現地13日（木）、ニューオーリンズ・セインツの新ヘッドコーチ（HC）であるケレン・ムーアの就任会見が行われた。ムーアHCはこの仕事を完遂するための能力に自信を見せつつも、自身とチームがどのようにフランチャイズを軌道に戻すかについて、多くは明かしていない。

ムーアHCは木曜日に「大事なのは信仰、家族、フットボールで、そのプライオリティは決して変わらない」と話した。

「特別な人たちと組んだとき、特別なことができる。私はその機会に、本当にエキサイトしているんだ。プレイヤー側でもコーチ側でも、私の周りにいる素晴らしいリーダーたちと一緒に、このチームを正しい方法で導きたい。もう一度言うが、これは素晴らしい機会だ」

35歳のムーアは、ここ20年で最悪の戦績（5勝12敗）に終わったセインツを率いるために雇用された。勝利数が最後にこれ以下にとどまったときには、ジム・ハスレットが解任され、ショーン・ペイトンがやってきた。第44回スーパーボウルで優勝し、15年のスパンで平均して10勝以上をマークしてきたペイトンと同じくらいの成功をムーアHCが収めることができれば、それは間違いなく大成功だと言えるだろう。

ペイトンと同様に、ムーアも攻撃畑のコーチであり、木曜日には自分でプレーコールを行うことを明らかにしている。元在籍チームであるフィラデルフィア・イーグルスでは、ムーアがプレーコールを行って第59回スーパーボウルを制した。シーザーズ・スーパードームではクオーターバック（QB）ジェイレン・ハーツがMVPに輝いており、いずれムーアを起用することになるセインツは、彼らのオフェンスがどうなっていくかをそこに見いだしている。

ただし、疑問はどのクオーターバック――もしくはクオーターバックたち――をムーアが指揮するかだ。

間もなく34歳になるQBデレック・カーにはあと2年の契約があるものの、今後2年で5,100万ドル（約77億8,148万円）と6,100万ドル（約93億1,084万円）のキャップヒットがある。ムーアHCはカーが2025年シーズン第1週にセインツのスターターを務めるかどうかについて、明言は避けた。一方で、NFLの先発レベルとしてのカーを称賛し、今後も共に働くことに前向きな姿勢を示している。

「デレックはこのリーグでとてつもなく素晴らしいクオーターバックだ。彼や、彼がこれまでにたどってきた道筋を、とても尊敬している。彼はこのリーグの先発だ。このリーグでも最高の選手だ。フレズノ州立大学からスタートして、レイダース、そしてここと、彼はこれまでに素晴らしい旅をしてきた」

カーの他にも、サラリーや年齢の部分で将来が不透明なセインツの選手がいる。その1人がランニングバック（RB）アルビン・カマーラだ。カマーラはトレーニングキャンプ開始前に30歳の誕生日を迎え、今後2シーズンのキャップヒットは1,010万ドル約15億4,112万円）と1,860万ドル（約28億3,786万円）になる。

カマーラに「とても大きな敬意」を抱いているというムーアHCは、ニューオーリンズにはカマーラの未来があることを示唆した。

「もちろん、このリーグで最高の選手の1人だ。彼のパスゲームおよびランゲームでの能力は素晴らしいし、多様な役割を果たすことができる。長い間、たくさんの人々が“どうやったらうちのチームにアルビンみたいな選手を持てる？”と思ってきた。本当に重要なピースの一つだ」

「彼はこれからも本当に重要なピースであり続ける。彼がいてくれて、われわれはとても幸運だ」とムーアHCは述べている。

【A】