんなことだって可能なんだということをね。それが彼の一番素晴らしいところだと思う。それに、彼の年齢で毎日一生懸命に練習に取り組む姿勢も尊敬している。彼を休ませようすると怒るくらいだ。年齢を重ねた選手には、そう簡単にできることじゃないだろう」
すでにポストシーズン最多レシーブ記録(172回)を保持しているケルシーだが、土曜日の試合では100ヤード以上のレシーブと1回以上のタッチダウンを記録し、これはキャリア6回目となる偉業となっている。この記録を超えるのはライス(7回)のみだ。また、プレーオフ通算レシーブヤードが2,000ヤードを突破したNFL史上2人目の選手にもなった。現在2,020ヤードとなるその記録は、ライスの2,245ヤードに次ぐ。さらに、プレーオフ通算レシーブタッチダウン数は20で、こちらもライスの記録(22回)に迫っている。
リードHCは、プレーオフに出場している相手ディフェンスがケルシーだけに集中できない状況が、その活躍を後押ししているとも指摘した。
「7回のキャッチやその他の記録も見事だが、それ以上に彼の周りに多様な選手がいることが大きい」とリードは言う。
「彼はチャンスがめぐってきた時にプレーを決めてくれることに変わりはないし、衰えを感じたこともない。年齢や身体能力について心配されこともあるけど、実際には周囲の選手たちをどう活かすかがカギだ。それがうまくいっていない時は、彼にばかりディフェンスが集中していた。だが、今は健康を取り戻した選手が増えて層が厚くなり、相手が彼だけに集中できない状況になっている」
日曜日に行われるAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでは、バッファロー・ビルズがケルシーに対するディフェンスを徹底してくることは間違いない。30対21でビルズが勝利したシーズン第11週の対戦では、ケルシーはターゲット4回中2回のキャッチで8ヤードに抑えられた。しかし、過去3回のビルズとのプレーオフ対戦では、ケルシーは平均8.7回のキャッチ、96.3ヤード、さらに計5回のタッチダウンを記録している。
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