ニュース

プロボウルに5度選出されたドルフィンズLTアームステッドが12シーズンを経て引退へ

2025年04月06日(日) 12:45


マイアミ・ドルフィンズのテロン・アームステッド【AP Photo/Doug Murray】

過去10年間で最も優秀なレフトタックル(LT)の1人が、キャリアに終止符を打つことになった。

現地5日(土)、ニューオーリンズ・セインツとマイアミ・ドルフィンズで合計12シーズンにわたってプレーしてきたテロン・アームステッドが引退すると『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報道。

プロボウルに5回、オールプロのセカンドチームに1回選出された経歴を持つアームステッドは、キャリアを通じて131試合に先発出場してきた。

2013年ドラフトの3巡目で指名されてからすぐに頭角を現したアームステッドは、セインツで元QBドリュー・ブリーズの頼れるブラインドサイドプロテクターとして活躍。最終年となった2021年シーズンを除き、セインツのオフェンスはアームステッドの在籍期間中に得点ランキングでトップ10を維持し続けた。

セインツで9シーズンを過ごした後、アームステッドはフリーエージェント(FA)としてドルフィンズに加入。セインツで3回プロボウルに選出されたアームステッドは、ドルフィンズ加入後も2年連続でプロボウル選出を果たした。アームステッドが加入したドルフィンズもオフェンスの爆発力が特徴となり、最初の2年間における得点ランキングでそれぞれ11位と2位にランクイン。しかし、クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアや他の選手たちのケガが影響し、昨季は期待通りの結果を残せなかった。

アームステッド自身もキャリアを通してケガに悩まされ続け、オフェンシブラインの脅威として数々の栄誉や評価を得てきた一方で、全試合に出場したシーズンは一度もなかった。ドルフィンズでの3年間では、さまざまなケガによって13試合を欠場している。

昨年のオフシーズンに12シーズン目を迎えるかどうか時間をかけて考えた末に、再びユニフォームを着ることを選んだアームステッド。しかし、再び熟考を重ねた結果、今回は正式に引退を決断した。

アームステッドはキャリアの絶頂で引退を決意している。2024年シーズンには『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によるオフェンシブタックル(OT)の総合ランキングで4位(オフェンシブグレード89.4)に輝き、パスブロッカー(84.8)とランブロッカー(83.4)の両方でトップ10にランクインした4人のタックルのうちの1人となった。

昨季を8勝9敗で終えたところから立ち直ろうとしているドルフィンズは、アームステッドの引退によってレフトサイドに大きな穴を抱えることになる。

しかし、ドルフィンズに選択肢がないわけではない。

2024年ドラフトの全体55位で指名されたパトリック・ポールは、アームステッドの後継者と見なされている。身長約201cm、体重約151kgと大柄なポールは、来季に先発出場する準備が整っていると明言してきた。ドルフィンズはガード(G)のリアム・エイシェンバーグと再契約し、フリーエージェントのGジェームズ・ダニエルズと3年契約を締結。2人はオフェンシブラインの内側を強化し、移行をサポートするはずだ。

有望なオフェンシブラインマン(OL)がそろっていると見られるドラフトの全体13位で指名を行う予定のドルフィンズは、それ以外に150位以内の指名権を5つ保有している。

タゴヴァイロアの負傷歴を考慮すると、ドルフィンズがアームステッドの離脱をどの程度補えるかが、2025年に復活を果たせるかどうかを左右する重要な要素となるだろう。

ドルフィンズはその目標に全力で取り組んでいくはずだ。一方、アームステッドは時代を代表する優れたオフェンシブラインマンの1人としてキャリアを終える。

【RA】