イーグルスHCシリアニ、プレー禁止の提案後もタッシュプッシュプレーを擁護
2025年02月26日(水) 11:12
スーパーボウルチャンピオンとなったフィラデルフィア・イーグルスのヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニは、対戦相手がタッシュプッシュプレーを非難するのを黙って見ているつもりはない。
イーグルスの象徴的なプレーに対する非難が集中する中、シリアニHCは現地25日(火)にNFLスカウティングコンバインの場で反撃に出ている。
シリアニHCは「自動的に決まるプレーだとか、そうじゃないとかいう話を聞いたことがある」と述べ、こう続けた。
「私たちは本当に懸命に取り組んでいる。あのプレーに関してはものすごく努力しているから、少し侮辱されたような気分だ。プレーの指導方法や基本についてどれだけ調べてきたことか。世の中には何千ものプレーがあるが、結局は基本をどう教えるか、選手たちがどれほどその基本を習得し、実行するかにかかっている。スナップの練習を何回したかは数えきれない。簡単に練習できるものはないからこそ練習してきたし、練習する方法をいくつも見出してきた」
グリーンベイ・パッカーズはスクラムでクオーターバック(QB)を押す行為を禁止するルール案を提案。そのプレーはイーグルスがここ数シーズンで完璧に使いこなしてきたものだ。
イーグルスがそのプレーを駆使して成長を遂げたからこそ、他チームがそれを禁止しようとしていると考えているシリアニHCは、次のようにコメント。
「それが得意だからって自動的に決まるものだと言われるのは少し侮辱的だ。私たちは本当に懸命に取り組んでいるし、それはリーグ全体で見られることだと思う。実際にチャンピオンシップゲームで、あるチームがそれに失敗して、そのせいで試合に負けた場面を見た。私は毎週、すべてのファースト・アンド・ゴールの場面におけるレッドゾーンでの失敗に目を通している。ファースト・アンド・ゴールが1ヤードラインから開始されたプレーで、そのチームが(タッシュプッシュプレーを)成功させられず、ラインに到達できていない場面もあった。チームにいる選手たちやコーチ陣の指導方法のおかげで、うちにはそのスキルがあると思っている。繰り返しになるが、私たちはそれに多くの時間を費やしている。イーグルスが成功を収めているプレーだからといって、他の人々がそれを奪おうとするのは少し不公平だと思う」
リーグがケガのリスクを懸念している可能性もあるが、このプレーはあまり頻繁に行われるものではないため、ケガに関するデータはほとんどない。ケガのリスクは論点をずらすものだと考えているシリアニHCは、こう語った。
「それについて見てもらうと――私たちも調べたのだが――実際にケガが多かったわけではない。私は正直、でっち上げだと思っている。実際のところは数字が物語るだろうが、今年はそれによる負傷はそれほど多くなかったと思う。私たちはどこよりも多くあのプレーを実行したが、それで負傷した選手は1人も思い出せない」
あるチームが他のチームよりもそのプレーに秀でているという理由だけで、NFLがそのプレーを禁止すると、最終的に悪い方向に進んでいく可能性がある。ルール改正の提案は、競技委員会やオーナーたちがそのプレーを禁止したいと考えていることを意味するわけではない。投票を行うことになったとしても、タッシュプッシュプレーを排除するには24人のオーナーがそれに同意する必要がある。
「もちろん、私はそれを守りたいと思っている。これまでそれで成功を収めてきたからね」と述べたシリアニHCは「繰り返しになるが、競技委員会があらゆることをしっかりと見てくれると信じている」とつけ加えた。
【RA】