引退は「突然」決断する可能性があるとイーグルスRBバークリー
2025年06月05日(木) 12:42
ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーは歴史的なシーズンを送ったことで『Madden NFL 26(マッデンNFL 26)』の表紙を飾ることになったが、フィラデルフィア・イーグルスのファンはバークリーを当然の存在とみなさないよう、これまで以上に注意を払った方がいいかもしれない。
バークリーはポッドキャスト『Green Light with Chris Long(グリーン・ライト・ウィズ・クリス・ロング)』に出演した際に、長期的な展望について語り、イーグルスファンを動揺させるような驚きの回答をした。
全盛期で引退するのか、限界まで続けるのかと質問されたバークリーは「素晴らしい質問だ」と答え、こう続けている。
「俺はたぶん、突然決めるタイプだと思う。来年かもしれないし、2年後とか4年後かもしれないけど、ある日、目覚めたときに、ああ、もう終わりだと思うんじゃないかな。情熱を失うことは絶対にないと思う」
「競争心はずっと持ち続けるはずだ。たぶん、これまでで一番好きな選手はバリー・サンダースだから、彼と似たような感じかもね。ある日突然、絶好調なときにもうやめようって思うかもしれない」
バークリーが突然の引退もあり得ると語った瞬間、その言葉を聞いた人たちの頭にはサンダースの引退が思い浮かんだはずだ。NFLで輝かしいキャリアを築いたサンダースは、1998年に何の前触れもなく現役を引退。その時点でサンダースのキャリア通算ランヤード(1万5,269ヤード)は、ウォルター・ペイトンが樹立していた当時の歴代最多記録まで約1,500ヤードに迫っていた。その後、時が経つにつれてエミット・スミス(1万8,355ヤード)やフランク・ゴア(1万6,000ヤード)に抜かれ、サンダースは現在、通算ランヤード数で歴代4位に位置している。
サンダースの引退が衝撃的だったのは、現役を退く時点でトップクラスのランニングバックだったからだ。バークリーもまたNFL屈指のランニングバックであり、イーグルスでの初年度に2,000ランヤード突破と第59回スーパーボウル制覇を果たし、新たに2年4,120万ドル(約58億8,732万円)の契約を勝ち取った上で2025年シーズンを迎えようとしている。
その大型契約には、バークリーが今後何年もリーグのトップクラスで活躍し続けることに対する期待が含まれている。しかし、バークリーの発言は“何年も”現役を続けるとは限らないことを示唆していた。
バークリーのキャリア通算ランヤード(7,216ヤード)はサンダースの記録からはほど遠い。また、サンダースが引退を決意した10年という節目に到達するにはまだ3年ある上に、イーグルスとの契約期間も4年残っている。
イーグルスファンは安心して眠りにつこうとするとき、そうした事実を何度も自分に言い聞かせるだろう。しかし、バークリーが自身のフットボール人生は多くの人が予想するほど長く続かないかもしれないと率直に認めたことで、イーグルスがカンザスシティ・チーフスに圧勝した第59回スーパーボウルの余韻に浸っているファンたちは不安に駆られるはずだ。
マッデンの表紙を飾るスター選手がすぐに引退するわけではない。しかし、本人の発言を踏まえると、バークリーがプレーしている間にその活躍を楽しんでおいたほうがいいだろう。
【RA】