バイキングスとアドフォ・メンサGMが複数年の契約延長に合意
2025年05月31日(土) 10:08
予想より時間はかかったものの、ミネソタ・バイキングスがジェネラルマネジャー(GM)との契約をまとめた。
現地30日(金)、クウェシ・アドフォ・メンサとバイキングスが複数年の契約延長に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが情報筋の話をもとに報道。その後、バイキングスは新契約について正式に発表した。ラポポートとペリセロによれば、両者は木曜夜に契約に合意したという。
バイキングスのオーナー兼社長のマーク・ウィルフは声明で「クウェシのリーダーシップ、ビジョン、そしてコーチ陣との連携によって、ミネソタ・バイキングスは持続的な成功を収める基盤を確立した」と述べた。
「彼の献身的な姿勢と先を見据えたアプローチは、チームのロースターと未来を形作る上で不可欠であり、私たちは彼と(ヘッドコーチ/HC)ケビン・オコンネルの指導のもと、今後も最高のレベルで戦い続け、バイキングスファンのためにチャンピオンシップを目指していけると確信している」
ペリセロによると、バイキングスはライアン・グリグソンとデミトリアス・ワシントンをアシスタントジェネラルマネジャーに昇格させる予定だという。この2人はアドフォ・メンサがジェネラルマネジャーに就任して以来、その補佐役として活躍してきた人物だとペリセロはつけ加えている。
バイキングスは1月21日にオコンネルHCとの契約延長に合意。オコンネルHCの契約延長が発表された際、ラポポートとペリセロはアドフォ・メンサGMの交渉も進んでいると報じていた。それから4カ月が経過した今、アドフォ・メンサGMの契約延長も実現し、バイキングスにおけるHCとGMの体制が今後も継続されることになった。
アドフォ・メンサGMは契約延長について「ミネソタ・バイキングスとともにこの旅を続けられることに、言葉では言い表せないほど興奮している」と語り、こう続けている。
「この組織は私にとって非常に大きな意味を持っており、私は常にここで築いているものを信じてきた。オーナー陣から素晴らしいスタッフに至るまで、このチームには毎年競争力を維持し、勝利の文化を築くという目標に向かって真摯に取り組む姿勢がある。ウィルフ家の皆さんが私に寄せてくれた信頼に感謝しており、オコンネルコーチとともにチーム運営を先導していくことを心から楽しみにしている」
「ミネソタの皆さんは私の家族を温かく迎え入れてくれた。究極の目標を追い求めることで生じる犠牲も、その目標が最高のファンベースとこの素晴らしい州にとって何を意味するのかを理解した上で受け入れるつもりだ。私たちはすでに大きな進展を遂げているが、今後も常に上位争いをするチームとしての地位を確立することに注力していく。今回の契約延長は、私たちが掲げた長期的なビジョンのもとでしっかりとした基盤を築いていることを示している。才能あふれるチームとともに、このフランチャイズが成し得る可能性の限界を押し広げ続けることに、私は胸を躍らせている」
43歳のアドフォ・メンサGMと40歳のオコンネルHCは、2022年シーズン開幕前にバイキングスに加入して以来、ある意味でセットのような存在となっている。
それ以来、バイキングスは34勝17敗の成績を残し、2度のプレーオフ進出を果たしてきた。
アドフォ・メンサGMは2013年にサンフランシスコ・49ersでフットボールリサーチおよび開発部門部長としてNFLキャリアをスタートさせた。その後、2020年から2021年までクリーブランド・ブラウンズでフットボール運営部門副社長を務め、バイキングスへと移っている。
契約延長が決まったアドフォ・メンサGMは、最終的な90人のロースターを編成する過程で、チームの調整に忙しく取り組むことになるだろう。
アドフォ・メンサGMは多忙ながらも実り多いフリーエージェント(FA)期間序盤を終え、その後のドラフトでも積極的に動いた。
バイキングスはランニングバック(RB)アーロン・ジョーンズと再契約し、RBジョーダン・メイソンをトレードで獲得。また、コーナーバック(CB)バイロン・マーフィ二世と再契約し、セーフティ(S)ハリソン・スミスを呼び戻した。そして、ガード(G)ウィル・フライズとセンター(C)ライアン・ケリーを獲得してオフェンシブラインを、ディフェンシブエンド(DE)ジョナサン・アレンとノーズタックル(NT)ジャボン・ハーグレイブを手に入れてディフェンシブラインを強化している。
バイキングスはGドノヴァン・ジャクソン(1巡目)やワイドレシーバー(WR)タイ・フェルトン(3巡目)を含む5人の選手をドラフトで指名したが、アドフォ・メンサGMはドラフト週末に現役NFL選手を絡めた唯一のトレードも成立させており、シアトル・シーホークスからサム・ハウエルを獲得することで、2024年ドラフト1巡目で指名したJ.J.マッカーシーが率いるクオーターバック(QB)陣を強化した。
とはいえ、オフシーズンに最大の話題となったのはバイキングスが失った選手だ。昨季にバイキングスで活躍したQBサム・ダーノルドは3月にシーホークスに移籍している。
ダーノルドはロサンゼルス・ラムズに敗れたワイルドカードラウンドを含むシーズン最後の2試合に至るまで、ミネソタでキャリアを立て直し、素晴らしい活躍を見せていた。
バイキングスはダーノルドの退団を受け、昨年のプレシーズンに半月板を断裂して膝の手術を受けたマッカーシーを司令塔に据える態勢を整えているようだ。
今年のドラフト指名選手たちの運命はまだ定まっていないが、アドフォ・メンサGMのこれまでのドラフト実績は依然として懸念材料となっている。
成功例となった選手よりも、失敗や疑問符がつく選手の方が多い。アドフォ・メンサGMが2022年に指名した最初の2人――ドラフト1巡目指名のSルイス・シネと2巡目指名のCBアンドリュー・ブースJr.――はすでにチームを去っている。
バイキングスは2024年ドラフト1巡目で2人の選手を指名したが、マッカーシーは重傷を負い、ラインバッカー(LB)ダラス・ターナーは1試合も先発出場することなく、『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』によるパスラッシュグレードも55.2にとどまった。一方で、2023年ドラフト1巡目で指名したWRジョーダン・アディソンは成功例となっている。
全体として、アドフォ・メンサGMとオコンネルHCのコンビはミネソタに成功をもたらすことの方が多かった。両者は今後も長きにわたって共に歩み続け、より大きな成果を目指していくことになる。
【RA】