第59回スーパーボウルでチーフスが悪役になることを「大歓迎」するTEケルシー
2025年01月30日(木) 12:04スーパーボウル連覇を果たしたカンザスシティ・チーフスが、3年連続でNFL最大の舞台に戻ってくる。
成功は嫉妬や反感を生む。そして、今のチーフスはまさにその標的となっている。しかし、それは将来のプロフットボール殿堂入りが確実視されているタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーにとって、何の問題でもない。むしろ、その立場を楽しんでいる。
「最高だよ。大歓迎だ」とケルシーは自身のポッドキャスト番組『New Heights(ニュー・ハイツ)』で語った。
「前まではそんなことはなかった。俺は“かわいそうなやつらだよな”って言われていた側だった。でも今は、このチームのみんなと一緒に戦えることを心から楽しんでいる。こういう状況が、チームの絆をさらに強くしてくれるんだ」
「結束を固めるだけさ。周りが何を言おうが関係ない。チームが一丸となれば、俺たちが持っているものの価値がさらに高まる。だって、みんながそれを欲しがっているんだから」
カンザスシティには、2019年シーズン以降に3度出場したスーパーボウルで獲得した2つのロンバルディトロフィーがある。それがチーフスの強さを何よりも象徴している。ケルシーもまた、その成功の象徴だ。2016年から2022年まで7シーズン連続で1,000ヤード以上のレシーブを記録したケルシーは、ここ2シーズンはやや成績を落としたものの、チーフスのオフェンスの中心であることに変わりはなく、チームを再びAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)王者へと導いた。
それはAFCの他のチームすべてが欲する立場だ。しかしながら、2019年以降にその座を手にしたのは、チーフスとシンシナティ・ベンガルズの2チームのみ。その間、プレーオフでチーフスを倒した唯一のAFCチームがベンガルズだった。
勝ち続けるチームが嫌われるのは当然のこと。今回のスーパーボウルで、チーフスは悪役としてニューオーリンズに乗り込むことになる。チーフスの成功に飽きたファンの多くは、トラビスの兄ジェイソン・ケルシーがかつて所属していたフィラデルフィア・イーグルスを応援することだろう。
しかし、ケルシーとチーフスの選手たちが目指すものは変わらない。カンザスシティにもう1つロンバルディトロフィーを持ち帰ることだ。今回も勝利すれば、チーフスは歴史にその名を刻み、ケルシーにとっても最高の締めくくりとなる。
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