NFLコミッショナーがDEIへの取り組み、審判、18試合制の可能性、レイブンズKタッカーについて言及
2025年02月04日(火) 14:14現地3日(月)、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルがニューオーリンズで実施された第59回スーパーボウルのオープニングナイトを前にした記者会見で、リーグのさまざまなトピックについて言及。その中には、多様性、公平性、包摂性(DEI)プログラムや審判の現状、18試合制の可能性、ボルティモア・レイブンズのキッカー(K)ジャスティン・タッカーに寄せられた不適切行為の疑惑などが含まれている。
グッデルはNFLの多様性を推進する方針が、ドナルド・トランプ大統領の政権が連邦政府のDEIプログラムの廃止を試みる努力と矛盾しているとは考えていないと述べた。
NFLには20年以上前から実施されているルーニールールの一環として、チームがコーチ陣やフロントオフィスの重要なポジションに対して多様な候補者と面談を行うことを義務付ける規定がある。
グッデルは月曜日に「私たちの方針は法律や慣行の範囲内で適切に設計されている。私たちのシステムにクオータはない。これはすそ野を広げ、NFLに優れた人材を迎え入れるための取り組みだ」と述べた。
「私たちはNFLのために正しいことをし、私たちの方針は現政権および前政権と一致しているとも考えている」
また、リーグの多様性促進活動がNFLをより良くし、「より優れた人材を引き寄せた」と語ったグッデルは次のようにコメントしている。
「異なる視点や、異なる背景を持つ人々、それが女性であれ男性であれ有色人種であれ、そういった人々がいることで、私たちはより強く、より良くなれる。これは、今後何年にもわたって多大な影響をもたらすことだと思っている。私たちは最高の才能や最高の指導とともにフィールドで勝利を収めており、フィールドの外でも同じことが言えると思う」
「私たちが多様性への取り組みを始めたのは、それがナショナル・フットボール・リーグにとって正しいことだと感じたからであり、今後もその取り組みを継続していくつもりだ。なぜなら、自分たちが納得しただけではなく、それがNFLをより良くする取り組みであることを証明したと思っているからだ。つまり、私たちはトレンドに左右されて始めたわけではなく、以前にも申し上げたように、私たちの取り組みはフィールド内外で最高の才能をナショナル・フットボール・リーグにひきつけるための根本的なものだ。そして、その成果はすでに現れている。ナショナル・フットボール・リーグにどれほど利益をもたらしたかも見て取れる。そのため、今後もこの取り組みを継続していくつもりだ。また、それは明らかに私たちのファンベースやコミュニティ、選手たちを反映したものだとも考えている」
グッデルは日曜日に実施されるフィラデルフィア・イーグルス対カンザスシティ・チーフスのスーパーボウルを前に、審判に関する多くの質問にも答えた。
グッデルは今シーズンの判定においてチーフスがえこひいきされているのではないかという見方について質問されている。
そうした考えを聞いて、かつてインターネット上で広まった“NFLには台本がある”という陰謀論を思い出したと明かしたグッデルはこう語った。
「そういう理論の多くはソーシャルメディア上で広まり、息を吹き返したものだと思う。あなたが言うように、あなたの考えではないにせよ、そういう話は出回っている。誰も自分の理論だとは言いたがらないがね。その気持ちは分かる。それはファンの情熱が反映されたものだと思っている」
「また、それは審判の重要性を再認識させることだとも思う。NFLで審判を務めている人たちは素晴らしく、彼らは最高水準の基準を満たしている。真剣に考えている人たちにとっては馬鹿げた理論だ。だが、結局のところ、私たちが常に取り組み続けなければならないことがある。それは、どうすれば常にゲームをより良くできるかということだ」
グッデルは報道陣に対し、リーグの審判はフィールド上でのパフォーマンスだけではなく、さまざまな方法で評価されていると述べた。
「これらの審判は素晴らしい人々だ。彼らは審判になるために多くのことを経験してきた。とても厳しく、大変な仕事だ。半分の人は一方の見方をし、もう半分は別の見方をする、それを理解した上でその仕事に取り組んでいる。NFLの審判団ほど、正確に仕事をし、最善を尽くそうと努力する献身的なグループを見たことがないし、彼らの仕事ぶりを誇りに思っている」
グッデルは月曜日、リーグは“テクノロジーを活用して審判を補完し、支援”したいと考えているとつけ加えた。グッデルはリプレーアシストの活用を“大きな前進”として挙げ、将来的にはフェイスマスクのペナルティのような分野もリプレーアシストに追加される可能性があると述べている。
レギュラーシーズンの試合数を18試合に増やす可能性について、グッデルは「まだやるべきことがたくさんある」と明かした。
グッデルはレギュラーシーズンに1試合を追加することについてリーグとNFLPA(NFL選手会)は正式な交渉を行っていないと述べたが、NFLPAのエグゼクティブディレクターであるロイド・ハウエルJr.とは非公式な議論を交わしたと明かした。NFLは2021年シーズン開幕前に17試合目を追加し、プレシーズンを4試合から3試合に削減。グッデルは最終的にレギュラーシーズンにもう1試合追加する意向を示している。
「もし実現すれば、18試合と2試合(のプレシーズン)が可能性としてあるだろう。ファンがフットボールを愛し、もっとフットボールを見たがっていることは理解している。だが、そのバランスと対処法については、非常に慎重かつ賢明でなければならない」
グッデルはリーグが行った装具やオフシーズンおよびプレシーズンにおけるトレーニングの変更が、脳しんとうやその他のケガの数を減らすのに役立ったため、追加の試合を実施することがより現実的になったと語った。
さらに、グッデルはタッカーが2012年から2016年にかけてボルティモア地域で受けたマッサージセッション中に不適切な行動を取っていたという“深刻な”告発についてNFLは調査を行うと話している。
タッカーは先週に発表した声明で、マッサージセラピストから苦情を受けたことも、スパやその他の施設で利用を拒否されたこともないとつづった。
「それは明らかに深刻な問題であり、彼も私たちも真剣に受け止めている」とグッデルは述べている。
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