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3試合連続のタッチダウンで見事なプレシーズンを締めくくったジャイアンツQBダート

2025年08月22日(金) 12:07

ニューヨーク・ジャイアンツのジャクソン・ダートとラッセル・ウィルソン【AP Photo/Yuki Iwamura】

素晴らしいプレシーズンを過ごしてきたニューヨーク・ジャイアンツのクオーターバック(QB)ジャクソン・ダートがプレシーズン最終戦でも見事なドライブを演出した。

ダートは4回のシリーズでプレーしたものの、この3週間で見せてきたパフォーマンスとは少し異なる展開となった。

それでも、ダートは現地21日(木)夜に行われたニューイングランド・ペイトリオッツとのプレシーズン最終戦で、3試合連続となるタッチダウンを決め、俊足と強肩を披露している。

チームの非公式デプスチャートで3番手に位置するダートは、プレシーズンでの3試合でパス47回中32回成功、372ヤード、タッチダウン3回を記録。インターセプトは0回に抑え、キャリー6回で52ヤード、タッチダウンラン1回をマークした。ペイトリオッツ戦では、パス12回中6回を成功させて81ヤード、タッチダウン1回を記録し、23ヤードのスクランブルも見せたが、そのプレーではファンブルを喫し、脳しんとうを発症した疑いも浮上している。

ダートはワイドレシーバー(WR)ガナー・オルシェスキーに50ヤードのパスを通した後、タイトエンド(TE)グレッグ・ドゥルシッチに7ヤードのタッチダウンパスを通し、試合最初のドライブを締めくくった。

しかし、その後3回のドライブで得点に導けなかったダートは、4回目のドライブでファンブルを喫し、芝生に頭を打ちつけた。ダートは脳しんとうの検査を受けることになり、ジェイミス・ウィンストンが交代で出場。ウィンストンはすぐさまWRジェイリン・ハイアットに27ヤードのタッチダウンパスを通した。

それがダートにとって今試合およびプレシーズンでの最後のプレーとなった。2025年NFLドラフト全体25位で指名を受けたダートは、プレシーズンに行われたバッファロー・ビルズ、ニューヨーク・ジェッツ、ペイトリオッツとの試合で印象的なパフォーマンスを見せている。

今回の成績は振るわなかったものの、ダートのポテンシャルとスキルセットは明らかだった。ポケット内では不安定に見える場面もあったが、走りながらのパスは見事だったと言えよう。ダートはプレッシャーをかわして前方へ走りつつ、オルシェスキーへ速攻パスを通し、前述の50ヤードゲインを達成した。その数プレー後には、レッドゾーンにいたドゥルシッチに正確なパスを通してタッチダウンも決めている。

その次のドライブでは、ハイアットへのディープパスに失敗し、パントで終えた。それに続くドライブでは、サックを喫した上に、オフェンシブホールディングの反則を受けた後、第3ダウン残り24ヤードの状況でファーストダウン獲得に失敗している。

ハイアットは4回目のシリーズでも再び第3ダウンでディープパスを取り損ねた。ジャイアンツは自陣45ヤード地点の第4ダウン残り4ヤードという状況で攻めることを選択。中央に向かって走ったダートは、ファーストダウンを獲得したものの、スライディングせずに接触を受けてファンブルを喫するという未熟さを見せた。ディフェンシブホールディングの反則でボールは保持することになったが、ダートは検査のためにブルーのメディカルテントに連れて行かれた。

ダートがテントから出てきた頃には、ウィンストンがハイアットにロングパスを投げ、それをハイアットがキャッチしていた。

これまで見せてきた素晴らしいパフォーマンスを踏まえると、プレシーズン最終戦の内容は完璧とは言い難いものだった。それでも、ダートはジャイアンツファンに期待を抱かせる結果を残している。

ダートは現在、デプスチャートでラッセル・ウィルソンとウィンストンの後ろにつけている。ジャイアンツが序盤に苦戦した場合、ダートがレギュラーシーズンで出場機会を得るまでにどれくらいかかるかが注目されるだろう。

とはいえ、現時点で最も印象的だったのは試合開始前の場面で、ダートとドラフト全体3位指名を受けたディフェンシブエンド(DE)アブドゥル・カーターがチームキャプテンとしてフィールドに立ったシーンかもしれない。ジャイアンツファンは今後何年もそのコンビを見たいと願うに違いない。

【RA】