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第50回SB制覇時の守備を超えることを目標に掲げるブロンコスLBシングルトン

2025年07月01日(火) 13:44

デンバー・ブロンコスのアレックス・シングルトン【AP Photo/David Zalubowski】

2024年シーズン、デンバー・ブロンコスは伝統ある堅守を継続し、第50回スーパーボウルを制覇した2015年以来となる2桁勝利およびプレーオフ進出を果たした。

さらなる飛躍を目指すデンバーにおいて、ラインバッカー(LB)アレックス・シングルトンは自身のユニットにとっての到達点として、かつてのスーパーボウル制覇時のディフェンスを引き合いに出している。

先週にシングルトンは「“2015年のディフェンスを超える”というのを合言葉にしたいんだ。俺たちはそこを目指さなきゃいけない」と『DNVR』のインタビューで語っている。

「練習が始まったその瞬間から、それを追い求める必要がある。目指す場所にたどり着くためには、毎日最高のパフォーマンスを出し続けなければならない」

堅守は長年にわたってマイルハイ・シティことデンバーに拠点を置くこのチームの代名詞であり、1970年代から80年代初頭のオレンジクラッシュ時代にさかのぼる。1997年と1998年の連覇チームにおいても、その伝統は受け継がれてきた。

前述の2015年のブロンコスもまた、伝説的な守備ユニットのひとつだった。総ヤード、パスヤード、1回あたりの平均ランヤード、サック数でリーグ1位を記録し、将来殿堂入りが確実視されるディフェンシブエンド(DE)デマーカス・ウェアや、その年のスーパーボウルMVPに輝いたアウトサイドラインバッカー(OLB)ボン・ミラーといった選手が名を連ねていた。

そのシーズンはまた、ブロンコスが最後にプレーオフで勝利を挙げた年でもある。その後唯一のプレーオフ出場ではワイルドカードゲームで敗退。第50回スーパーボウル制覇以降、チームはペイトン・マニングの引退に伴い、クオーターバック(QB)における長期的な解決策を模索しながら、低迷期を過ごすこととなった。

それでも常にチームを支えてきたのはディフェンスだった。過去9シーズンのうち5シーズンで被ヤード数トップ10入りを果たしており、昨シーズンもその中に含まれている。

「ブロンコスは、チーム創設からずっとトップ5のディフェンスを誇ってきたと言っていい」とシングルトンは話している。

「過去10年を見ても、ブロンコスは低迷していたと言う人がいても、ディフェンスが崩壊したことは一度もない」

2024年シーズンのブロンコス守備陣は、年間最優秀守備選手賞を受賞したコーナーバック(CB)パトリック・サーテイン2世を中心に、最終的に失点数およびラン守備でリーグ3位にランクイン。サック数では63回を記録し、2位のチームに9回差をつけてリーグトップとなった。

このオフシーズンにブロンコスは守備陣の主力メンバーの多くを維持することに成功した。ディフェンシブタックル(DT)D.J.ジョーンズやLBジャスティン・ストナードらを再契約し、離脱したのはLBコーディ・バートンのみ。そのバートンの空いた先発ポジションには、昨年に3試合を除くシーズンの大半をACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂で欠場したシングルトンが、復帰後に就くことが濃厚と見られている。

それでもブロンコスは、現有戦力に満足して安穏としていたわけではない。ジェネラルマネジャー(GM)ジョージ・ペイトンとヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンは、LBドレイ・グリーンローおよびセーフティ(S)タラノア・フファンガと、それぞれ3年契約を締結。いずれもサンフランシスコ・49ers時代に実績とスーパーボウル経験を積んだ実力者であり、守備陣にさらなる厚みを加える補強となった。さらに、チームは1巡目指名権を使ってCBジャデイ・バロンを指名。昨季の守備陣における唯一の弱点とも言えるパス守備(被パスヤード19位)の強化を図った。

シングルトンは、守備陣を強化するために新戦力を加えたチームの動きを称賛し、昨季の成功にもかかわらず改善を追求し続ける姿勢はうれしい驚きだったと語った。

「今年に関して言えば、チーム内の多くの人間を含めて、オフシーズンにこれほど守備陣を補強するとは正直思っていなかった」とシングルトンは明かした。

「だからそれが実現したときには、“これは面白くなりそうだ”と思ったよ。俺たちは、多くのチームがたどり着けないような場所に到達した。だから本当に、心の底からワクワクしている」

強化されたブロンコス守備陣の全貌は、ファンにとってまだ明らかになっていない。トレーニングキャンプとプレシーズンを経て、試合が本格化するのはこれからだ。しかし、シングルトンと彼のチームメイトたちは、すべての選手がそうであるように、すでに高い目標をオフシーズンの時点で掲げている。それを実現できるかどうか、その答えが明かされるのは9月になってからだ。

「この時期の楽しいところはそこなんだ。まるでクリスマスみたいだってみんなが言うけど、本当にそんな感じだよ」とシングルトン。

「俺たちにはすごくいいチャンスがある。だからこそ、それを台無しにしないことが大事だ。今、俺たちが持つべきマインドセットはまさにそこにある。このチームに関わるすべての人がこのシーズンに全力を尽くさなければならない」

「何かで満足するつもりはまったくない。それが俺の考えだ。5月の時点でベストを目指すと言わないのは正直ありえないと思う。12月になったら現実的な判断をすればいい。でも今は、目の前にまだワークアウトの機会がたくさんあるんだから、それに全力で取り組むだけだ。そうしてこそ、最高の自分になれる」

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