チーフスが2027年ドラフト6巡目指名権と引き換えにWRムーアを49ersにトレード
2025年08月21日(木) 10:38
2022年のオフシーズンにワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルをトレードで手放して以来、カンザスシティ・チーフスは毎年、ヒルの真の後継者となり得る選手を探し求めている。
最初にその期待に応えられなかった選手の1人が、2022年NFLドラフト2巡目で指名を受けたWRスカイ・ムーアだ。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、マイク・ガラフォロ、トム・ペリセロによると、チーフスは2027年ドラフト6巡目指名権と引き換えに、ムーアおよび2027年ドラフト7巡目指名権をサンフランシスコ・49ersにトレードしたとのことで、ムーアは新たなスタートを切ることになったという。
ムーアがチーフスでの3シーズンで先発を務めた試合はわずか11試合で、レシーブ数は43回にとどまっている。今年は放出候補と見られていたが、その代わりに負傷者が相次ぎ補強が急務となっていた49ersのWR陣に厚みをもたらすことになった。
49ersのWRブランドン・アイユークはシーズン終了につながった膝のケガから回復を目指しているところであり、シーズン開幕から少なくとも6試合は欠場する見込みだ。昨季に1番手WRとして活躍したジャワン・ジェニングスはふくらはぎの不調を抱え、現行契約にも不満を持っている。また、ジョーダン・ワトキンスとジェイコブ・カウイングもケガに悩まされている状態だ。
さらに、ヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンは水曜日に、WRデマーカス・ロビンソンがリーグの薬物乱用防止規定違反によってレギュラーシーズン最初の3試合で出場停止処分を受ける見込みであることを発表した。
新人契約の最終年を迎えるムーアのチーフス退団はさほど驚きではないが、トレードで移籍することになったのはやや意外だと言えよう。
ムーアはデプスチャートで6番手または7番手を争っていた上に、最近ではハムストリングのケガで欠場することもあったため、退団は以前から予見されていた。ムーアのチーフス時代を最もよく表していたのはプレシーズン第2週に行われたシアトル・シーホークス戦でのパフォーマンスかもしれない。ムーアはその試合で、オフェンスとスペシャルチームで落球や取り損ねを重ねながらも、試合終盤には88ヤードのパントリターンタッチダウンに成功した。ムーアはチーフスで常にポテンシャルを見せていたものの、安定した成果は出せなかった。
チーフスは昨季に3年連続でスーパーボウル進出を果たしたが、ムーアはほとんど存在感を示していない。出場したのはわずか6試合で、3回のターゲットに対してレシーブは0回、スペシャルチームでもキックリターン2回で合計43ヤードにとどまった。コアマッスルの負傷によって故障者リザーブ(IR)入りしたムーアは、シーズン最後の11試合とプレーオフの全試合を欠場している。
チーフスはムーアの在籍期間中に2回のスーパーボウル制覇と10回のプレーオフゲーム出場を果たしているが、ムーアがプレーオフに出場したのはわずか3試合(すべてルーキーシーズン)だった。それは、ムーアの役割が減少したことを如実に表している。ムーアが出場したプレーオフゲームの中には、チーフスでのキャリアで最も印象的な場面の1つがあった。それは、第57回スーパーボウルの第4クオーターでクオーターバック(QB)パトリック・マホームズから4ヤードのタッチダウンパスを受けたシーンだ。この第4クオーターでの得点とその後のエクストラポイントで35対27とリードを広げたチーフスは、最終的に38対35でフィラデルフィア・イーグルスを下している。
今後、ムーアは気持ちを切り替え、49ersを支える存在になることを目指す。9月10日に25歳の誕生日を迎えるムーアの脚力はまだまだ衰えていないはずだ。
【RA】