2度目のAP通信年間カムバック選手賞受賞を果たしたベンガルズQBバロウ
2025年02月07日(金) 13:29![](https://nfljapan.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2025/02/07120140/AP25038098713292.jpg)
シンシナティ・ベンガルズのクオーターバック(QB)ジョー・バロウが2024年に空中戦で披露したパフォーマンスは、誰にもひけをとらない。しかし、キャリアベストのこのシーズンを送る前に、いったいバロウが何に直面していたかを踏まえれば、見方はさらに変わってくる。
バロウは2023年シーズンを途中で終わらせ、手術を必要とした手首の負傷に対処してきた。ケガから回復した手首に支えられた右腕と右手が、4,918パッシングヤードとタッチダウンパス43回をたたき出している。いずれも、今季のNFLでトップの記録だ。
現地6日(木)にニューオーリンズで開催された『NFL Honors(NFLオナーズ)』の場で、復帰に向けたバロウの努力は2024年AP通信NFL年間カムバック選手賞の受賞という形で報われている。
1位票を31票獲得したバロウは、計370ポイントで他のファイナリストたちを引き離した。2位以降はロサンゼルス・チャージャーズのランニングバック(RB)J.K.ドビンス(195ポイント)、ミネソタ・バイキングスのQBサム・ダーノルド(102ポイント)、バッファロー・ビルズのセーフティ(S)ダマー・ハムリン(86ポイント)、ニューイングランド・ペイトリオッツのコーナーバック(CB)クリスチャン・ゴンザレス(69ポイント)が名を連ねている。
パッシングヤードとタッチダウン数で2024年のリーグトップに立ったのみならず、バロウはパサーレーティング(108.5)で3位につけ、成功率(70.6%)でも4位だった。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、4,500パッシングヤード以上とタッチダウンパス40回以上を記録しながら、インターセプトを10回未満に抑えたのは、バロウでNFL史上3人目。他にはトム・ブレイディ(2007年)とアーロン・ロジャース(2011年)がいる。2人とも、そのシーズンにAP通信年間MVP賞に選ばれていた。
バロウは2024年のMVPとオフェンス部門年間最優秀選手賞でもファイナリストに入っていた。
シーズン第9週から第17週でバロウはNFL記録となる、8試合連続での250ヤード超えかつタッチダウンパス3回以上を達成した。これにより、バロウは以前にブレイディが保持していた記録(6試合、2007年)を更新。ベンガルズはこの期間で6勝3敗となり、シーズン末には5連勝を決めた。しかし、1勝4敗でのシーズンスタートを帳消しにするのは難しく、ポストシーズンには届かずに終わっている。
『NFLリサーチ』によれば、バロウより多くのタッチダウン数を記録しながらも所属チームがプレーオフを逃したのは、NFLの歴史を振り返ってもダン・マリーノ(44回)だけだという。
2024年に、自分自身が記録したパッシングヤードとタッチダウンの単一シーズンにおけるフランチャイズ記録を塗り替えたバロウは、その過程でワイドレシーバー(WR)ジャマール・チェイスの信じられないほどのシーズンを支えている。ベンガルズのスターワイドアウトであるチェイスは、キャッチ127回、1,708ヤード、タッチダウン17回で、今季に3冠を達成。レシービングヤードとタッチダウンではチームの単一シーズン記録を更新しており、タッチダウンキャッチではカール・ピケンズが保持する単一シーズン記録と並んでいる。
2024年に2度目のプロボウル選出を遂げたバロウにとって、カムバック選手賞を受けるのも2回目にあたる。1回目も、多くの疑問が渦巻く中で始まったシーズンのことだった。この賞を2度受けた選手は、チャド・ペニントン(2006年、2008年)とバロウだけ。28歳のバロウは2021年に、ルーキーシーズンを終わらせたACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂から立て直したシーズンに対してこの賞を贈られている。その年、バロウはベンガルズをチーム3度目のスーパーボウル出場へと導いていた。
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