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昨季を不本意な形で終え、実力を「証明」することを目指すドルフィンズWRヒル

2025年05月29日(木) 11:53


マイアミ・ドルフィンズのタイリーク・ヒル【AP Photo/Marta Lavandier】

2024年シーズンを不本意な形で終えた後、マイアミ・ドルフィンズから離れたいと発言したものの、後にその発言を撤回したワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルは、2025年に向けて新たなスタートを切ろうとしている。

ドルフィンズのスター選手であるヒルはOTA(チーム合同練習)の2日目に報道陣の取材に応じ、リーグ屈指のワイドレシーバーであることと、チームメイトにとって頼れるリーダーであることを、改めて証明する必要があると語った。

現地28日(水)、ヒルは「それがこのリーグの日常だ」と話している。

「毎日、自分の存在を証明しなきゃいけない。このリーグでは、どれだけ稼いできたとか、どれだけ成功してきたかなんて関係ない。常に次の日を意識する姿勢が求められる。それは祖父母に教えられたことでもあるし、マイク(マクダニエルHC/ヘッドコーチ)がこのロッカールームで何度も言っていることでもある。俺は毎日、このチームが重要な場面で頼りにできる選手の1人であることを証明しようとしている。人としても、選手としても、個人としても、その姿勢を貫くつもりだし、そういうふうに振る舞っていく」

ヒルは、2025年シーズンに再びチームのキャプテンを務めたいか、またその資格があると感じているかと尋ねられた際に、自身の考えをさらに強調した。

「実力を証明しないと。このOTAでも、トレーニングキャンプでも、自分の能力を証明しないといけない。違う姿を見せないと。マインドセットも変えないといけない。キャプテンにふさわしいとは感じてないし、任されなかったとしても思い悩むことはないと思う。自分をそういう状況に置いたのは自分だから、気にするつもりはない」

ドルフィンズが8勝9敗と不本意な2024年シーズンを過ごした責任がすべてヒルにあるわけではない。ドルフィンズ攻撃陣はシーズンの大半でうまく連携が取れていなかった。また、プレーオフ進出がかかった最後の2試合を含む6試合を欠場したクオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアをはじめとし、負傷者が相次いだことがチームに影響を及ぼし、最終的にあと一歩のところでプレーオフ進出を逃した。

ヒルはキャリア最低の数字を残しそうになったが、手首のケガを抱えながらも全17試合に出場し、レシーブ81回、959ヤード、タッチダウン6回を記録。2024年は9年のキャリアで初めてプロボウル選出とプレーオフ進出の両方を逃したシーズンとなり、後者の結果がシーズン終盤のフラストレーションにつながったとヒルは明かしている。

レギュラーシーズン最終戦で自ら退場したように見えたヒルは「つらかった。もちろん、あのときは感情が高ぶっていた。結局のところ、俺はそこから前に進みたいんだ。自分自身にそれを証明したいし、チームメイトにもまだ自分が2,000(レシーブヤード)を追いかけている選手の1人であることを示したい。プレーオフの夢とかそういう素晴らしい目標を追い続ける1人なんだってね」と語った。

ヒルはオフシーズンに右手首の手術を受け、今週のOTAでは保護用ブレースを装着している姿が見られた。マクダニエルHCは水曜日に報道陣に対し、試合後のコメントや行動は容認できないとした上で、オフシーズンに受けた手術からの回復過程でヒルが積極的な姿勢を見せていることには励まされていると述べた。

ヒルはマクダニエルHCの攻撃的なシステムの下で、ドルフィンズ加入後の最初の2シーズンで連続して1,700ヤード超えを達成した。31歳のヒルは残念な結末を迎えた昨シーズンを経て新たな視点を得た2025年に、かつての輝きを取り戻すことを目指している。

今後、フラストレーションにどのように向き合っていくのかと質問されたヒルは「まず、教会に行く回数を増やして、セラピーももっと受けるつもりだ」と答え、次のように続けた。

「最近は自分の中でそういう部分が増えてきたと思うし、前よりもっと取り組むようになった。それから、コーチがしようとしていることも理解しつつある。ここに来たばかりの頃は、完全に納得していなかったとは言わないけど、今は彼がロッカールーム全体に伝えようとしていることをよりよく理解できるようになった。今は彼のことがよく分かるし、トゥアのことも、ベブ(攻撃コーディネーター/OCダレル・ベベル)のことも、より理解できるようになった。新しいレシーバーコーチ(ロバート・プリンス)とは、彼が来てすぐに意気投合した。みんなが同じ方向を向いている」

【RA】