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ロンバルディトロフィーを「ブレイディトロフィーに改名すべきかもしれない」とベリチック

2025年01月30日(木) 12:28


ビル・ベリチック【AP Photo/Chris Szagola】

ビル・ベリチックかトム・ブレイディかという終わりなき議論において、かつてニューイングランド・ペイトリオッツ王朝を築いた名将は、少なくとも公の場ではブレイディ側につく姿勢を示している。

『SiriusXM(シリウスXM)』のポッドキャスト“Let’s Go!(レッツ・ゴー)”に出演したベリチックは、かねてからの持論を改めて強調。試合に勝つのは選手であり、最終的にチャンピオンシップを手にするのも彼らだと語った。偉大な選手なしに、コーチはただホイッスルを吹く存在にすぎないと考えている。

「試合に勝つのは選手だ。優れた選手なしに勝つことはできない」とベリチックは語った。

「どんなコーチであろうと、それは不可能だ。いい選手がいなければ勝てない。それは、私がニューヨーク・ジャイアンツでローレンス・テイラー、カール・バンクス、ハリー・カーソン、ペッパー・ジョンソン、ジム・バート、エバーソン・ウォールズらを擁していたときに学んだことだ。そして、クリーブランド・ブラウンズでチームが強くなったときも、ペイトリオッツで成功したときも同じだった。要するに、トム・ブレイディ、ウィリー・マクギネスト、マイク・ブラベル、テディ・ブルスキ、コーリー・ディロン、ランディ・モス、トロイ・ブラウン、ロイヤー・ミロイ、タイ・ロー、ロドニー・ハリソンといった選手たちが試合に勝ったんだ。私はタックルを決めたわけでも、キックを蹴ったわけでもない。雪が積もった中で決勝キックを決めたのはアダム・ビナティエリだ」

「いい選手がいなければ話にならない。そしてコーチとしては、選手に勝つチャンスを与えることが大事だ。彼らがフィールドに出てベストなプレーをすれば、勝つチャンスが生まれるような状況を作る。それがコーチのビル・パーセルズに教わったことだ。常に勝つ方法はあるということ。それを見つけ出し、選手にそのチャンスを与えなければならない」

共演者のジム・グレイが「スタートロフィーとは名付けられなかった。ロンバルディトロフィーと呼ばれている」と指摘すると、ベリチックは「ブレイディトロフィーに改名するべきかもしれない。彼は7回も優勝しているんだから」と冗談交じりに答えた。

ベリチックの言う通りだ。最終的に試合に勝つのも負けるのも選手次第。しかしながら、偉大なコーチとは、常に優れた選手たちにアドバンテージを与えられる存在のことを指す。最高のコーチは、選手が対戦相手よりも準備を整えられるようにし、試合の中で有利な状況を作り出す。戦略を練り、適切なプレーをコールし、選手が勝つチャンスを最大限に引き出す。それこそが、かつてベリチックが第36回スーパーボウルで見せた“ブルズアイ・ゲームプラン”のような采配だ。

優秀な選手がいなかったことで何も成し遂げられなかった名将は多い。逆に、卓越したコーチがいなかったことで勝利をつかめなかった名選手も数えきれない。結局のところ、偉大なチームを築くのは、その両者の結びつきにほかならない。シーズンの終わりに掲げるトロフィーの名前が何であれ、その本質は変わらない。

【R】