タッシュプッシュのルール変更案に関する投票は後日に延期
2025年04月02日(水) 14:56
“タッシュプッシュ”にまつわる大論争は少なくともあと数カ月続くことになりそうだ。
グリーンベイ・パッカーズが提案した改造版クオーターバック(QB)スニーク――ここ数シーズンでフィラデルフィア・イーグルスがうまく活用していることで有名になったプレー――を禁止する案は後日、検討されることになった。
この問題は、フロリダ州パームビーチで行われている年次リーグミーティングで2日間にわたってたくさん議論された。現地1日(火)に実施された競技委員会の会合では、このプレーの将来をめぐる本格的な議論の土台が築かれている。賛成派と反対派は会議の最初の2日間で公に意見を交わしたが、最終的にリーグの意思決定者たちは、あらゆる状況を考慮するために、より多くの時間を確保することを選択した。
火曜日、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルはリーグミーティングの最後に臨んだ記者会見で「タッシュプッシュに関する議論は非常に有意義なものだった。多くのデータを示し、各クラブから多くの質問が寄せられ、活発な議論が交わされた」と報道陣に述べている。
「この件については、安全性に関する問題が考慮されていると思う。データはわずかしかないが、データ以外にも、私たちが研究しているケガのメカニズムや、特定のプレーまたはタックルに伴うリスクを示すようなものがある。だから、そういった点についても話し合った」
プレーの反対派が選手の安全性を脅かすものだと主張している一方で、存続を支持している人々はその主張を裏付けるデータが不足していることを指摘している。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによると、NFLの医療専門家は会議中に各チームに対し、現時点で十分なデータがなくても、ケガのリスクがあることを強調したという。
NFL競技委員会のリッチ・マッケイ委員長は火曜日にNFLネットワークのインタビューに応じ、このプレーをめぐる議論の中で選手の健康と安全は話題の1つとなっていたが、オーナーたちが考慮している点はそれだけではないと説明した。
「“これは伝統的なプレーじゃない気がする。フットボールの本来の姿ではない。どちらかというとラグビーに近い。健康と安全が心配だ”という議論があった」とマッケイは話している。
また、マッケイは報道陣に対し、火曜日にタッシュプッシュに関する議論は30分から40分ほど続いたと明かし、2004年に削除された選手を押すことに関するルールブックの文言についても言及した。
マッケイは「2004年までは押すことや引っ張ることを禁止するルールがあったが、審判がフィールドの奥で何が起こっているかを判断するのが難しくなったため、そのルールは削除された」と語り、こう続けている。
「つまり、消されたのだ。その結果として、このようなプレーやフォーメーションが生まれた。だからこそ、今日この提案について投票するのではなく、グリーンベイは2004年の文言を再導入することについて再び話し、学び、理解し、5月にまた議論しようと提案したのだろう」
タッシュプッシュを検討する際には、選手を押したり引っ張ったりすることに関する2004年以前の文言を精査する必要があると繰り返したグッデルは次のように述べた。
「以前のルール、2004年以前のルールに戻すべきだという議論が盛んに行われていると思う。そのルールが適用されていた期間については論争がある。しかし、実際にそれは多くの点で理にかなっていると私は思う。それは1つのプレーにとどまらず、もっと広い範囲に適用されるからだ。タッシュプッシュのフォーメーションに限らず、誰かを引っ張ったり押したりするプレーは多くあり、私はそれがケガのリスクを高めていると考えている。委員会はそれを検討し、5月に何らかの提案を出すだろう」
タッシュプッシュの禁止はイーグルスに最も大きな影響を与えると見られている。イーグルスのオーナーであるジェフリー・ルーリーは火曜日にフロリダで報道陣に対応した際に今回の提案に触れ、プレーがもたらすケガのリスクについて疑問を呈した。
ルーリーは「自分を含むすべての人にとって、プレーを評価する際に最も重要なのは健康と安全だと思う」とコメント。
「私たちはタッシュプッシュに関するどんなデータもオープンに受け入れてきた。あれがまったく安全なプレーではないと示すデータは1つもない。もし安全なプレーじゃなかったら、私たちはタッシュプッシュを推奨していなかったはずだ」
「物事には盛衰があるが、特定のチームや少数のチームがうまく実行しているという理由でプレーが禁止されたことは一度もないと思う。フットボールがチェスの対戦のようなものであることは、多くの人がフットボールを愛する理由の1つだと思う。チェスの対局を続けようじゃないか。何らかの理由で禁止されることになっても、私たちはショートヤードの状況で最善を尽くすつもりだ。私たちにはたくさんのアイデアがあるが、人材をうまく活用していることが功を奏しているのだろう。600ポンドのスクワットができるクオーターバックとそのオフェンシブラインを擁しているチームは多くない。もしケガのリスクがあったら、私も心配していただろう」
一方、プレーの禁止が特定のチームに関連しているという考えを否定したグッデルは、こう話している。
「私たちはこれを1つのチームの状況として見ているわけではない。私たちが注目しているのは、ケガのリスクを高める可能性がある特定のプレーについてだ。すでに言った通り、私たちが目を向けていることの1つは、2004年以前に存在していたルールであり、それはフィールド上で押したり引っ張ったりすることを制限するものだった。そして、そのようなヒットの一部はタッシュプッシュ以外の状況でも発生する。それこそ、私たちが委員会に安全衛生担当チームと共に振り返り、調べてもらいたいと考えていることだ。そうした事例を調査し、タッシュプッシュに限らずもっと広い範囲にルールを適用すべきかを見極めるためにね。また、彼らには5月に会員に対してその結果を報告してもらう予定だ」
春季リーグミーティングは5月20日(火)から21日(水)にかけてミネアポリスで行われる予定だ。
【RA】