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OLBワットの契約延長に専念するスティーラーズ、トレードの意向はなし

2025年07月01日(火) 10:17

ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット【Cooper Neill via AP】

ピッツバーグ・スティーラーズが6月に行った大型トレードは、アウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットに関する計画には影響を与えていないようだ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが現地6月30日(月)に伝えたところによると、スティーラーズはセーフティ(S)ミンカ・フィッツパトリックをトレードした後もスターパスラッシャーのワットを手放すつもりはなく、引き続きワットとの契約延長に注力しているという。

オールプロのファーストチームに4回、プロボウルに7年連続で選出されているワットは、契約最終年を迎えており、スティーラーズと新契約について交渉を行なってきたが、6月10日から12日にかけて行われた参加必須のミニキャンプを欠席。NFLネットワークのイアン・ラポポートは当時、交渉が進展していないと報じていた。

スティーラーズがマイアミ・ドルフィンズとのトレードでコーナーバック(CB)ジャレン・ラムジーおよびタイトエンド(TE)ジョンヌ・スミスを獲得する代わりにオールプロ選出経歴を持つフィッツパトリックを手放したことを受け、他チームのジェネラルマネジャー(GM)はワットがトレードの対象になる可能性を探ろうとしたのかもしれない。

しかし、そのような状況ではなく、そうあるべきでもない。違いを生み出せるベテラン選手をそろえてロースターを強化してきたスティーラーズは、新しく迎えたクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースを軸に、長年続いたプレーオフでの不振を打破し、ついにプレーオフでも勝ち進めるようになると確信している。

2025年のスティーラーズがワットのような才能のある選手を放出した上でより良いチームになる可能性はほぼないと言えよう。しかし、その類まれな才能こそが、ワットがより多くの報酬を求めている理由でもある。

ワットはAP通信ディフェンス部門年間最優秀選手賞に輝いた実力者であり、スティーラーズでの8シーズンでサック108回、QBヒット225回、フォースドファンブル33回と驚異的な成績を残してきた。ワットはまさにスティーラーズの守備陣の原動力となっている。

ワットが2021年に締結した契約の期間が残り1年となる中、その年平均額(2,800万ドル/約40億2,031万円)を上回る選手は次々と出てきている。現在、ワットはそのランキングで7位につけており、トップに立つクリーブランド・ブラウンズのマイルズ・ギャレットは年間4,000万ドル(約57億4,330万円)という破格の金額を手にしている。

スティーラーズとワットの間に、エッジラッシャーの市場相場を反映した契約に合意するための課題が残っているのは明らかだが、チームが目指しているのはその合意の成立だけだ。

ワットがフィッツパトリックに続いてチームを去ることはない。むしろ、スティーラーズはワットが新契約を結んだ上で、新たに加わる戦力を温かく迎え入れることを期待している。

【RA】